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へずまりゅう市議「もうダメかもしれん」公選法違反の陳情に反論、辞職危機を告白

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へずまりゅう
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元迷惑系YouTuberから奈良市議に転身したへずまりゅう氏(本名・原田将大氏、35)が、就任から1年余りで最大級の逆風にさらされている。2026年9月3日、奈良市議会に自身の公職選挙法違反疑惑を調査するよう求める陳情書が公開されると、本人は即座にXで危機感をあらわにした。証拠のない中傷だと全面否定する一方、翌4日には対立する別の市議が「陳情者の母親に脅しの電話がかかった」と主張する事態に発展。当選の正当性そのものを問う疑惑は、どこまで真実なのか。



 

正午すぎの投稿「もうダメかもしれん」

奈良市議会の令和8年9月定例会に合わせて9月3日、へずま氏に関する複数の陳情書が議会の公式サイトで一斉に公開された。なかでも注目されたのが「陳情第33号」で、正式名称は「選挙運動における買収及び公職選挙法違反の疑いに関する調査の依頼」。2025年7月の奈良市議選におけるへずま氏の選挙活動を巡り、議会に調査を求める内容だ。

これを受けてへずま氏は同日午後、Xで「もうダメかもしれん。議員辞職に追い込まれそうです」と投稿した。陳情の内容は証拠のない中傷だと否定し、市議会事務局に掲載の取り下げを求めたが、提出者の承諾がない限り応じられないと断られたことも明かしている。さらにリコールの動きにも触れ、窮地にあるとの認識を示した。この投稿はスポニチアネックスなど複数のメディアが速報するほどの反響を呼んだ。

 

陳情書が指摘する5つの疑惑

陳情第33号は、陳情者側の主張として、大きく5つの疑惑を並べている。

1つ目は、運動員への飲食費の提供だ。焼き肉代や健康ランドの利用料が、収支報告書の「無償」という記載と食い違っているのではないか、という指摘である。

2つ目は、実態のない選挙運動従事の記載だ。現地での活動が乏しいとされる運動員が、収支報告書に「5日間、無償で従事した」と記載されている点が疑問視されている。

3つ目は、費用負担を巡る口裏合わせを指示したとする証言だ。

4つ目は、うぐいす嬢への事後の対価提供の疑いである。無償で務めたとされる女性の勤務先店舗で、選挙後に高額な買い物があったことが問題視されている。

5つ目は、選挙カーの運転手手当を巡る不正請求の疑惑だ。公費で運転手1人分の手当が請求されているが、実際は選挙期間中の複数日、候補者本人が運転していたとする目撃証言がある。

いずれも陳情者側の主張であり、2026年9月3日時点で事実として認定されたものではない。陳情書には2025年12月に奈良県警へ相談した経緯も記されているというが、時間の経過で客観的証拠の保全が難しく、捜査には至っていないとされる。なお、この陳情第33号の本文にへずまりゅう氏や原田将大という実名は一度も登場せず、終始「候補者」「候補者の妻」という表記にとどまっている。それでもへずま氏本人が「自分に対する陳情だ」と認め、反論に乗り出した格好だ。

 

反論の矛先は「提出者個人」に

へずま氏はその後の投稿で、陳情書の5項目それぞれへの具体的な反証を示すのではなく、提出者への人格攻撃に重心を移した。提出者について「奈良公園パトロールを一緒にしていた方」と説明した上で、家庭内暴力があったとする主張まで持ち出している。

これに対し、奈良市議会の別の議員である柿本元気氏は9月4日、自身のnoteで反論した。柿本氏は、陳情書の提出には氏名と住所の記載が必須で議員に開示されるため「身元があやふやな文書」とは言えないと指摘。虚偽記載があれば私文書偽造罪に問われるリスクもあると説明した。その上で柿本氏は、陳情書の仕組みを積極的に活用するようこれまで呼びかけてきたのはへずま氏自身だったとし、都合の悪い陳情の信頼性だけを否定する姿勢に矛盾があると批判している。さらに柿本氏は、自身の投稿後に提出者へ接触を試みたところ、へずま氏から提出者の母親に陳情の取り下げを求める電話がかかっていたと聞いたと主張している。

 

「陳情=辞職」ではない制度上の現実

もっとも、陳情書が提出されただけで議員の身分に直接影響が及ぶわけではない。陳情は市民が議会に意見を届けるための制度であり、辞職勧告決議でも除名処分でもない。議員が任期途中で議席を失うのは、本人の自発的辞職、議会の除名処分(出席議員の3分の2以上の出席かつ4分の3以上の同意が必要)、住民によるリコール、選挙犯罪による当選無効のいずれかに限られる。

へずま氏が言及したリコールについても、地方自治法上、当選から1年が経過した2026年7月20日以降は制度上請求可能な時期に入っている。ただし奈良市の有権者数はおよそ30万人規模で、必要な署名数はその3分の1、約10万筆にのぼるとみられる。しかも1か月以内に集める必要があり、へずま氏自身の得票数8,320票の12倍以上という数字だけを見ても、実現のハードルは極めて高いといえる。

 

陳情は同時に5件、熊本支援や奈良公園活動も対象に

今回の陳情はこの1件だけではない。9月3日には同時に、熊本地震の被災地入りの経緯を問う陳情や、奈良公園での活動を元関係者が告発する陳情など、複数の文書が公開されている。へずま氏を巡っては就任以来、居眠り議員への注意や外国人観光客への対応方針などを発端に、賛否両論の陳情が繰り返し提出されてきた経緯があり、今回の騒動もその延長線上にある。

本人は「議員辞職に追い込まれそうです」と危機感をあらわにしている。しかし、現時点でへずま氏の議席を直接脅かしているのは、陳情書が出たことそのものではない。むしろ問われるのは、そこに並んだ疑惑に対して、どこまで具体的に説明できるかだ。「もうダメかもしれん」と発信すれば注目は集まる。だが、市議として求められるのは危機感の表明ではなく、事実に基づく説明だろう。今回の騒動が一過性のSNS炎上で終わるのか、それとも議員としての信頼を揺るがす問題へ発展するのか。分岐点にあるのは、陳情そのものより、へずま氏がこれから何を語るかだ。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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