
大阪市東淀川区で9月13日未明、覆面パトカーの追跡を受けたバイクが転倒し、運転していた同市北区の会社員、水谷恭輔さん(30)が死亡した。追跡は約1.3キロに及び、警察が追跡を中止した地点の約180メートル先で事故が起きた。
速度違反で追跡、バイクは停止せず
MBSニュースと関西テレビによると、13日午前0時半ごろ、東淀川区柴島3丁目の府道で、高速で走るバイクを警察が発見した。現場は淀川沿いを走る府道14号で、バイクは西向きに走行していた覆面パトカーを追い抜いたという。
府警交通機動隊は速度超過の違反容疑で追跡を開始。覆面パトカーは赤色灯を点灯させ、その後サイレンも鳴らしたが、バイクは停止しなかった。
追跡の中止について、ABCニュースはバイクに追いつけなかったと報じ、MBSニュースは先行するバイクを見失ったと伝えた。一方、毎日新聞は東淀川署への取材に基づき、バイクが停止せず、危険と判断して中止したと報じている。
長柄橋北詰付近で転倒、通行人が110番
バイクが転倒したのは、柴島1丁目の長柄橋北詰交差点付近だった。MBSニュースは交差点の南西付近の路肩と伝えている。関西テレビによると、追跡を中止してから転倒までは約1分だった。
毎日新聞によると、追跡中止の直後、前方を通行していた男性から、バイクが転倒して運転者の意識がないという110番通報があり、警察が事故を把握した。
水谷さんは救急搬送されたが、午前1時20分すぎに搬送先の病院で死亡が確認された。
府警交通機動隊の長谷川淳一副隊長は、運転者が亡くなったことは大変残念だとしたうえで、「追跡行為については適正であったと考えております」とコメントした。
最高裁が示した追跡の違法性の判断基準
警察の追跡に伴う事故を巡っては、1986年2月27日の最高裁第一小法廷判決が、国家賠償法上の違法性について判断基準を示している。富山市でパトカーから逃走した乗用車が衝突事故を起こし、巻き添えで負傷した3人が県に損害賠償を請求した事案だ。
最高裁は、追跡が職務目的のために不必要だったか、逃走車両の走り方や道路の交通状況から予測される具体的な危険に照らし、追跡の開始・継続・方法が不相当だったかを基準とした。
この事案では、車両情報を無線手配していても、運転者の氏名が判明していなかったことなどから、追跡の必要性を認めた。道路状況や追跡方法も検討したうえで、追跡を違法とした原審の判断を覆し、県への賠償請求を退けた。同判決は裁判官全員一致だった。



