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デジタルグリッド株式会社

https://www.digitalgrid.com/

〒107-0052 東京都港区赤坂1-7-1 赤坂榎坂ビル3階

持続可能な美味しさへの挑戦 人と自然が響きあう社会へ

ステークホルダーVOICE 取引先
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(撮影:安藤)

「水と生きる」。このメッセージは多くの人が耳にしたことがあるだろう。飲料メーカーであるサントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)は、「美味しさを」私たち消費者に提供し続けられるよう、持続可能な社会や自然環境の取り組みを精力的に進めている。「水」を通じて社会を見てきたサントリーが取り組むことや、目指す社会の姿について、サステナビリティ経営推進本部 西脇 義記さんに伺った。

【デジタルグリッドへの期待】
導入するにあたって、オープンに発電者とつながることができ、誰でも簡単に取引ができるのはデジタルグリッドさんの良さです。また、電気をたくさん購入するような価格重視の方にとっても、安価に購入できることは魅力でしょう。

さまざまな制度や法律などを把握したり、煩雑な手続きを踏んだりすることなく、誰でも簡単に再エネを調達できるような仕組みをこれからも作り、提供いただけることに期待しています。

サステナブルな「美味しさ」の追求

西脇様が所属されているサステナビリティ経営推進本部とはどのような部なのでしょうか。

西脇

弊社は飲料メーカーですから、製品の「美味しさ」を追求してきた会社ではあります。しかし、世界全体でサステナビリティへの取り組みが進む今、私たちもその「美味しさ」にサステナビリティの要素を取り入れていかなければなりません。それをどのようにしていくかを考えるのが私たちの部署で、そのなかで私は主に環境課題を担当しています。

 そして、環境課題といってもさまざまありますが、私たちの軸となっているテーマは「気候変動」「生物多様性」「循環経済」の3つです。これらを軸に、弊社のサステナビリティを考えています。

3つの軸それぞれでどのような取り組みをしているのでしょうか。

西脇

 一つ目の「気候変動」では、CO2をはじめとするGHG(温室効果ガス)の削減に取り組んでいます。

世界のGHG排出量の約4分の1が、農業や林業によるもの。弊社の製品の原料には、大麦やトウモロコシなどが使われており、そうした原料の調達に発生するGHGの削減は、弊社にとって重大な課題なのです。

なぜ農林業でそれだけ多くのGHGが排出されているのか。原因の一つだと言われているのが化学肥料や農薬によって発生する亜酸化窒素ガスです。このガスはCO2の300倍以上もの温暖化係数だと言われています。小さい面積で沢山収穫するため、世界中で大量の化学肥料が使われているのが現状です。

また、焼畑農業や森林伐採をして畑を作るといった土地改変も原因の一つだと言われています。植物が減ることで、吸収できる二酸化炭素も減ってしまうのです。こうした現代の農業において、GHG排出量を削減し、サステナブルに原料を調達するにはどうしたら良いかを考え、取り組んでいます。

二つ目の「生物多様性」では、水に関する取り組みをしています。弊社のコーポレートメッセージ「水と生きる」にあるように、水は事業の源。その大切な水資源を守るため、「サントリー天然水の森」活動で16都府県23箇所で山手線の2倍ほどもあるエリアの森を守っています。

サントリー天然水
ペットボトルのラベルには「ウォーター・ポジティブ」マークが印刷されている。国内で汲み上げる水の2倍以上を「天然水の森」と育むことを示しており、エシカル消費につなげている
西脇

三つ目の「循環経済」は、ペットボトルの原料となるプラスチックに関する取り組みです。弊社では「プラスチック基本方針」を定めており、2030年までに、世界で使用するすべてのペットボトルの素材を、リサイクル素材または植物由来素材等100%に切り替え、化石由来原料の新規使用ゼロの実現を目指しています(※1)。

そのために、使用済みプラスチックやバイオペット、リサイクルペットなどの取り組みを進めています。 

 ※1:サントリーHP「サントリーグループのサステナビリティ」>「資源循環」

技術が発展した今だからこそできる、人の文化と自然が共栄する社会を目指して

そうしたサステナビリティの取り組みを通じて、どのような社会を目指しているのでしょうか。

西脇

サントリーグループではサステナビリティビジョンを策定しています。これにあるように、私たちが目指すのは「人と自然が響きあう」、つまり人と自然が共栄する社会です。持続可能な世界のために、今ある文化を諦めるのではなく、新しい技術を駆使しながら人も自然も共に繫栄していく社会を追求しています。

サントリーサステナビリティビジョン
サントリーHP 「サントリーグループのサステナビリティ」>「サステナビリティ経営について」

具体的にどのような目標を定めて取り組みを進めていますか。

西脇

サントリー環境目標2030」「サントリー環境ビジョン2050」を掲げ、中長期目標を定めています。

サントリーサステナビリティターゲット
サントリーHP「サントリーグループのサステナビリティ」>「サントリーグループの2030年目標」
西脇

その中でGHG排出量の削減に関しては、スコープ1とスコープ2、そしてスコープ3のバリューチェーン全体での目標を立てています。2030年までに自社拠点で50%削減、バリューチェーン全体で30%削減。そして2050年にはGHG排出量実質ゼロが目指す数値です。実績としては、2023年までに自社拠点でのGHG排出量は24%削減できています(※2)。

ただ、スコープ1とスコープ2の排出量は約100万トンなのに対し、スコープ3は700万トン。合わせて800万トンあるんですね。ですから、スコープ1とスコープ2での削減を全体比で見ると、まだ数パーセントです。

削減できているのは確かですが、スコープ3のバリューチェーン全体でどう減らしていくかはこれからの大きな課題だと捉えています。

※2:バリューチェーン全体における削減実績は7月末に発表予定

スコープ3におけるGHG削減に取り組む中で、取引先などからはどのような反応がありましたか。

西脇

正直、いろいろな声がありましたね。でも、賛同して再エネを取り入れてくださっている企業も少なくないですし、そうでなくとも「どんなやり方があるのか」「J-クレジットでもいいのか」といった話も来るようになったんですよ。さまざまな声が出ている中でも、エネルギーやサステナビリティについて考えるきっかけになっているように思います。

スコープ1におけるGHG削減も大変だと聞きます。スコープ1に関して、御社ではどのように削減に取り組まれてきたのですか。

西脇

これまでも行なってきた省エネに引き続き取り組みながら、熱エネルギーなどを電力でまかなう電化も進めました。ヒートポンプの導入などですね。

また、2025年からはグリーン水素の活用が始まる予定で、山梨県にある天然水南アルプス白州工場と白州蒸溜所に、水素を作る設備を建設しています。太陽光などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)電力を活用してグリーン水素をつくる日本最大級の設備です。製造工程においてもCO2を排出せず、熱エネルギーの燃料などとの置き換えにより、CO2排出量の削減が期待されています(※3)

※3:サントリーHP ニュースリリース「サントリー天然水 南アルプス白州工場およびサントリー白州蒸溜所における「やまなしモデルP2Gシステム」建設工事の開始

難しいものを簡単に。再エネの貢献と今後の期待

デジタルグリッドとの関係性について教えてください。

西脇

これまでのGHG排出量の削減や、2022年末までに日米欧の生産研究関連の現場における再エネ100%の実現といった実績には再エネが大きく貢献しています。そうした再エネに関する部分において、デジタルグリッドさんに一部ご協力いただいてきました。

デジタルグリッドのサービスはどのような経緯で利用を決めたのでしょうか。

西脇

再エネを手に入れる方法には、再エネ電力証書やPPA、自社での発電などさまざまあります。それぞれに異なる特徴があるため、複数の方法を持っておいて、世の中の変化に対応できるようにしたいというのが弊社の方針です。その手段の一つとして、デジタルグリッドさんのサービスを選びました。

選んだ決め手は何でしたか。

西脇

他社と比較して、オープンで簡単であることが一番でしたね。量の縛りもないですし、難しい決まり事がなく誰でも取引ができる。オークション形式で透明性があるのも良いと感じました。

西脇様
西脇さんは、デジタルグリッドへの期待を率直に話してくださった(撮影:安藤)

これからのデジタルグリッドに期待することを教えてください。

西脇

デジタルグリッドさんは、難しいものを簡単にしてくれるような会社だと思っています。電力の取り扱いや取引は複雑で、専門家でもない私たちには難しい。契約の仕方やメニューもいろいろあり、どれを選んだらよいかも分かりません。

それをもっと単純で分かりやすくし、手の届くところに届けてくれるのがデジタルグリッドさんだと思います。それまでは難しくてできなかったことを、オープンに誰でもできるような仕組みづくりにこれからも期待しています。

【デジタルグリッドのサービスについて】
デジタルグリッドが提供している取引プラットフォームでは、電力、ならびに再エネ価値を取り扱っています。ここでの再エネ価値とは、再エネ電力から、CO2を排出しないという効能だけを切り離して価値化して取引できる形にしたものです。

提供しているのは、発電・需要予測の技術を用いて電力の売り手と買い手を直接結びつけるサービスで、特に再エネ電力を直接需要家が調達できるサービス(オフサイトPPA)が注目を集めています。

デジタルグリッドが提供する取引プラットフォームにおいては、再エネ電力をそのまま取引するフィジカルPPAと、再エネ電力を電力と再エネ価値を分離し、電力は卸電力市場に売りつつ再エネ価値だけ特定の需要家に提供するバーチャルPPAの両方に対応しています。

加えて、シンプルな再エネ価値の代理調達サービスも提供しています。需要家は再エネ価値を調達することで、再エネ電源を自社で保有することなく手軽に再エネ比率を高めることができるのです。

そして、デジタルグリッドでは、「グリーン電力証書」や「J-クレジット」「非化石証書」など様々な形のものを取り扱っていますが、その中でも取扱量が増えているのが、流通量が多く単価も安価なFIT非化石証書の代理調達。一つの需要企業だけでなく、そのグループ会社向け、さらにはサプライチェーン全体の調達のサポートにも着手しています。

デジタルグリッドの電力・再エネ価値取引プラットフォームでは、そこで必要となる、電気や再エネ価値の取引に関するさまざまな制度や、知っておかなければならない法律、複雑な入札業務といった煩雑さの解消も実現しています。こうして、カーボンニュートラルに取り組む企業の経営支援をしているのです。

◎プロフィール
西脇 義記
サントリーホールディングス株式会社
副本部長/サステナビリティ経営推進本部

◎企業概要
サントリーホールディングス株式会社
代表取締役会長 佐治 信忠
代表取締役社長 新浪 剛史
本社 〒530-8203 大阪市北区堂島浜2-1-40
TEL 06-6346-1131(代表)
設立 2009年2月16日
資本金 700億円
グループ会社 271社(2023年12月31日現在)
従業員数 41,511人(2023年12月31日現在)

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ライター:

フリーライター。昔から感想文や小論文を書くのが好きで、今なお「書くこと」はどれだけしても苦にならない。人と話すのが好きなことから、取材記事の執筆が主軸となっている。新潟県で田んぼに囲まれて育った原体験から、田舎や地方への興味があり、目標は「全国各地で書く仕事をする」こと。

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