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ビズメイツ株式会社

https://www.bizmates.co.jp

〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-19-23 Daiwa秋葉原ビル11階

03-3526-2654

多国籍組織を、どう力に変えるか。ビズメイツ株式会社が実践する異文化インクルージョン

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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ビズメイツ株式会社
提供:ビズメイツ株式会社

一つのオフィスに、11カ国の社員が机を並べている。祈りのための小部屋があり、掲示物は日本語と英語で併記される。オンラインビジネス英会話「Bizmates」などを手がけるビズメイツ株式会社の社内の風景だ。同社はこれまで、語学やグローバル人材事業を通じて人と企業のグローバル化を支えてきた。

そしていま、その先にあるパーパス「人と企業が成長しあう多様性のある豊かな社会の実現」を掲げ、多様な国籍の社員をそろえるだけでなく、異なる価値観を互いに認め合い、全員が力を発揮できる場所をつくることを掲げている。集まった多様な人材を、どう一つのチームにしていくか。その実践が、同社の事業の土台になっている。

 

11カ国の社員が集い、パーパスを体現する会社

ビズメイツ株式会社は、東京に本社を置く、語学・マインド・人材の多角的なアプローチで人と企業のグローバル化を支える会社である。ビジネスに特化したオンライン英会話「Bizmates」を主力に、外国人材向けのビジネス日本語学習「Zipan」、グローバルITエンジニアの転職支援などを手がけている。2012年の創業で、2023年には東京証券取引所グロース市場に上場した。同社を率いるのは、代表取締役社長の鈴木伸明氏である。

ビズメイツ株式会社・鈴木伸明代表取締役社長
鈴木伸明代表取締役社長

同社が掲げるパーパスは、「人と企業が成長しあう多様性のある豊かな社会の実現」だ。労働人口が減り、企業のグローバル化やイノベーションが急がれる日本にとって、言語や文化の壁を越えて多様なバックグラウンドを持つ人材の活躍は欠かせない。同社は、その実現を社外へのソリューションとして提供するだけでなく、自らの組織のなかでも実践し続けている。

その象徴が、社員の顔ぶれである。ビズメイツには、日本をはじめ11カ国の多様なバックグラウンドを持つ社員が在籍している。日本、中国、ベトナム、韓国、オーストラリア、カナダ、バングラデシュ、モンゴル、インド、ペルー、ロシア。それぞれ異なる文化や価値観を持つ人々が、同じ組織で働いている。

ただし同社が重視しているのは、さまざまな国籍の社員が在籍していることそのものではない。異なる価値観や視点を互いに認め合い、一人ひとりの強みとして最大限に引き出すこと。多様な人材を集めるにとどまらず、その全員が力を発揮できる状態をつくることを、組織づくりの軸に据えている。

 

多様性の原点は、創業者3名の「違い」

同社が多様性を大切にするのには、理由がある。その原点は、会社の始まりにさかのぼる。

ビズメイツは、まったく異なる背景を持つ3名によって創業された。日本出身の代表・鈴木氏、カナダで育った日系2世の取締役・伊藤日加氏、そしてフィリピン出身で子会社Bizmates Philippines, Inc.のCOOを務めるアンナ マリア フランシスコ(通称ミネット)氏である。生まれた場所も、育った文化も違う3人が、一つの会社を立ち上げた。

ビズメイツ株式会社・伊藤日加取締役
伊藤日加取締役

異なる背景を持つ者同士が事業を進めれば、価値観のずれや文化の違いは避けられない。だが同社は、その違いを摩擦としてではなく、前提として受け止めてきた。違いがあるのは当たり前であり、互いを尊重して高め合う。この価値観が、創業のときから同社に根付いてきたという。

多様性の尊重は、後から掲げた方針ではなく、会社の成り立ちそのものに組み込まれている。異なる背景の3人が違いを認め合うところから始まったことが、いまのインクルーシブな組織文化の土台になっている。同社にとって多様性は、目指すべき理想ではなく、出発点にあった当たり前の風景だったといえる。

 

「違い」を前提にした公平な環境づくり

多様性を組織の力にするために、同社はさまざまな仕組みを整えてきた。土台にあるのは、特定の文化や言語を基準にせず、互いに歩み寄るという考え方だ。誰かが疎外感を抱くことなく、公平に機会を得られること。そして、お互いの文化を知る機会を持つこと。この二つを重視している。

その一つが、宗教や文化を尊重する設備である。オフィスの移転に合わせて、イスラム教徒の社員が祈祷したり、体調が悪い際に休養できたりするプライベートルームを設けた。それぞれの文化や個人の事情を尊重し、安心して働ける環境を整えるための配慮である。

言葉の面でも工夫がある。全社に向けたアナウンスや掲示物は、日本語と英語を併記することを標準にした。どの言語が相手にいちばん伝わるかを常に考え、複数の言語を柔軟に使い分ける。日本語を話せることを暗黙の前提にしない、という姿勢がここに表れている。

互いの文化を知る機会も用意されている部署や国境を越えて交流する社内イベント「Bizmates Pub」を四半期ごとに開いているほか、周年イベントでは社員の出身国の料理を楽しんだり、自国文化を紹介するプレゼンテーションを行ったりしてきた。こうした場を通じて互いのルーツを知ることが、率直に意見を言い合えるチームづくりにつながっているという。

ビズメイツ株式会社・周年記念イベント
周年記念イベントのテーブルに並ぶ料理

大がかりな制度というより、日々の働き方のなかの具体的な工夫の積み重ねだ。違いがあることを前提に、その違いを乗り越えるための仕組みを一つずつ用意している。

 

フィリピン子会社との協働と、国境を越えた雇用

同社の多様性は、日本のオフィスの中だけの話ではない。海を越えたフィリピンとのつながりが、その大きな一部を担っている。

ビズメイツは、2012年にフィリピンで現地法人を設立して以来、日本とフィリピンの2国体制で事業を展開してきた。オンライン英会話のレッスンを支えるのは、現地のトレーナーたちである。同社によれば、これまでに延べ1万人以上の雇用を生み出してきたという。

同社の主力事業であり、創業時から提供しているビジネスオンライン英会話は、トレーナーが在宅でレッスンを提供するビジネスモデルだ。この仕組みそのものが、都市部から離れた地方に住む人や、育児中で外に働きに出るのが難しい人にも、広く就業の機会を開くこととなった。場所や生活環境に縛られずに活躍できるプラットフォームが、国境を越えた多様な人材の活躍を支えている。

現在も、同社は約2,000名のフィリピン人トレーナーや現地メンバーと、リアルタイムで連携しながら事業を進めている。オンラインでの連携にとどまらず、双方の社員が出張で相互に訪れるほか、表彰制度の副賞として現地を訪問する機会も設けるなど、直接顔を合わせる交流を大切にしている。国が離れていても一体感のあるチームであろうする姿勢が、日々のコミュニケーションの端々にも表れている。国境を越えて人がつながり、働く場が生まれる。同社のインクルージョンは、こうした形でも実を結んでいる。

 

自社の実践を、日本企業のグローバル化支援へ

こうして自社で積み重ねてきた多様性の実践は、いま社外へと広がりつつある。同社は、組織づくりのなかで得た知見を、日本企業のグローバル化を支える事業へと展開している。

きっかけは、多くの日本企業がグローバル化を進めるうえでの「壁」に対する、同社の強い問題意識だった。語学力の問題以上に、間違いを恐れたり過度に完璧を求めたりする意識や、異文化間で生じる摩擦が成長のハードルになっている。この壁を打ち破るための実践知を、「グローバルマインドセット研修」として体系化し、法人向けに提供している。実際に、静岡ガスが海外事業の拡大に向けたグローバル人材戦略の一環として、この研修を導入した事例もある。

こうした取り組みは、公的にも認められつつある。同社の取り組みは、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択され(2025年12月)、2026年2月に交付決定を受けた。グローバル人材の紹介と、ビジネスに特化した日本語学習とを組み合わせ、外国人労働者のキャリアアップと定着を一貫して支える。日本の労働力不足という課題に、多様な人材の活躍という角度から応えようとする取り組みである。

ビズメイツ株式会社・全社員で制作したアート
全社員で制作したアート

自らの組織で多様性を力に変えてきた経験が、他の企業や、日本社会全体の課題に向き合うための大きな手がかりになっていく。ビズメイツが実践してきたのは、違いを認め合い、全員が力を発揮できる組織をどうつくるかという問いへの、一つの試みだ。その試みは、社内の11カ国の顔ぶれから始まり、いま「人と企業が成長しあう多様性のある豊かな社会の実現」というパーパスとともに、日本のグローバル化という、より大きな舞台へと広がろうとしている。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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