
使い捨てる梱包から循環させる仕組みへ。栗山自動車工業が踏み出した輸送改革は、静脈産業の持続可能性を支える試みとして注目を集めている。
エンジン輸送の資材廃棄をゼロへ導く循環の試み
トラックの中古車販売やパーツ再利用を手掛ける栗山自動車工業は、2026年9月1日よりエンジン輸送に新たな仕組みを取り入れた。これまで使われては捨てられていた木材や段ボールを手放し、繰り返し使えるリターナブルパレットへ移行したのである。
日本トラックリファインパーツ協会のネットワークを通じて動くこの取り組みは、輸送ごとの廃棄量を削ぎ落とし、現場から持続可能な物流を形づくっていく試みである。
作業の標準化と現場を助ける仕組みの独自性

本取り組みの面白さは、環境配慮にとどまらず現場の働きやすさまで整えている点にある。従来のエンジン発送は、熟練の作業者が手作業で木枠を組む職人技に頼っていた。
専用パレットの導入により、個人の技術に依存せず誰でも安全に梱包できるようになり、品質も一元化された。環境負荷を下げつつ作業負担も減らす、合理性と配慮を兼ね備えた設計が大きな独自性と言える。
資源を慈しむ哲学と現場に根ざす眼差し
根底にあるのは、お客様と地球を笑顔にするためというシンプルな想いだ。部品課の田口課長は、加盟店全体で同じ品質を目指す一歩であり、繰り返し使う資材へ変えることは環境負荷を抑えることにつながると語る。
新しい仕組みを現場の日常として丁寧になじませていこうとする姿勢に、同社の誠実な志がにじむ。
サプライチェーン全体で描く未来の選択肢
栗山自動車工業の歩みは、現代のビジネスパーソンに大切なヒントを与える。製品のリサイクルだけでなく、届ける工程全体の負荷まで整えていく視点だ。
業界の仲間と手を携えて共通ルールを構築したアプローチは、循環型社会を推し進める確かな参照軸となる。



