
寝返りをして、座って、立って、歩く。ことばを覚え、友だちをつくり、やがて自分の夢を語るようになる。子どもの成長は、その一瞬一瞬がかけがえのない景色だ。
小児科医は、その景色をいちばん近くで見続ける存在である。病気を診るだけでなく、成長の喜びを共に味わい、発達の不安に寄り添い、子どもと家族の歩みに伴走する──。そんな医師の姿を体現しているのが、2025年6月に埼玉県・浦和美園に開院した「キッズクリニックみーの」の小山隆之院長だ。
日本アレルギー学会専門医でもある小山院長が、地域の小児科医として果たそうとする役目とは。その診療に込めた思いを紐解く。
「全部ここで診る」が、家族の負担を根本から変える
アレルギーという病気は、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息など多岐にわたり、一人の子どもが複数を合併していることも珍しくない。そのため、それぞれの疾患を診てもらうために皮膚科・耳鼻科・眼科…と別々の専門科にかからなければならない。学校や仕事もある中で、複数の医療機関に通わなければならないという負担は決して小さくない。
小山
「アレルギーが起きやすい体質そのものは一生続くため、年齢に応じた診療が必要になり、通院だけでも大きな負担となることがあります。そこで、お子様やご家族の不安・負担をできるだけ取り除けるよう、複数のアレルギー疾患の診療を、できる限り当院で一貫して診ることができる体制を整えています」
なかでも同院が力を入れるのが、食物アレルギーの検査・負荷試験・治療だ。大学病院では数ヶ月待ちになることも珍しくない食物経口負荷試験を、毎週火曜日の午後に専門外来として実施している。また、自然豊かな浦和美園ならではのニーズに応え、スギ花粉・ダニを対象とした舌下免疫療法(5歳から適応)も提供。子どもの治療を機に「自分も受けたい」と希望する保護者への処方も行っている。

消化器から救急、そして小児科へ。一人の患者が変えたキャリア
小山院長が最初から小児科を志していたわけではなかった。内科・消化器科を専門とする上司の下につき、小山院長も同じ分野で治療に携わっていた。そんな折、「救急科に行かないか」と声をかけられた。民間病院の三次救急という、1分1秒が勝負の現場に飛び込んだことが、その後のキャリアを大きく変えた。
小山
「救急の現場で強く感じたのが、全身を診られる医者になりたいということでした。外科以外で全身を診られる科は何かと考え、たどり着いたのが小児科でした。小児科は、全身を診られるうえに、成人科ではまずあり得ない『成長と発達』を間近で見られる、唯一の科です。それが私にとっては目から鱗で、行こうと決めました」
その後、小児科へ行った小山院長。それからアレルギーを専門にしたのは、一人の患者との出会いだった。小児科入局後に赴任した病院で、全身性エリテマトーデスを発症した子どもを担当した。体の免疫が自分自身の細胞を攻撃するこの難病は、子どもへの発症が今も非常に稀なケースだ。
小山
「医師として、患者様やご家族の葛藤に寄り添いながら一緒に病気と向き合っていく。その過程で私自身も本当にたくさんのことを学ばせていただき、『この病気を専門にしたい』と思うようになっていきました。一人の患者様との出会いが私の人生を大きく変えてくれました」
アイスクリームを食べる日まで。ゴールを共に描く伴走型の診療
アレルギー疾患は、症状が改善するまでに時間がかかることが多い。だからこそ小山院長は、最初に患者と保護者と一緒に「治療のゴール」を決めることを大切にしている。
小山
「たとえば『保育園や学校で給食をみんなと一緒に食べられるようになりたい』など、最終的にどうなりたいのかを決めたうえで、相談しながら一緒に治療を進めていきます。ゴールまでの距離を測りながら、どんな課題があるのか、どう治療を進めるかを一緒に考えながら伴走する。それが私の診療スタイルです」
大学病院時代には、牛乳アレルギーを持つ子どもを長年担当した。「牛乳を飲めるようになったら、アイスクリームを食べたい」というゴールを掲げ、数年かけて根気強く治療を続けた末に、家族と一緒にアイスクリームを味わう日が来た。そのエピソードは、今も小山院長の胸に深く刻まれているという。

病気でなくても来ていい。「敷居ゼロ」を目指すクリニックの思いやり
同院を訪れる保護者の中には「こんなことで来ていいのか迷った」と言う人が少なくないという。しかし小山院長は、そのためらいを取り除きたいと考えている。
小山
「病気だけでなく、成長・発達の悩み、心理的なこと、生活のこと……。ほんの小さな悩み事でいいので、当院に来て話を聞かせてほしいです。むしろ、『敷居なんてない』くらいに頼ってほしいと思っています」
そんな同院でスタッフ全員が共有するモットーは「思いやり」だ。院内の壁紙をかわいらしいイラストにしたり、おもちゃや人形を置いたりと、「病院は怖くない」と感じてもらえる雰囲気作りにも力を入れている。また、急な発熱には予約なしで当日診療を受け入れ、いつでも頼れる体制を整えている。
小山院長が語る小児科医としての意義は、「将来との橋渡し」だ。幼少期から見守り続け、18歳で小児科を卒業した子どもが「大学に受かりました」「看護師になりました」と知らせてくれる。その成長の一端を支えられたことへの喜びが、地域に根ざした医療を続ける原動力となっている。
ゴールを設定し、患者と家族とともに将来を見据えて歩んでいく。それは、子どもの成長・発達を長い時間軸で見守る小児科医だからこその伴走型の医療だ。アレルギー治療は時間がかかることも多いからこそ、年齢を重ねて疾患の様相が変わっていっても、ずっと同じ医師が寄り添い続けることに意味がある。
誰でも安心して気軽に足を運べるクリニックを目指して地域の小児医療の在り方を模索する小山院長。いつでも頼れる場所としてひらかれている同院は、思いやりとともに子どもと家族の成長を温かく見守り続ける。
複数のアレルギー疾患をワンストップで診る体制づくりから、患者・家族とゴールを共に描く伴走型の診療スタイルまで、キッズクリニックみーのが実践する小児アレルギー医療の全貌を徹底解剖。消化器科・救急科を経て小児科へと歩んだ小山院長の軌跡と、子どもの成長に寄り添い続ける医師としての信念は、医療系メディア『ウィズマインド』の特集記事をご覧ください。
特集記事:『「こんなことで」と躊躇しなくていい。ワンストップのアレルギー診療で患者と家族を支えるキッズクリニックみーの』
※ウィズマインドは、あなたの悩みに寄り添った美容クリニック・医療機関を発見するために、医師・スタッフの「想い」をお届けするメディアです。
【クリニック情報】
医療法人社団 千歳会 キッズクリニックみーの
所在地:埼玉県さいたま市緑区美園4-10-1 シモンイースト美園1階
URL:https://kids-clinic-meeno.com/
診療科目:小児科・アレルギー科
院長:小山 隆之(こやま たかゆき)
2025年6月、埼玉高速鉄道・浦和美園駅前に開院した小児科・アレルギー科のクリニック。日本アレルギー学会専門医である院長のもと、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、気管支喘息など、複数のアレルギー疾患を一つのクリニックで総合的に診療できる体制を整えている。毎週火曜日午後には食物経口負荷試験の専門外来を実施。スギ花粉・ダニの舌下免疫療法は保護者への対応も行う。一般診療、予防接種、乳幼児健診を含めた地域のクリニックとして、高校3年生まで幅広い年齢層を診療する。




