
傷害容疑での逮捕から12日、グループは7人で活動を続ける。
判断は予想された一方、声明が他のメンバーの関与を否定したことで、タイプロを主導した菊池風磨への責任論が再び前面に出ている。
猪俣周杜との契約解除
猪俣は9月18日午後10時半ごろ、東京都江東区のコンビニ駐車場に止めた車内で知人女性の顔面を殴打したとして、19日に傷害容疑で逮捕された。
女性は鼻から出血し、店内に駆け込んで助けを求めた。
25日に釈放され、報道陣の前で頭を下げたが、捜査は続いている。
事務所は逮捕当日に謹慎と活動休止を発表した。公開直後の広告は消え、番組では出演シーンのカットが相次いだ。
女性に対する暴力で逮捕されたアイドルを残留させる余地は、当初から小さかった。
9月29日の取締役会で解除を決め、30日付で契約を切った。
刑事処分が確定していなくても、専属契約の解除事由に当たると判断した点が今回の核心である。
加入から日が浅いメンバーの一件で、グループ全体の信用とスポンサーを守る経営判断として、内外とも「当然」と見る声が先行した。
事務所声明の詳細「メンバーは関与していない」
発表文は被害者への謝罪から始まる。ファン、スポンサー、関係者にも重ねて陳謝し、猪俣本人と被害者への過度な取材や誹謗中傷を控えるよう求めた。
契約解除は刑事手続きとは別の社内判断だと明記している。
残る7人の位置づけも繰り返し書かれた。
問題の行為を事前に把握しておらず関与もない、予見できる兆候も確認されていない。
最終判断をメンバーに委ねたわけではなく、処分の責任を負わせるものでもない。
経緯を説明したうえで7人は決定を受け入れ、猪俣が脱退した体制で活動を続けるという。
事務所は本事案を極めて重大と位置づけ、所属タレント全員に「ファンと関係者に支えられて初めて成り立つ」という原則を徹底するとした。
声明は7人を守るための線引きである。
同時に、教育や管理の不備は公式には認めていない。その空白が、次の見出しへ批判を流す構造をつくった。
批判の的になった菊池風磨とタイプロ責任論
視線が集まったのは、新メンバーオーディション「timelesz project」(タイプロ)を主導した菊池風磨だ。
旧体制からの増員策として、ジュニア経験のない人材を伝統ある事務所のグループへ直接入れた企画で、猪俣もその合格者の1人だった。
菊池は審査でも指導でも前面に立ち、事実上の取りまとめ役とみられてきた。
声明が「メンバーは知らなかった」と書くほど、「教育係は何をしていたのか」という問いが立つ。
ラジオでは被害者への気遣いと「しかるべく決断する」と述べたが、行為そのものを厳しく断じる言葉は少なかったとの印象も残った。
残留させればオーディション失敗、切断すれば発案者の責任という両論になり、どちらを選んでも風当たりは強かった。
事件を起こしたのは猪俣個人である。
それでも「一般人を入れた弊害」「マインドを見抜けなかった」という声は、タイプロ開始時からくすぶっていた不満と結びつきやすい。
審査員が候補者の私生活まで保証できないのは当然だが、グループの顔としてリスクを負った以上、説明責任だけは残り続けている。
「家族」と言い続けたグループと分かれたファンの反応
タイプロ前後、グループは「仲間探し」「家族」を繰り返してきた。
その言葉と、問題が表面化したあとの切断の速さとの間に、違和感を覚える声がある。
冠番組やファンイベントが滞りなく続く様子を「都合のいい家族」と見る投稿も出た。
一方で、7人を守った判断に安堵するファン、猪俣個人の応援を続ける人、署名で残留と退所が対立したファンもいる。
被害女性の関係性を詮索する書き込みは一部にあったが、暴力を正当化する流れにはなっていない。
契約解除で一区切りはついたが、残るのは7人体制の信頼回復と、オーディションで入れたメンバーをどこまで「家族」と呼べるのかという問いだ。
捜査の行方と今後の活動が、その答えを検証する場になる。



