ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

奈良市、犬猫殺処分ゼロを7年連続達成。寄付金は累計1億6100万円に

コラム&ニュース コラム ニュース
リンクをコピー
奈良市 犬猫殺処分ゼロを7年連続達成
画像出典:奈良市 プレスリリース

奈良市は14日、令和7年度(2025年度)における犬猫の殺処分数がゼロとなり、令和元年度から7年連続で「殺処分ゼロ」を達成したと発表した。同市によると、行政だけでなく市民・民間事業者・動物愛護団体が連携して保護犬・保護猫の譲渡活動に取り組んできた結果であるとしている。

令和6年6月に開始した「飼い主のいない猫不妊去勢手術等支援事業(チケット制)」では猫の引取数が過去最少を記録。ふるさと納税の使い道「犬猫殺処分ZEROプロジェクト」への寄付金は令和7年度だけで2,541件・約4,775万円と過去最多を更新し、令和2年度から7年度までの累計は1億6,100万円に達した。

 

10年をかけて積み上げた制度の連鎖

奈良市が殺処分ゼロを維持してきた背景には、平成27年の「譲渡ボランティア制度」開始を皮切りに約10年間で積み上げた多層的な制度設計がある。平成30年には「犬猫パートナーシップ店制度」「預かりボランティア制度」「飼い主のいない猫への不妊去勢手術補助金制度」を相次いで導入。令和2年には預かりボランティアへの謝礼・医療費補助を整え、令和3年にはTNR(Trap-Neuter-Return)活動を支援するボランティア制度も加わった。令和6年には「譲渡サポート店制度」と「チケット制不妊去勢手術支援事業」を新設し、制度の網を着実に広げてきた。

なお「殺処分ゼロ」とは自然死・安楽死(負傷で回復の見込みがない場合等)を除いた数値であり、攻撃性や病気等を理由とした処分数がゼロであることを意味する。令和元年度に初めてゼロを達成してから7年連続でこれを継続してきた事実は、個別の施策の成果というよりも、複数の制度が有機的に機能し続けてきた結果だ。令和7年3月には犬舎改修も完了しており、飼養環境の整備も着実に進んでいる。

 

チケット制不妊去勢手術が猫の引取数を過去最少へ

令和6年6月に開始した「飼い主のいない猫不妊去勢手術等支援事業(チケット制)」は、市が手術券を発行し、県内27の協力動物病院(うち市内11病院)での手術費用を全額負担する仕組みだ。令和6年度に454頭だった実績は令和7年度に445頭となり、2年連続で400頭超の不妊去勢手術を支援した。その結果、猫の引取数は過去最少水準まで低下している。費やされた令和7年度の費用は12,492,000円にのぼり、市が手術費用を全額持つという思い切った制度が、個体数の管理に確実な効果をもたらしている。

犬については令和5年度から始めた「収容動物トリミング・トレーニング事業」の効果で譲渡が着実に増加している。専門家によるトリミングや気質改善トレーニングを受けた収容犬の譲渡数は、令和5年度4頭→6年度6頭→7年度7頭と右肩上がりで伸びている。外見や行動の改善が、新たな飼い主との出会いを広げており、譲渡される可能性の低かった個体にも光が当たる形になっている。

 

ふるさと納税が命の循環を後押しする

奈良市のふるさと納税の使い道の一つ「犬猫殺処分ZEROプロジェクト」への寄付は、令和7年度に2,541件・47,754,900円と過去最多を記録した。令和2年度から7年度までの総額は1億6,100万円にのぼる。殺処分ゼロへの取り組みへの共感が全国の寄付者を動かし、その資金が市内の動物たちの命を救う——地域を超えた支援の循環が生まれている。

令和8年度(2026年度)の取り組みでは、預かりボランティアへの謝礼増額、TNR支援ボランティアの枠拡大(100件→110件)に加え、保健所の譲渡対象犬猫を紹介するホームページの新規作成(予算363万円)、月1回4〜5本のショート動画撮影・公式SNS掲載(予算10万5,600円)、フリーペーパーへの定期掲載(予算33万円)など、広報の強化にも力を入れる予定だ。認知を広げ、新たな譲渡希望者・支援者を呼び込む戦略が加わった。

 

行政・市民・企業が三位一体で紡ぐモデル

奈良市の取り組みが際立つのは、その担い手の多様さにある。譲渡ボランティア(13団体・6名)、犬猫パートナーシップ店(認定4店)、譲渡サポート店(3店)、TNRサポーターといった民間の力を行政が制度で支え、市民がふるさと納税で資金を供給する三位一体の仕組みが、7年連続ゼロの実績を支えている。令和6年度には譲渡会で81名が来場し、収容動物への関心が着実に高まっている。 仲川げん市長のもとで積み重ねてきたこの取り組みは、「殺処分ゼロ」という数字にとどまらず、動物の命を地域全体で考える文化を根付かせつつある。令和8年度も新規事業を加えながら取り組みを拡充する奈良市の姿勢は、財政規模の大小を問わず全国の自治体が参照できる実践的モデルとして、広く注目されている。

Tags

ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

関連記事

タグ

To Top