
広島市中区の広島平和記念資料館(原爆資料館)で、見学中の女性が顔を複数回殴られる事件が起きた。広島県警広島中央署は9月7日、奈良県斑鳩町の職業不詳、青山奈央容疑者(33)を暴行の疑いで現行犯逮捕した。
加害者・被害者は面識のない旅行客 被害女性の親族が取り押さえ
テレビ新広島によると、青山容疑者は7日午前9時半ごろ、原爆資料館の本館展示エリアで、女性の顔を複数回殴った疑いが持たれている。目撃者からの110番通報で事件が発覚した。
被害に遭ったのは36歳の女性で、けがはなかった。
青山容疑者は警察の調べに対して、顔を殴ったことを認めているという。
RCC中国放送によると、青山容疑者と女性はいずれも県外から原爆資料館を訪れた旅行客で、互いに面識はなかった。被害女性の親族が青山容疑者を取り押さえ、現場に駆けつけた警察官に引き渡したという。
子どもの声を巡るトラブルの情報 資料館は事件後も開館を継続
中国新聞は9月8日、同署の説明として、女性と一緒にいた子どもの声を巡り、トラブルになったとの情報があると報じた。
原爆資料館は事件後も、入場制限などをせずに開館を続けた。テレビ新広島が伝えた原爆資料館の説明では、展示物に損傷はなく、館内の営業や他の来館者への影響もなかったという。
暴行罪は被害者にけががなくても対象に
刑法208条は、暴行を加え、相手を傷害するに至らなかった場合について、2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料を定めている。被害者にけががないことだけで、処罰の対象から外れるわけではない。
一方、人の身体を傷害した場合を定める刑法204条の法定刑は、15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金となる。
原爆資料館の来館者調査では88.9%が「混雑による支障」を回答
原爆資料館では、事件前から見学環境について検討が進められていた。共同通信の8月27日配信によると、運営団体が同日明らかにした来館者アンケートでは、回答者の88.9%が、混雑によって見学に支障があったと答えている。
調査は2026年5月と8月に実施され、国内外の来館者646人が回答した。展示を十分に見られなかったとの声があり、改善策として入館者数の制限や展示空間の拡大を挙げた人が多かったという。有識者懇談会でも対応策が議論されている。
ただし、今回の暴行事件当時の混雑状況や、混雑と暴行の関係は、これまでに確認できた報道では明らかになっていない。



