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劇団ひとり「宅配の午前指定、4時間も待つ」に反発 なぜ午前中だけ8~12時なのか

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劇団ひとり
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宅配便で「午前中」を指定すると、届く時間は朝8時から正午まで。午後は2時間単位で指定できるのに、午前中だけは4時間ある。9月1日放送の日本テレビ系『ザ!世界仰天ニュース』で、劇団ひとりがこの不便さについて「4時間だけ身動きできない!」と話したことから、ネット上ではさまざまな意見が出た。

「確かに4時間は長い」と感じる人がいる一方で、「配達する側の負担も考えてほしい」という声もある。では、なぜ午前中だけ4時間なのか。ヤマト運輸や佐川急便の時間指定、国土交通省の再配達データを確認すると、単なるサービスの不便さだけではない、今の宅配業界が抱える事情が見えてくる。

 

劇団ひとり「4時間だけ身動きできない!」

9月1日の『ザ!世界仰天ニュース』では、住まいにまつわる話題から宅配便の受け取りについて話が広がった。劇団ひとりは、現在住んでいるマンションが築40年ほどで、宅配ロッカーなどの設備がないことに触れたうえで、荷物を待っている間は気が休まらないと話した。特に不満を感じているのが、午前中の時間指定だという。

午後は「14~16時」「16~18時」など2時間単位なのに、午前中は「8~12時」の4時間。劇団ひとりが「4時間だけ身動きできない!」と話すと、King & Princeの永瀬廉も共感を示した。確かに、午前中に荷物が届くと分かっていても、8時に来るのか、11時50分に来るのかでは予定の立て方が大きく変わる。少し買い物に出たいと思っても、「今来るかもしれない」と考えると家を離れにくい。

 

ヤマト運輸も佐川急便も「午前中」は8~12時

実際に宅配会社の時間指定を確認すると、午前中だけ4時間という仕組みは珍しいものではない。ヤマト運輸では、「8~12時」「14~16時」「16~18時」「18~20時」「19~21時」の時間帯から選ぶことができる。午前中については8時から12時までで、それより細かい時間を指定することはできない。

佐川急便も、午前中は「8~12時」としている。午後は「12~14時」「14~16時」「16~18時」など細かく区切られているため、「なぜ午前だけ4時間なのか」と感じる人がいるのも自然だろう。ただ、午前中の配達は、営業所での仕分けや車への積み込みを終えてから始まる。午後の配達とはスタート時の条件が異なるため、午前中をさらに細かく区切れば、配達ルートを組むうえで制約が増える可能性がある。

 

午前を2時間に分ければ便利、ただ配達側の制約は増える

たとえば午前中を「8~10時」「10~12時」に分ければ、受け取る側はかなり楽になる。8~10時に指定したなら、10時を過ぎれば外出できる。予定も立てやすい。

ただし、配達する側から見ると話は変わる。荷物を届けるルートは、住所の近さだけで決まるわけではない。時間指定の荷物、時間指定のない荷物、不在だった荷物などを組み合わせながら、できるだけ効率よく回る必要がある。細かい時間枠が増えれば、「近くの家を先に回りたいのに、この荷物を10時までに別の地域へ届けなければならない」という場面も増える。利用者にとっては2時間の差でも、全国で何百万個もの荷物を扱う宅配会社にとっては大きな制約になる。

 

再配達率は7.6% それでも約25万個がもう一度運ばれる

宅配業界で大きな課題になっているのが再配達だ。国土交通省が2026年7月に公表した調査では、同年4月の宅配便再配達率は7.6%だった。前年同期の8.4%からは改善している。

それでも、調査対象となった約332万個の荷物のうち、およそ25万個が再配達になった。これは、一度届けに行った荷物を、もう一度同じ住所へ運ぶ作業がそれだけ発生しているということだ。ネット通販が生活に欠かせないものになる一方で、トラックドライバー不足も続いている。利用者にとって便利なサービスを維持しながら、配達員の負担を減らすことが大きな課題になっている。

 

国が増やしたいのは「細かい時間指定」より置き配

そこで国が進めているのが、宅配ボックスや置き配など、家にいなくても荷物を受け取れる方法だ。国土交通省によると、2026年4月時点で、置き配や宅配ボックスなど「多様な受取方法」を使った割合は31.0%だった。政府は2030年度までに、この割合を50%程度まで増やす目標を掲げている。

ここで興味深いのが、劇団ひとり自身も番組内で「宅配ロッカーは欲しい」と話していたことだ。午前中を4時間から2時間に短くする方法もあるが、そもそも配達時間を待つ必要がなくなれば、4時間でも2時間でも関係なくなる。受け取る側は外出でき、配達する側も再配達を減らせる。今の物流政策は、「時間をもっと細かくする」より、「時間に縛られず受け取れるようにする」方向へ進んでいる。

 

「4時間は長い」はわがままなのか

劇団ひとりの「4時間だけ身動きできない」という発言に対し、「配達員の苦労を考えるべきだ」という反応が出るのも分かる。ただ、利用者が「午前中4時間は長い」と感じること自体もおかしな話ではない。荷物を受け取るためだけに半日近く予定を空けるのは、決して小さな負担ではない。

一方で、時間指定を細かくすればするほど、今度は配達する側の動きが制限される。どちらか一方の我慢で解決する問題ではない。劇団ひとりが投げかけたのは、宅配便を利用する誰もが一度は感じたことのある素朴な疑問だった。その答えは「午前中も2時間にする」ことではなく、宅配ボックスや置き配を広げ、「そもそも家で待たなくていい」仕組みに変えていくことなのかもしれない。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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