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株式会社ルネサンス、琉球大・中城村と学校水泳の産官学共同研究へ 命を守る力を育む

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ルネサンス・中城村教育委員会・琉球大学教育学部が学校水泳の産官学共同研究を開始
画像出典:株式会社ルネサンス プレスリリース

学校のプールをどう維持し、子どもたちに何を教えるのか。全国の学校が直面する問いに、企業と自治体、大学が手を組んで挑む。

スポーツクラブを全国で展開する株式会社ルネサンスは、沖縄県の中城村教育委員会、琉球大学教育学部とともに、学校水泳のあり方を見直す産官学共同研究を始めると発表した。三者は8月19日に協定を結んだ。

 

老朽化する学校プール、見直される水泳授業

同社によると、協定の名称は「学校水泳のアップデートに向けた産官学共同研究協定」だ。背景には、学校プールの老朽化や維持管理費の増加、教員の負担増といった課題がある。施設を保つだけでも費用がかさみ、授業の準備や水中での安全管理は教員にとって重い負担となってきた。こうした中で、民間施設を活用する新しい実施方法を含め、水泳授業をどう続けていくかが各地で模索されている。3者は、水泳が持つ教育的な価値を保ちながら、持続可能な形へと作り替えることを目指す。

近年、全国の公立学校では、プールの老朽化や維持費を理由に、水泳授業を屋内の民間プールに委ねたり、授業の実施方法そのものを見直したりする動きが広がっている。天候に左右されず、指導や監視を専門のスタッフが担える民間施設の活用は、教員の負担を軽くする面からも注目されてきた。今回の研究は、そうした流れの中で、単に場所を移すだけでなく、授業の中身まで問い直そうとする点に特徴がある。

 

「泳ぐ・浮く・潜る」で命を守る力を

研究の柱となるのが、「泳ぐ」「浮く」「潜る」を中心に据えた新しいカリキュラムの開発である。速く長く泳ぐ技術よりも、水の中で自分の身を守る力に重きを置く考え方だ。同社によると、水中での自己保全能力を測り、評価する手法の確立にも取り組むという。単なる記録の向上ではなく、万一のときに自分の命を守れるかどうかを、水泳授業の目的として明確に位置づけようとしている。

日本では毎年、水の事故で命を落とす人が後を絶たない。着衣のまま水に落ちた状況を想定し、あわてず「浮いて待つ」といった自己保全の考え方が、学校現場でも重視されるようになってきた。「泳ぐ・浮く・潜る」を柱に据える今回のカリキュラムは、こうした流れに沿うものといえる。

浮いて呼吸を確保し、救助を待つ間に体力を保てるかどうかが、生死を分ける場面もある。泳力の高さだけでは測れないこうした実践的な力を、どう教え、どう評価するのか。これまで学校現場でも手探りが続いてきた分野であり、測定・評価手法の確立は研究の要となる。

企業・自治体・大学が役割を分担

三者は、それぞれの強みを持ち寄る。中城村教育委員会が教育現場での実践を担い、琉球大学教育学部が研究と分析を受け持つ。ルネサンスは授業の運営や安全管理、施設の提供を担当する。民間施設を使った授業を実際に行い、その教育効果を検証していく流れだ。協定の締結式には、琉球大学教育学部の福田英昭学部長、中城村教育委員会の宮平守一教育長、ルネサンスの渋谷弘衛執行役員が顔をそろえた。

民間企業がノウハウと施設を、大学が科学的な裏づけを、自治体が現場を提供する。三者それぞれの資源を組み合わせることで、一つの学校や一つの企業だけでは実現しにくい検証が可能になる。産官学が役割を分け合う枠組みそのものが、この研究の土台となっている。

 

一つの村の実践を、全国のモデルに

1982年設立のルネサンスは、スポーツクラブや健康づくり、介護リハビリなどを手がけ、水泳指導のノウハウを長く蓄えてきた。その知見を学校教育の現場にどう生かせるかが、今回の研究の焦点となる。近年は熱中症への警戒などから屋外プールの使用が難しい日も増えており、天候に左右されない屋内施設への期待は高まっている。

学校水泳をめぐる悩みは、中城村に限ったものではない。プールの維持費や教員の負担は、多くの自治体が共通して抱える課題である。

一つの村での実践が、持続可能な学校水泳のモデルとして形になれば、同じ課題に向き合う各地の参考となりうる。産官学の連携が、子どもたちの「命を守る力」をどこまで育めるかが問われる。沖縄の一つの村から始まる試みが、地域の枠を越えて広く共有されるかどうかも、今後の注目点となる。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

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