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キオクシア株暴落で「好決算」が悪夢に 半導体株も軒並み急落、信用買い8700億円と追い証地獄の悲鳴

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キオクシア 暴落

半導体大手キオクシアホールディングス(285A)の株価が、好決算にもかかわらず急落した。
アドバンテストやレーザーテックなど半導体関連株にも売りが広がるなか、キオクシアでは約8700億円の信用買い残が重荷となっている。
Xでは約2926万円の含み損や640万円の追い証を訴える投稿も現れ、個人投資家の苦境が浮き彫りになっている。

 

キオクシア好決算の悪夢

業績が好調なら株価も上がる。そんな投資家の期待を、キオクシア株は打ち砕いた。

同社が10月30日に発表した業績見通しでは、AIデータセンター向けの需要拡大を背景に大幅な増収増益を予想。しかし、市場が織り込んでいた期待には届かず、株価は失望売りに押された。
さらに追い打ちをかけたのが、11月3日に投開票された米中間選挙だ。
民主党の躍進を受け、米国でデータセンター建設に対する規制が強化されるとの懸念が浮上。AI関連投資の先行きに警戒感が広がった。

11月4日の日経平均株価は893円23銭安。翌5日も1110円73銭安となり、半導体関連株への売りが加速した。

キオクシア株は5日に9324円まで下落。前日から1411円も値を下げた。
企業の業績が悪化したわけではない。それでも株価は下がる。
市場が求めていたのは、好決算をさらに上回る成長だったということだ。

 

半導体株に広がる暴落

今回の売りは、キオクシアだけの問題ではない。
11月5日の東京株式市場では、半導体関連株が軒並み急落した。

半導体製造装置を手がける芝浦メカトロニクスは23.06%安、半導体パッケージ基板などを製造するイビデンは16.31%安。
半導体検査装置大手のアドバンテストも14.71%安、レーザーテックは14.21%安となった。
いずれもキオクシアの13.14%安を上回る下落率だ。

背景には、AI関連株に対する過熱感への警戒がある。
生成AIの普及に伴う半導体需要の拡大を期待し、関連銘柄には資金が流入してきた。
しかし、米国の政策変更や巨額の設備投資に見合う収益を確保できるのかという疑問が浮上し、投資家心理が急速に冷え込んだ。

興味深いのは、日経平均が大幅安となる一方、東証株価指数のTOPIXは1.16%上昇したことだ。
自動車株や内需関連株などには買いが入り、東京市場全体が一様に売られたわけではなかった。

つまり、今回起きているのは日本株全面安というより、AI・半導体関連株への集中投資が巻き戻される動きだ。
そのなかでもキオクシアには、他社とは異なる深刻な問題が横たわっている。

 

信用買い8700億円の爆弾

キオクシア株の下落を一段と厄介にしているのが、膨大な信用買い残だ。

10月30日時点の信用買い残は金額ベースで8698億円。
一方、信用売り残は198億円で、信用倍率は43.86倍に達していた。
信用買いとは、証券会社から資金を借りて株式を購入する取引だ。
少ない元手で大きな利益を狙える一方、株価が下落すれば損失も膨らむ。

問題は、信用買いで購入した株式はいずれ決済しなければならないことだ。
株価が下落して保証金が不足すれば、追加保証金、いわゆる「追い証」が発生する。
資金を用意できなければ、保有株の強制決済に追い込まれる可能性もある。

こうした売りがさらに株価を押し下げ、別の投資家の損失を拡大させる。
信用買い残が膨らんだ銘柄では、この悪循環が警戒される。

もちろん、信用買い残が多いだけで株価の下落が決まるわけではない。
ただ、好業績という買い材料があっても、需給の悪化が株価を押し下げる可能性はある。
キオクシアはいま、成長期待と信用取引の重圧という相反する力に挟まれている。

 

含み損2926万円の悲鳴

株価急落の影響は、SNSにも生々しく表れている。

Xでは、キオクシア株4900株を信用買いで保有し、評価損益がマイナス2926万4246円、評価損益率がマイナス39.04%に達したとする投稿が注目を集めた。
さらに、640万円の追い証が発生したことも明かし、4カ月で約5000万円の損失を抱えたと訴えている。

「キオクシアに全てを賭けた人生」
投稿には投資判断への後悔がにじみ、別のユーザーとのやり取りでは「一旦退場してきます」と返信していた。
約3000万円の含み損だけでも衝撃的だが、追い証はさらに深刻だ。
信用取引では、保有株をすべて売却しても損失が保証金を上回れば、不足分の支払いが必要になる場合がある。

なお、投稿された損失額や保有状況は本人の自己申告であり、実際の取引履歴や確定損失額は確認できていない。

一方、株式掲示板には投資損失を背景に自傷をほのめかす深刻な書き込みも現れ、その画面がXで拡散された。
書き込みの真偽や投稿者の状況は不明だが、株価急落をめぐる不安が、単なる売買判断にとどまらないことをうかがわせる。
Xでは巨額損失を報告した投資家への励ましが寄せられる一方、投資判断を批判する声も見られた。

株価の反発を信じて耐える人、損失を確定して市場から離れる人。
信用取引では、株価が戻るまで待つという選択さえ、資金余力によっては許されない。

 

キオクシア株の行方

キオクシア株の下落はどこまで続くのか。
焦点となるのは、信用買い残の解消と半導体需要の先行きだ。

AIデータセンター向けのメモリー需要には依然として成長期待がある。
しかし、米国の規制強化や設備投資の減速が意識されれば、半導体関連株の不安定な値動きは続く可能性がある。

さらに、信用買いを抱える投資家の損切りや強制決済が増えれば、業績とは無関係に売り圧力が強まる恐れもある。
もっとも、信用買い残の減少によって需給が改善し、株価が反発する可能性も否定できない。

今回の急落で浮き彫りになったのは、成長企業への投資が必ずしも利益につながるわけではないという現実だ。
アドバンテストやレーザーテックなどにも売りが広がるなか、キオクシアでは巨額の信用買い残がさらなる不安を生んでいる。
好決算でも売られ、将来性を信じても追い証に追われる。
AIブームの熱狂が冷めたとき、投資家に残されるのは利益とは限らない。

約8700億円の信用買い残という重荷を抱えたキオクシア。
株価の反発を待ち望む投資家にとって、厳しい局面はなお続きそうだ。

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ライター:

酒場で耳にした小さな違和感から企業不祥事、SNSトレンド、エンタメ、グルメまで幅広く追いかけるライター。

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