
7月18日放送のTBS系音楽特番「音楽の日2026」で、Snow Manに与えられた約10分の枠を巡り、所属事務所STARTO ENTERTAINMENTとTBSの間に緊張が走っていたことがわかった。披露されたのは既に大ヒットしている過去の楽曲で、当時ビルボード首位を獲得していた最新曲ではなかった。この選曲を巡るやり取りが原因で、冠番組「それSnow Manにやらせて下さい」の存続まで一時危ぶまれたという。
8時間特番の目玉、Snow Manに与えられた「10分の主役枠」
「音楽の日2026」は東日本大震災から15年の節目に「こえる。きこえる。」をテーマに掲げ、7月18日午後2時から約8時間、総勢80組を集めて生放送された、TBSの夏の大型音楽特番だ。数ある出演者の中で、Snow Manには約10分という異例の長尺が用意されていた。
STARTO ENTERTAINMENTの中でもトップの地位を確立しているSnow Manは、5thアルバムを引っさげた5大ドームツアーで約78万人を動員し、映像作品も発売のたびにチャート首位を更新し続けている。看板グループへの長尺枠は、番組にとっても最大級の目玉企画のひとつだったといえる。
披露されたのは「カリスマックス」など過去の大ヒット曲
本番で歌われたのは「カリスマックス」「EMPIRE」「君は僕のもの」の3曲によるメドレーだった。中でも「カリスマックス」は2025年8月配信の楽曲で、自身最速となるストリーミング1億回再生、SNS再生数は10億回を突破している、いわば「鉄板曲」だ。テレビの大型特番としては、幅広い世代に届く実績十分な選曲だったとも言える。
一方で、この選曲には見過ごせない点がある。放送のわずか12日前にあたる7月6日、Snow Manは新曲「グッタイム」を配信リリースしていた。この曲は「Billboard JAPAN Hot 100」で総合首位を獲得し、「Billboard Global 200」にもランクインするヒットとなっていた曲だ。8時間特番という最大級の露出機会に、当時最も勢いのあったこの新曲ではなく、過去の持ち曲が選ばれたことになる。
STARTO社が「最新曲への変更」を要望、一触即発に
現代ビジネスによると、STARTO社は番組制作サイドに対し、披露曲を最新曲に変更するよう求めた。これが原因で両者の間に摩擦が生じ、TBSスタッフの話として「一触即発の状態に陥っていた」と伝えられている。
取材に応じた番組関係者は、どちらか一方に非があるという単純な構図ではなく、双方がそれぞれの立場から正当な主張を重ねた末の見解の食い違いだったと振り返っている。事務所側にとって、ビルボード首位を獲得した新曲を全国放送の大舞台で届けることには、大きな宣伝効果が見込める。一方でテレビ局側には、8時間という長丁場を幅広い視聴者に楽しんでもらうため、認知度の高い既存のヒット曲を求める事情があったとも考えられる。新曲を推したい事務所と、鉄板の盛り上がりを求めるテレビ局という、音楽番組ではしばしば起こりうる立場の違いが、今回は表面化した形だ。
冠番組「それスノ」の存続まで危ぶまれた
この摩擦は、Snow Manの冠番組であるTBS系「それSnow Manにやらせて下さい」(金曜20時放送)の存続問題にまで発展しかけたという。同番組は2021年の放送開始以来、Snow Manが9人全員でレギュラー出演する数少ない地上波番組のひとつであり、ファンにとっても特別な位置づけを持つ。
一度の音楽特番における選曲を巡るやり取りが、週間レギュラー番組の去就にまで波及しかねなかったという展開は、それだけ両者のせめぎ合いが深刻だったことを物語る。トップアイドルグループの意向であっても押し通せなかったという点は、STARTO社とテレビ局との力関係を考えるうえでも興味深い一件だ。
押し切られた事務所、変わりつつある力関係
現代ビジネスはこの経緯について、STARTO社に「それスノ」の打ち切りを示唆したのは事実かどうか問い合わせたが、期限までに回答は得られなかったという。トラブル自体はすでに解決済みとされるものの、最終的にどのような形で収束したのかは明らかにされていない。
かつての旧ジャニーズ事務所は、テレビ局に対して強い発言力を持つとされてきた。しかし今回、トップグループの看板曲を巡る要望がすんなり通らなかったという事実は、STARTO ENTERTAINMENTへの体制移行を経て、事務所とテレビ局の関係性が一枚岩ではなくなりつつあることを示している。Snow Manはこの夏、YouTubeの人気チャンネル「THE FIRST TAKE」にも初出演するなど、テレビ以外の場で新曲を届ける動きも見せていた。地上波の看板番組で最新曲を披露できなかった今回の一件は、事務所側が今後どのような媒体で新曲を売り込んでいくのかを占ううえでも、小さくない意味を持っている。



