
お笑いトリオ「我が家」の杉山裕之(49)が、東京都目黒区のスーパーで食料品7点(計1189円)を万引きした疑いで書類送検された。
本人は「収入が少なくなって不安になり、お金を残したい気持ちがあった」と認めている。全盛期に月収600万円を稼いでいた芸人が、低カリウム性ミオパチーからの退院・復帰直後に起こした出来事として注目されている。
月収600万円から「1円パチンコ」へ
我が家は2003年に結成され、ボケとツッコミを入れ替えるローテーション漫才で一気にブレイクした。杉山の鋭い返しは「言わせねーよ」のフレーズとともに記憶に残り、バラエティー番組に引っ張りだこになった時期があった。関係者によると、その頃の最高月収は600万円に達したという。
しかし人気のピークは長くは続かなかった。近年はトリオでの仕事が激減し、杉山自身が過去の番組などで「時間稼ぎに1円パチンコをしている」と語っていたと報じられている。生活費が稼げない中で何もしないのはまずい、という趣旨の発言だったようだ。
収入の不安定さは芸人にとって避けられない現実だが、ピークとの落差は大きかった。
酒癖の悪さが仕事を遠ざけた 坪倉に迫られた「やめるか解散か」
実際に、杉山の酒癖の悪さは長年、芸人仲間から指摘されてきた。宮迫博之の頭を酔った勢いで叩いたり、博多華丸のカラオケを何度も止めて怒らせたり、中山秀征ら先輩に無礼な発言をしたりしたエピソードが報じられている。後輩のブルゾンちえみを泣くまで説教し、相方の坪倉由幸にタバコを投げつけたり殴ったりしたこともあった。
2019年の番組では坪倉が「酒をやめるか、我が家をやめるか」と迫ったことがあった。ところが鬼気迫る要求に、あろうことか杉山は完全にやめることを選ばず「外では3杯まで」と切り出す始末。番組的には満点な回答かもしれないが、さすがのゲスぶりに、多くの視聴者が驚いたものだった。
一時期は九州事務所への異動にもつながったとされ、こうした素行が周囲との関係や仕事の減少に影響したとの見方もある。
トリオの仕事が消えたあと
現在、坪倉由幸(48)は俳優業を中心に活動を広げ、2026年も複数のドラマに出演するなど仕事を続けている。一方、谷田部俊(48)と杉山の仕事は相対的に少なく、3人揃ってのロケや番組出演は長年ほとんどなかった。
2025年の番組では谷田部が「坪倉の仕事が多すぎる」と不満を口にし、坪倉が過去に解散を考えた時期があったことも明かされた。メンバー同士、口を開けば喧嘩ムードになることもあったという。
それでも解散には至らず、形だけはトリオを維持してきた。杉山の入院が発表された際、坪倉と谷田部はそれぞれSNSで回復を願う投稿をしていたが、今回の事件後は10月14日17時現在、両者とも公式なコメントを出していない。
防犯カメラに映った手口と常習性を疑う声
実際の犯罪の顛末はどうだったのだろうか。
2026年7月末、杉山は急に体に力が入らなくなり、1人で立ち上がれなくなったと言われている。当初はギラン・バレー症候群の疑いとされたが、精密検査の結果、低カリウム性ミオパチーと診断された。これは血液中のカリウムが低下することで筋肉に力が入らなくなる病気。ただ、本人の努力もあったのだろう、投薬とリハビリを経て8月上旬に退院し、仕事に復帰していた。ただ、この間、特番の爆笑レッドカーペットの出演も体調不良で辞退していた。
復帰から1カ月余りが過ぎた9月15日に事件は起きた。健康面の不安と収入の減少が重なったタイミングだった。
警視庁目黒署によると、9月15日午後1時20分ごろ、目黒区のスーパーでウインナー2パック、ラーメンスープ2パック、冷凍インゲン、サラダ、チャーシューの計7点を我が家にもちかえろうと盗んだ疑いで捕まったようだ。
セルフレジでバーコードを読み取らせずに袋に入れ、店を出ようとしたところを防犯カメラが捉えていた。店員が声をかけて発覚し、本人は素直に容疑を認めたという。
金額は1189円と少額で、報道されているのはこの1件のみ。しかし退院直後のタイミングや複数品をまとめて持って出ようとした手口から、SNSでは「一度きりではなさそう」「計画的にやっていたのでは」と常習性を疑う声も上がっている。警察は刑事処分の判断を検察に委ねる相当処分の意見を付けて書類送検した。
「言わせねーよ」から書類送検へ
土田晃之はテレビ番組で「収入が少なくなったからやっていいことではない。これは論外」と厳しく指摘した。
SNSでは「残念」「退院したばかりなのに」といった落胆の声が相次いだ。
所属事務所は書類送検の事実を認め、今後の対応を検討中としている。坪倉と谷田部からの直接的なコメントはまだない。
全盛期に鋭いツッコミで笑いを取っていた男が、少額の食料品を盗んだ疑いで書類送検されるまでになった経緯は、売れなくなった芸人の末路を静かに浮かび上がらせている。
捜査はこれから本格化する。



