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新潟でカーシェア「OURCAR」実証へ。「にいがた2km」と連携し学生の足を支える

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株式会社TRILL. 「OURCAR(アワカ)」
画像出典:株式会社TRILL. プレスリリース

長野発のスタートアップが、遊休車両を生かしたカーシェアを新潟へ広げる。カーシェアサービス「OURCAR(アワカ)」を運営する株式会社TRILL.は、新潟市での実証を決めた。

新潟市が進める都心づくり構想「にいがた2km」と連動し、新潟大学周辺から都心部への新たな移動インフラの整備を目指す。あわせて市内在住・在勤の個人と法人を対象に、車両オーナーと利用者の登録受付を始めた。

 

スマホ1台で貸し借りするP2Pカーシェア

OURCARは、個人や法人が持つ遊休車両を、スマートフォン1台で24時間・無人で貸し借りできるP2P(個人間)型のカーシェアサービスである。運営する株式会社TRILL.は長野市に本社を置き、2023年に設立された。

仕組みの核となるのが、車両に後付けするスマートキーボックスだ。利用者はアプリで車を予約し、スマホでキーボックスを解錠して乗り出す。人を介さず鍵の受け渡しが済むため、オーナーは使っていない時間をほぼ手間なく貸し出せる。キーボックスは全車種に対応し工事も不要で、決済やトラブル対応はTRILL.が担う。自社で車両を保有せず地域の遊休車を活用するため、これまで採算面で移動サービスが行き届きにくかったエリアでも展開できるのが強みだという。

 

「にいがた2km」の回遊性を補完

新潟市が推進する「にいがた2km」は、新潟駅・万代・古町をつなぐ約2キロメートルの都心軸で、徒歩や自転車での回遊性を高め、人中心の活力あるエリアを目指す構想である。掲げるのは「まちなかの回遊性向上」と「公共交通の補完」だ。

OURCARは、この補完の担い手となることを狙う。まずは新潟大学周辺を対象に移動手段を提供し、都心部への移動をスマートフォンで使えるカーシェアで支える。新潟市都市政策部の宮崎博人政策監は、個人・法人の遊休車両を地域で活用する発想に触れ、「その補完の担い手として大きな可能性を持っている」とコメントを寄せている。

 

学生がデモ運用で予約から返却まで実演

実証開始に先立ち、TRILL.は8日、新潟市中央区のピア万代でデモ運用イベントを開いた。現地の大学生が、アプリで車両を予約し、スマートキーボックスで解錠して走行から返却までの一連の流れを実演した。

参加した学生団体の担当者は、「新潟は車があるととても便利で地域に出るきっかけも増える」としつつ、「学生にとって移動の選択肢が少ないのが正直なところ」と語る。実際にサービスに触れ、スマホひとつで必要なときだけ車を使える手軽さに驚いたという。学生の視点からも積極的に使い、実証に貢献していきたいとした。

 

長野から新潟へ、越境連携が土台に

今回の展開の土台にあるのが、新潟県と長野県による広域連携の枠組み「Regional Nexus Hub」だ。両県の自治体・大学・企業などが連携する広域型スタートアップ・エコシステムで、2025年6月に内閣府の「第2期スタートアップ・エコシステム拠点都市」に採択されている。

TRILL.は国土交通省が主導する地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS(コモンズ)」の採択企業でもあり、長野県では100台規模の法人車両を共同使用制度で活用するカーシェアを展開してきた。長野市での実証では、累計1587名・予約2850件を記録しているという。この実績を携え、県境を越えて新潟へとサービスを届ける形だ。

 

遊休車両を生かす地域交通の新たな形

人口減少や運転手不足が進むなか、地方都市では公共交通をどう維持するかが共通の課題となっている。使われていない自家用車や法人車両を地域で共有するP2Pカーシェアは、既にある資源を生かして低コストで移動手段を確保する選択肢として注目される。

OURCARの新潟展開は、長野で培った仕組みが別の地域でも通用するかを試す機会でもある。車両オーナーと利用者の登録は新潟市内全域から受け付けており、個人でも法人でも、市内に住まいや事業所があれば参加できる。実証を通じては、利用継続率や地域交通の課題解決にどれだけ寄与できるかが問われることになる。地域に眠る遊休車が、学生や市民の日常の足として根づくかどうかが注目される。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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