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ディップ株式会社

https://www.dip-net.co.jp/

〒106-6231東京都港区六本木3-2-1六本木グランドタワー31F

TEL:03-5114-1177

【建築設計事務所×バイトルKidsプログラム】一歩前に進む勇気が未来をつかむ握力を鍛える

ステークホルダーVOICE 取引先
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折り紙建築
子どもたちに古い建物の良さを伝える「折り紙建築」ワークショップのワンシーン(画像提供:筧建築設計)

「無垢で直球の質問を打ち返すだけで精一杯でした」と語るのは、ディップ株式会社が提供する「バイトルKidsプログラム」の講師を務めた筧建築設計の筧清澄さん。

これまで「折り紙建築」というワークショップで子どもたちに古い建物の良さを伝えてきたという筧さんに、今回初めてバイトルKidsプログラムに参加した感想をお聞きしました。

バイトルKidsプログラムとは?
ディップ株式会社が提供するキャリア教育の一環として、子どもたちがさまざまな職業の方たちに取材して職業体験につなげるプログラム。Day1(お仕事理解:企業の社員が自分の仕事についてオンライン授業)、Day2(仕事取材体験:小学生が企業に取材)、Day3(取材内容まとめ:将来どんな仕事・働き方をしたいか発表)の3回で実施される。

無垢で直球の質問が飛んでくる、打ち返すのが精一杯

登録有形文化財の日本家屋
事務所兼自宅は登録有形文化財の日本家屋(画像提供:筧建築設計)

バイトルKidsプログラムへ参加されたきっかけをお聞かせください。

日本人には新しい建物がいいという思い込みがあり、古い建物が大事にされない傾向があります。

弊社の事務所兼自宅は登録有形文化財となっている古い建物でもあり、そういった古い建物の良さを子どもたちに知ってもらいたいということで、「折り紙建築」という取り組みを5年ほど定期的に行ってきました。

折り紙でその建物を作り、その後に実物を見学するというワークショップです。

今回、バイトルKidsプログラムでも、子どもたちに古い建物を大切に使うことで新たな価値が生まれていくということや、街には宝物がたくさんある、ということを知ってもらいたいと思い、引き受けました。

子どもたちの反応はいかがでしたか?

無垢で直球の質問が飛んでくるので、打ち返すことがなかなか大変でした。私自身が空振りをしてしまうようなこともありました(笑)。

冷や汗をかきながら、しどろもどろ答えた質問も幾つかあったように思います。それでも一生懸命説明をして、納得してくれたことは伝わってきましたので良かったです。

特に印象に残っている質問は?

それぞれ個性があるので、核心を突く質問や、的を射ない質問など、変化球も含めていろいろな質問がありましたね。

例えば、「どうしてこの仕事をしているんですか」という質問。私は、最初に勤めた建築事務所で熱心な先輩と出会ったことが、仕事を続ける原動力になっているので、それを部活動にたとえて、「部活で、すごく上手な先輩を見ていたら、あんなふうになりたいと憧れて、自分もやってみようと思った」という説明をしました。

すると、「なるほど」と言って分かってくれる子たちと、あまり納得していないような子たちに分かれたようです。今の時代、部活動での先輩後輩のような関係が薄れてきているのかもしれませんね。
また、収入は職業選択の重要な指標の一つですから、お金についても興味があるようでした。

講師が自分を客観視できる機会、子どもたちのスキルの高さに感心

折り紙建築のワンシーン
折り紙建築のワークショップのワンシーン(画像提供:筧建築設計)

プログラムに参加して、ご自身への影響は?

直球勝負の子どもたちと向き合う機会を得て多くの学びがありましたが、特に自分自身のどこを切って見せても恥ずかしくないように、きちんとしなければいけないと思いました。そういう戒めになりましたね。

Day3の発表を受けた感想をお聞かせください。

まず驚いたことは、自分たちが取材したことをパワーポイントできちんとまとめているところです。要点がきちんとまとめられていて、しかも自分の言葉で発表できていました。

今の小学生のスキルの高さには感心しましたね。この子たちの将来は安心だと思いながら見ていました。この小学生のスキルの高さを、大学生が取材したほうがいい学びになるのではないかと思うほどでした。

私を過大評価している点もありましたので、聞いていて恥ずかしく思うところもありましたが(笑)。Day3は「自分が子どもたちからどのように見られているのか」を客観的に知る機会にもなり、うれしくもあり、照れくさい時間でした。

その他、プログラムを通じて感じたことはありますか。

建築業界の仕事は分野ごとに細分化されている、という業界の話から説明したので、少し分かりにくかったのではないかと反省しています。もし来年も依頼されることがあれば、パートを分けて説明しようと思っています。

まず「やってみる」こと。夢を追いかけなくていい

日本文化の源流を体験
こども能楽教室で日本文化の源流を体験(画像提供:筧建築設計)

子どもたちへのメッセージをお聞かせください。

私は誰しもが夢を追いかける必要はないと思っています。まずは何でもいろいろなことをやってみて、経験を積むことが大事なのではないかと思います。

少しでも興味をもったらやってみたほうがいいでしょう。自分はどのようなことをすればいいのだろうと悩むよりも、とにかくやってみてほしいと思います。

今の子どもたちの多くは、努力をすることが格好悪いと思っています。でもそうではなく、失敗してもいいからチャレンジしてみることが大切です。その経験によって、結局自分の引き出しの数が増えるので、その後の人生に必ず役に立ちます。

現在の教育は国際人を育てることにかじを切っていますけれども、たくさんの引き出しを持っていないと本当の意味での国際人にはなれません。

ぜひ、広い視野を持って、面白そうだと思えることを見つけてほしいです。そして、何かきっかけを見つけたら迷わずやってみることです。一歩前へ踏み出す勇気のある子が、将来のチャンスをつかむ握力を鍛え上げられると思います。

これは子どもの特権です。大人にはなかなかできないことも、子どもなら無垢な直球をぶつけていくことができます。ぜひ、頑張ってほしいです。

子どもにチャンスを、大人に気付きを与えるプログラム

バイトルKidsプログラムへのメッセージもお願いします。

オンラインを通じてさまざまな仕事の取材ができることは、子どもたちにとってチャンスが広がります。もっといろいろな場所で、この取り組みをしてほしいですね。

私自身も子どもたちからたくさんの気付きをいただけました。子どもたちにとっても、いろんな人の話が聞けて、チャンスが広がる良いプログラムだと思うので、今後も継続していただきたいです。これからも応援しています。

筧清澄さん
筧建築設計 筧清澄さん(画像提供:筧建築設計)

◎企業情報
筧建築設計
http://kakehi.blog.jp/
代表者:筧清澄
所在地:〒453-0802愛知県名古屋市中村区下米野町3丁目29
TEL:052-451-9976

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ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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