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株式会社シー・シー・アイ

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〒107-0061 東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー 11階

03-5778-5192

キャリアコンサルティングと組織開発をワンストップで行う意味とは【後編】

サステナブルな取り組み イベント
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株式会社シー・シー・アイ 後編
画像提供:シー・シー・アイ

株式会社シー・シー・アイ(以下、CCI)は2月13日、「『パーパスエンゲージメント』を高めるためのセミナー -キャリアコンサルティングと組織開発をワンストップで行う意味―」と題して、個人のエンゲージメント向上と強い組織づくりを同時に実現するための重要なポイントを解説するオンラインセミナーを開催しました。

登壇者は、CCIでキャリアコンサルティングチームリーダーを務める仲村賢氏と、同社の代表取締役社長の平尾貴治氏。

キャリアコンサルティング技能士1級及び公認心理師の資格を有する仲村氏と組織開発コンサルタントの平尾氏。

前編では仲村氏が、個人のエンゲージメントを高める方法について解説しました。後半では平尾氏が、パーパスエンゲージメントの向上に組織面からアプローチします。

後編では、現場の声を交えたショートセッションの模様もお届けします。

株式会社シー・シー・アイ 前編

前半はこちらから読むことができます。

〈登壇者〉
仲村 賢
株式会社シー・シー・アイ キャリアコンサルティングチームリーダー
キャリアコンサルティング技能士1級、公認心理師

平尾貴治
株式会社シー・シー・アイ 代表取締役社長
組織開発コンサルタント/ODNJ(ODネットワークジャパン)会員
ドラッカー学会会員/社会保険労務士(社労士ダイバーシティー研究会)

組織のパーパスを明確にして、エンゲージメントを高める

株式会社シー・シー・アイ

組織のパーパスとは―間主観(かんしゅかん)について―

「パーパス」とは目的や存在意義ですので、「組織のパーパス」とは「組織の存在意義」。ここで言う「存在意義」とは、「この企業が世の中にあることに意味があると感じる状態」です。

そして「組織のパーパス」で重要なことは、内部ではなく外部と紐づくことで明確になるという点です。

組織の向かう方向性が社会や顧客といった外部に紐づくことで、「組織としての存在意義」が明確になるのです。

組織のパーパスも、階層や部署によって感じる瞬間が異なります。営業であれば「顧客に喜ばれることに存在意義を感じる」かもしれませんし、管理であれば「従業員満足度を上げながらもコスト削減分を企業活動にまわせたことに存在意義を感じる」かもしれません。

ただ、「各部門・階層の考え方や行動が認知され、フィードバックがあることで存在意義を実感できる」という点は、いずれの部署にも共通します。

この「フィードバック」という要素が重要で、いくらトップが明確なビジョンを持っていても、ビジョンの浸透とフィードバックがなければパフォーマンスが上がらないどころか社員は辞めてしまいます。

株式会社シー・シー・アイ

組織のパーパスには、図のように左から右へと流れる8つの要素があります。

パーパスエンゲージメントを考える際には、単に個人のモチベーションの話に終始するのではなく、これらの要素を行き来しながら考える必要があるのです。

そもそも会社がどこに向かっているのか会社全体で明確に共有できていなければ、エンゲージメントは高まらないからです。

また、それぞれの要素において、間主観(かんしゅかん)を構築することも重要になります。

図にあるように、会議のテーブルの上に表出している主観の下には、テーブルの上とは異なる関係性、風土、感情、思考パターンが存在しています。この「テーブルの下の主観」は、実際の行動に影響を及ぼします。よって、テーブルの上の主観とテーブルの下の主観をぶつけ合うことで生まれる新たな「間主観」を構築する必要があるのです。

この間主観ができない職場では、自分の考えている主観と相手から見える主観が一致している感覚がないため、いつまでも納得感が得られず、学習性無力感が深刻化します。

学習性無力感によって経営が成り立たなくなる理由

この状態を放置していると、企業の経営は成り立たなくなります。

現在、コロナ禍や原材料高騰など外部環境が急激に変化しています。混沌とした時代を生き抜くには、どの企業も「今までとは異なる新たな戦略が必要だ」と口を揃えています。

しかし、既存戦略からビジョン戦略に移るには大きなパラダイムシフトが必要です。

株式会社シー・シー・アイ

なぜなら、既存戦略における前提は「従来の枠組み(過去の経験)」である一方、ビジョン戦略の前提は「従来の枠組みの否定と新たな枠組みの創造」だからです。

また、既存戦略での判断基準は「前例、効率、能率、論理的合理性、比較・相対」ですが、ビジョン戦略での判断基準では「効率や論理的合理性」以上に「~したいという意志や想い」を重視されることになります。

それにより、ビジョン戦略の根底にある価値観「内在的価値」が重視されるようになり、既存戦略の「外在的価値」からの切り替えが可能になるのです。

学習性無力感が蔓延した組織では、このようなパラダイムシフトを起こすことは不可能です。

間主観をいかに構築するか

我々が行うミーティングでは、間主観を構築するために次の3つの約束をします。

  1. このミーティングでは主観を言い切ってください(まずは「自分がどう考えているか」、主観を言い切ってください)。
  2. 相手の主観を聞き切ってください。(「ヤバい」、「嬉しい」といった感情まで聞いてください)。
  3. リスクをとった話し合いをしてください。

これら3つの約束を実践しない限り、既存戦略からビジョン戦略へと移ることはできません。

株式会社シー・シー・アイ

このことは、近年好調な株式会社キーエンスの例からも分かります。

同社は、成果をあげる方法や個人が秘密にしたい情報を透明化して「知の共有」を徹底し、機動的な営業と高い生産性を実現しています。

2022年4~6月期の連結決算は、同期間過去最高益の796億円(前年同期比18%増)でした。

一方、日本を代表する大企業である三菱電機や日野自動車などで品質不正やデータ偽装が続発しています。

その理由を聞いたアンケートでは、回答企業の約51%が「品質より納期や業績を優先する組織風土」を挙げ、「人事固定化に伴う暗黙的なルールの存在」、「上司の指示が絶対的な職場環境」などが続いていました。

まさに「間主観を話し合うべからず」という状況になっている職場環境で、不正が相次いでいるということです。

ではここで、先ほどの間主観を構築するための「テーブルの下」を表出させるプロセスを見ていきましょう。

次に挙げる各項目は、課題達成に直接関係する「機能面でのプロセス(タスクプロセス)」と、集団を維持していくための「心理面でのプロセス(メンテナンスプロセス)」に大きく分けられます。

ぜひ皆さんの会社の状況を思い浮かべながらそれぞれの項目について考えてみてください。

〈タスクプロセス〉

  • グループの目標は一致しているか。
  • 話し合っているテーマの捉え方は一致しているか。
  • リーダーシップは誰が取っているのか。
  • 役割分担は明確になっているか。
  • 意思決定はどのような形でなされたのか(ワンマン、少数支配、多数決、コンセンサス)。

「グループの目標は一致しているか」に関して、こんな事例がありました。

ある企業では、「お客様のために」という理念を大切にしていました。しかしその解釈が人によって異なっており、ある営業所ではお客の要望を受けて値下げを続けていました。

要求に応え続けた結果、その営業所は閉鎖に追い込まれてしまいました。

「意思決定はどのような形でなされたのか」に関しては、組織や戦略の変わり目ではコンセンサス(全員の合意)が求められることを押さえておきましょう。

なぜなら、組織や戦略の変わり目にはリスクが伴うからです。コンセンサスがなければ健全なプロセスにはなり得ません。

更に、タスクプロセス以上に難しいのが、心理面のメンテナンスプロセスです。

〈メンテナンスプロセス〉

  • 言いたいことを本音で言い切れているか。
  • 相手の本当に言いたいことや真意を聞き切れているか。
  • 打ち込んで取り組んでいるか。
  • 納得できているか。
  • まじめに取り組んでいるか、真剣に取り組んでいるか。

メンテナンスプロセスでは、「こんなことがあって嬉しかった、悔しかった」といった原体験を表出させられたかどうかが肝要です。

組織開発とキャリアコンサルティングの融合

株式会社シー・シー・アイ

ショートセッション「企業と個人の価値向上のために」

ここからは、富士フイルムシステムズ株式会社 人事総務部 高林俊樹さんを聴き手にお迎えして、組織開発とキャリアコンサルティングの融合について深掘りしていきます。

高林

本セミナーでパーパスエンゲージメントの重要性について再認識したところですが、よく「エンゲージメントと言っても、管理職と一般社員が仲良くなるだけで馴れ合いになるのでは?それで成果なんて出るの?」といった声を耳にします。

この点について仲村さんはどうお考えですか?

仲村

「エンゲージメントを考えるよりも厳しくしたほうが良い」と思っておられる方も確かにいらっしゃいます。単純作業であれば、厳しい指導が有効に働くかもしれません。

しかし、イノベーション生み出すような知的作業では、厳しい指導は委縮や失敗の回避を生み出します。

結果、部下は「新しいことは何もしないでおこう」と感じるようになります。特に知的作業ではやはり、エンゲージメントを高めることが有効です。

また、エンゲージメントを高めるには心理的安全性のある環境が必要です。これは、「仲良しこよし」ではなく、上司も部下も恐れずに意見を言い合える環境、率直に話し合える環境を作ろうということです。

高林

恐れずに話し合える職場づくりには、どんなことが必要でしょうか?

仲村

「自分たちが何のためにこの仕事をしているのか」というビジョンや理念が共有され、共通言語を持っていることが大切です。共通のビジョンと共通言語があれば、健全な話し合いが可能です。

そのなかで個々の社員も「自分がどう成長できるのか」が見えるので、恐れずに意見を言ったり話したりできるようになります。

高林

なるほど。本セミナーでは、仲村さんから個人のパーパス、平尾さんから組織のパーパスを軸に説明いただきました。

それぞれ、「学習性無力感」と「間主観」を強調されていた印象です。この2つのキーワードの関連性を教えてください。

平尾

学習性無力感も組織では大きな問題になるのですが、そこに間主観を絡めてお話すると、「動的惰性」の概念が参考になると思います。

株式会社シー・シー・アイ

組織がうまくいっているときには、「成功の教義」に則っています。「戦略の前提」、「プロセス」、「資源」、「関係性」、「価値観」が市場や時代に合っていると、企業は生き残ります。

ところが、成功の教義を構成していた要素は徐々に、「盲目」、「ルーチン」、「重石」、「足かせ」、「偏見」へと移行していくものです。これが「動的惰性」と呼ばれる現象です。

古びた教義から新しい教義のままでは、組織内の人間がいくら一生懸命働いても「動的惰性」に陥ってしまいます。皮肉にも、一生懸命働きながらサボっている状態に陥るのです。

主観をぶつけ合って「間主観」を強化しない限り、すべての企業は動的惰性になります
この図は、組織成長におけるポイントを示したものです。

株式会社シー・シー・アイ

未成熟集団では、「集団維持機能」だけが大きく、「個人的欲求」、「課題達成機能」は小さくバランスを欠いた状態です。成熟集団は、これらが同じ大きさでバランス良く重なり合っています。

未成熟集団から成熟集団に行くまでには、図にあるような「集団の変化」をたどります。

変化の過程で「分派」や「感情の表出」を経験する必要がありますが、多くの企業がここでブレーキを踏んだり逆行したりしてしまいます。

そのように葛藤を避けると、間主観の正常化が妨げられ、未成熟集団へと逆戻りしてしまいます。
したがって我々は、『葛藤のない偽りの平穏』を壊すことを目指しています。

高林

経験上、「感情の表出」まで進むと後戻りしてしまう状態を実感しています。このプロセスに組織内部の者だけで取り組むのは難しく、時間もかかります。

貴社のような外部コンサルの価値が発揮させる部分ですね。
それでは、チャットによせられた質問をいくつか紹介したいと思います。

Q1. 会社は業務の属人化を解消したい。しかし、ある従業員は「自分の存在意義は自分しか知らない。自分しかできないことがあって、周りの役に立つ」と主張しています。どのように対処すべきでしょうか?

仲村

ありがちな出来事ですね。その方が何にこだわりを持っているかを理解した上で、幅を広げられるよう導くのが良いのではないでしょうか。

「周りの役に立つ」、「自分にしかできないことがある」というものの、できることの幅を広げていくうちに「自分だけではカバーできないこと」が出てくるはずです。

そのタイミングで「周りを巻き込みましょう」と導き、属人化から引き離すことが考えられます。

「自分で抱えたい」から、例えば「人に教える」ことにやりがいを感じられるよう、「役に立つ」の幅を広げていく。その方の個性を活かしながら、幅を広げる方法を考えると良いと思います。

 

平尾

経営的な視点からすると、技術も知識も「一定の人間しかできない状態」というのは、組織として危険です。

また、「これは私にしかできない」と思っているとき、その人は企業の外に目を向けられていない状態です。「うちの会社が社会にどんな価値を出せるだろう?」と考えると、個人では抱えられなくなります。

大真面目に「外部に提供できる価値」について話し合えれば、属人化のデメリットを共有できるでしょう。まずは、外に目を向けられるようにすることが重要です。

高林

次の質問です。

Q2. 個人のパーパス(存在意義)を感じるためのフィードバックは、どのようなものが良いのでしょうか。フィードバックの内容の他に、「1対1か、全体の場か」といった場の設計のポイントも教えてください。

仲村

毎日3分からでも良いので、まずは個人にフィードバックしてください。

組織で目立つほどやりがいを感じる人であれば全体の場を作るのも良いかもしれませんが、まずは1人1人に対して数分ずつフィードバックの時間を持ちましょう。

とくにネガティブなフィードバックの内容で気をつけたいことは、「クイズを出さない。質問する」という点です。

クイズは「正しい答え」を前提としている一方、質問は「どんな答えが返ってきても良い」はずです。

また、たとえ結果的に間違えた行動をとっていたとしても、その行動には意図があり、意図は間違っていないかもしれません。そのような場合は、意図に対してプラスのフィードバックをすることもできます。

フィードバックでは、「クイズを出さない。質問する」と、「意図を聞く」を心がけてください。

平尾

組織開発を行う上でも、個人の人生観や価値観に目を向けることがあります。

なぜなら、「どんな人生を歩んできたのか」、「どんなふうに死んでいきたいか」など掘り下げて考えたときに、初めて現在の仕事についての嘘偽りない価値が見えてくることがあるからです。

なので、最終的にはフィードバックは集団で行うと良いと思います。心理的安全性を構築しておくことが大前提になりますが、最終的にはお互いの原体験をどれだけオープンに話せるかが肝になります。

ロジックと感情を行き来することで、パーパスは明確になってくるのだと思います。

高林

最後の質問です。

Q3. 親会社からの天下り経営者にパーパスはなく、「自分の任期が終わるまで問題を起こさない」という方針があるなか、プロパー社員はどのようにエンゲージメントを上げることができるのでしょうか。

仲村

天下り経営者は「問題をおこしたくない」と思っているはずです。

そして、メンタルダウンや離職者が多いことは問題であり、その経営者もそんな事態は避けたいはずです。私ならその心理をついて、「たまたま爆発していないだけで、問題が起こりかけています。

エンゲージメントを改善できたら問題は起こりませんし、場合によっては褒められるかもしれません」とアプローチすると思います。

平尾

よくあるケースですね。実際にコンサルに入った先で、こんな事例がありました。

親会社から子会社に来て3年ほどしたら親会社に戻るA上司と、ずっと子会社で働いてきた社員たちが、一緒になって話し合いの場を持ちました。

初めてお互いの話に耳を傾けるなかで、「お客様と接するなかでこんな悔しい出来事があった」という話や、「親会社から来てずっと孤独感があった」という話が出てきました。

葛藤も感情の表出もありましたが、最終的にA上司から「3年経ったら親会社に戻るけれど、3年後、この拠点が元気に生き残れる拠点になるよう頑張る」と言い切り、子会社の皆も「Aさんを支えよう」と張り切ってくれました。

話し合いの過程で間主観を強化し、さらに「この拠点が外部に価値を出すために、何が足りず、何をなすべきか」を皆で本気で話し合ったことで、親会社から来た人がどうかはあまり大きな問題にならなくなったのですね。

高林

組織と個人の両方に目を向けて率直な話し合いができることが、鍵になりそうです。

組織開発とキャリア開発が一体となることで目指すもの

ショートセッションの後、平尾さんから本セミナーを振り返るとともに、組織開発とキャリア開発を両輪で実現する具体的方法を紹介しました。

キャリアコンサルティングと組織開発の両輪で目指すことは、次の3点です。

  1. 組織を理解する。
  2. 貢献を実感できる。
  3. キャリア成長がある。

1つ目の組織理解は、組織の存在理由と危機感が本音で話し合われ、腹落ちしている状態です。そして、組織の向かう先が共有できていること。組織の内部だけでなく外部を踏まえてどの方向性を目指しているのかを実感できていることが重要です。

2つ目の貢献実感は、「自分がこの組織で役に立てている」という実感です。また、自分や自分の属する部署が「必要とされている」と感じられるようなフィードバックがある状態です。

3つ目は、キャリア成長があること。よく勘違いされがちですが、若い世代が辞める理由は給料や福利厚生ではありません。結局のところ「成長できるかどうか」を重視しています。成長できるなら給料が3分の2になっても転職してしいるという現状があります。

組織開発をキャリア開発をワンストップで実現するパーパスエンゲージメントプログラム

これら3つを実現するために、当社では「半年間で成果を出すワンストッププログラム-社員定着とマネジメント力向上のためのパーパスエンゲージメントプログラム-」を提供しています。

状況によってカスタマイズすることはありますが、おおまかに次のような流れです。

株式会社シー・シー・アイ

第1回 国家資格者による部下面談」は、ほとんど相談意欲がないところからスタートします。

まずは部下の方々が話をしてくれる環境づくりから入り、現場の課題感や本音を引き出します。場合によってはプライベートの問題も聴き取ります。

そのなかで、「何年もこの職場にいる理由は?成長したところはありますか?」といった質問も投げかけます。

こうして引き出した従業員の本音から見える課題を経営層に報告し、「組織開発コンサルタントによるマネジメントミーティング」の場でマネジメントプログラムに反映します。

マネジメントミーティングの後、「第2回 国家資格者による部下面談」を実施します。ここでは、マネジメントミーティングを経て管理職に起きた行動変容や変化をヒヤリングします。

重要なポイントは、「行動」と「実感」によって学習性無力感からの脱却を図るということです。

1回目のミーティングで「本音を出す」という行動を起こしてもらい、2回目のミーティングで「あなたの発言で管理職はこう変わったようです」と伝えることで、組織の変化を実感させます。

さらに、「どうせ元に戻るだろう」という感情に対して、「今は耳を傾けているようだから、言うチャンスです。言ってみませんか」と関わりを促します。

これによって、傍観者から当事者に変えていこうと試みます。

このように、我々のキャリアコンサルティングでは必ず2回のミーティングを設けます(=時間差アプローチ)。1回のミーティングだけでは、学習性無気力の状態から脱却できないからです。

また、「良い変化を継続させるには、起きた変化に対して協力的にならなくては」という気付きを与え、傍観者から当事者への変化を促す必要があるためです。

これを達成しようとするとき、社内人事担当者や社内キャリアコンサルトによる面談には次のような問題があります。

  • 評価・影響を懸念して言わない、ごまかす。
  • 改革の本気度が伝わらない。
  • 専門的・客観的な支援ができない。

CCIキャリアコンサルタントの特徴は、相談意欲が低い相談者から本音を聴きだせるという点です。

そのために、キャリア相談に関する国家資格を有し、かつCCI独自の企業向けプログラムを終了し、実践を見据えた厳しい試験をパスした者だけを任用しています。

また、エンゲージメントに結びつける企業目線での相談技術を習得している点も特徴です。「辞めたい」を「もうちょっと頑張ろう」につなげた支援実績も多々あります。

2回のミーティングの間に実施する「組織開発コンサルタントによるマネジメントミーティング」では、1回目のミーティングで聞き取った部下の声を匿名で経営層に共有します(=両面アプローチ)。

その上で、「会社のありたい姿」の共有ビジョン実現のための行動を明確化します。さらに、間主観を実現するために本音の討議を行います。

場合によっては、上層部にキャリアコンサルタントの面談をすることもあれば、マネジメントミーティングを一般職のリーダークラスが行うこともあります。

株式会社シー・シー・アイ

マネジメントミーティングの目的は、マネジメント層の質を上げることです。ミーティングを通して、組織の意識枠組みを再設定するための「健全な葛藤」を実現したいと思っています。

自分の主観を言い切り、相手の主観を聞き切り、リスクテイクをすることで、間主観を実現するためのマネジメントミーティングです。

CCI組織開発コンサルタントの1つ目の特徴は、コンテントとプロセスの両面を扱うということです。コンテントとは、戦略・仕組み。プロセスは、人の気持ちや関係性です。

これらを両輪として扱います。それにより、組織の中に本気の対話を生み出し、評論家ではなく当事者を生み出します。

また、常に葛藤から逃げません。逆に、葛藤がなければ過去の延長線上にすぎないと考えています。本音の話し合いが始まると、組織は必ず一度は葛藤状態に陥ります。

その際、逃げることなく葛藤の渦に入っていくことが、CCIの組織開発コンサルタントの強みです。

以上のとおり、当社のプログラムでは、両面アプローチと時間差アプローチでパーパスエンゲージメントの向上を目指しています。

おわりに

先述のとおり、「熱意あふれる社員は6%」というのが日本の現状です。これが常態化している以上、さまざまな分野での国際的な順位が低くて当然です。

ぜひ皆さんの会社の現状を改めて振り返っていただき、課題解決における支援が必要であれば、お声がけください。

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ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

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