
ビールの廃棄物から生まれた激レアなクラフト梅酒ソーダ。世嬉の一酒造が挑む捨てない酒造りと、地域の素材を活かした持続可能なものづくりの裏側に迫る。
醸造の捨てられる部分から生まれた驚きの新商品
岩手県一関市の世嬉の一酒造が展開するいわて蔵ビールから、一風変わった梅酒ソーダが限定販売された。一見すると珍しい新商品だが、その製法には驚くべき工夫が隠されている。
ビールを造る工程でどうしても余ってしまうオリと呼ばれる酵母の混ざり物。通常は捨てられてしまうこの素材を蒸留し、爽やかな香りのクラフトジンへと生まれ変わらせた。さらにそのジンに梅を1年も漬け込み、極上の梅酒ソーダへと仕上げている。
捨てるものを最高の一杯へ変える独自技術

多くのメーカーが廃棄に頭を悩ませる醸造副産物を、独自の蒸留技術で新たな価値に変えた点がこの取り組みの凄みだ。
2回丁寧に蒸留したジンに、醸造長の実家で育った梅を合わせるという物語性も面白い。地域の素材と技術が見事にかみ合い、他にはないサステナブルな価値を生み出している。ゴミを減らすだけでなく、より美味しいお酒へ進化させる発想の転換は見事と言うほかない。
素材の命を使い切る酒造りのこだわり
このアイデアの背景には、地域の恵みや素材の命を無駄なく使い切りたいという醸造元の深い思いがある。
製造責任者の大立目一樹氏は、ジンの香りと梅の香りがお互いを引き立て合う最高のバランスに仕上げたと話す。暑い夏に疲れを感じたとき、氷を入れたグラスで楽しむリフレッシュのひとときとして味わってほしいという。職人の技術と環境への配慮が、ひとつの缶に凝縮されている。
地域の小さな酒蔵が教える持続可能なビジネス
世嬉の一酒造の挑戦は、サステナビリティが単なる環境保護活動にとどまらないことを教えてくれる。
一見するとネガティブな廃棄物や課題も、アイデアひとつで人を魅了する新しい商品へと生まれ変わる。地方の酒蔵が見せたこの工夫は、これからの時代におけるものづくりのあり方に大きなヒントを与えている。



