
一つの会場に腰を据え、同じ場所で公演を重ねるからこそ生まれる演出を突き詰める。その異色の試みで注目を集めたMrs. GREEN APPLEの定期公演が、規模をそのまま倍にして戻ってくる。
15日、同バンドは2027年に神奈川・Kアリーナ横浜で全20公演を行う『Mrs. GREEN APPLE on Harmony2』の開催を発表した。見込む動員は約40万人。国内バンドの単独公演としては、前例の乏しい規模である。
Kアリーナ横浜で全20公演 2027年2月から6月まで開催
『Mrs. GREEN APPLE on Harmony2』は、2027年2月20日から6月2日にかけて、神奈川・Kアリーナ横浜で開かれる。2月から6月まで足かけ5カ月、週末を中心に計20公演が組まれた。会場はすべてKアリーナ横浜で固定されている。
国内の人気バンドは全国のアリーナやドームを巡るツアー形式が主流で、同じ会場に長く滞在する定期公演は珍しい。その形式を、前回の倍の公演数で繰り返す点に今回の特異さがある。セットや演出を会場に合わせて作り込み、複数公演だからこそ実現できる表現を追う。単発の大型ライブとは異なる、定期公演ならではの発想が今回も引き継がれた形だ。
前回「Harmony」は全10公演・約20万人 続編で規模を倍増
音楽ナタリーによると、本公演は2024年10月から11月にかけて同じKアリーナ横浜で開かれた定期公演『Mrs. GREEN APPLE on Harmony』の続編にあたる。前回は全10公演をすべて完売させ、約20万人を動員した。今回は公演数を倍の20公演へ増やし、動員見込みも約40万人へと引き上げている。
前回のステージは、大森元貴氏(ボーカル・ギター)、若井滉斗氏(ギター)、藤澤涼架氏(キーボード)の3人に、ドラムやベース、パーカッション、管弦楽器隊を加えた総勢15人編成で構成された。全楽曲に新たなアレンジを施し、華やかさと有機的な質感を併せ持つ音像を届けたという。公演は横浜市内でのフードコラボやポップアップストアにも波及し、後日には映像作品化もされている。単なるライブ興行にとどまらない広がりを見せた前回の作り込みを、さらに大きな器へ広げるのが「Harmony2」となる。
告知は表示194万超え 発表記念で「Feeling」映像も公開
バンド公式アカウントが同日夕方に投じた告知は、短時間のうちに表示回数が194万を超え、2万6千を上回るいいねが付くなど、大きな注目を集めた。発表を記念して、9月15日午後9時には前回公演の楽曲「Feeling」のライブ映像が公式YouTubeチャンネルで公開された。
アルバム「POPS」封入のコードで最速先行 9月30日スタート
チケットの最速先行受付は、9月30日に始まる。同日リリースされる通算6作目のオリジナルフルアルバム『POPS』にシリアルコード「Harmony CODE」が封入され、これを使うことでオフィシャルファンクラブ「Ringo Jam」の年会員を対象とした最速先行に申し込める仕組みだ。
『POPS』は『ANTENNA』以来3年ぶりのフルアルバムで、既発曲7曲に新曲9曲を加えた全16曲を収める。音楽ジャンルそのものを冠したタイトルにふさわしいスケールをうたう一枚であり、ライブとアルバムを一本の線でつなぐ売り出し方にも周到さがうかがえる。
Kアリーナ横浜の出演回数で単独トップへ 通算30回に到達する計算
Mrs. GREEN APPLEにとって、Kアリーナ横浜はすでに縁の深い場所である。ライブデータベース「LiveFans」の登録データによると、同会場での出演回数は福山雅治氏の14回に次ぐ10回で、TREASUREと並ぶ2位につけている。今回の20公演を終えれば通算30回に達し、福山氏を抜いて単独トップに立つ計算だ。
Kアリーナ横浜は音楽ライブに特化した世界最大級のアリーナで、総座席数は2万席規模。全席がステージ正面を向く扇形の構造を持つ。「ライラック」や「ケセラセラ」などのヒットで一躍時代の中心に立ち、2024年には日本のバンド史上最年少とされるスタジアムツアーも成し遂げてきた同バンドが、この会場に半年近く腰を据え、40万人規模の動員を狙う。もっとも、20公演をもってしても全国に広がる需要を満たしきれるとは限らず、チケットは相応の競争になることが見込まれる。作品づくりと同じ熱量でライブという場そのものを設計してきた姿勢が、次にどんな景色を描くのか。開幕へ向け、その全容が明かされるのを待ちたい。



