
奈良市議会をめぐり、議員報酬と居眠り問題が再び拡散している。奈良市議のへずまりゅう氏が6月30日、期末手当を含む支給額が151万2350円だったとする明細をXで公開し、「居眠り議員にも支給されますから」と投稿した。背景には、森田一成市議の本会議中の居眠りをめぐって奈良市議会に提出された陳情第21号がある。
爆睡動画と「起こした直後からターゲット」──因縁の始まり
今回の炎上には伏線がある。今年3月の奈良市議会本会議で、議会中に居眠りしている森田一成議員(自民党・9期目)をへずまりゅうが起こす様子が映った動画を「DEATHDOLL NOTE(@DEATHDOL_NOTE)」が取り上げ、起こしたへずまりゅう本人が「お歳なので〜優しく起こしました」と返信。まとめサイトやXで大きな話題となった。
森田議員は1958年9月30日生まれの67歳。1995年に初当選して以来、連続9期にわたって奈良市議会に議席を持つ自民党のベテランだ。
居眠り動画の拡散から3か月、6月20日には「地雷チャン@超炎上系歌い手(@amatsuuni)」が森田議員について「年収1000万円近くもらってるのに一年間で一回も質問してない」と投稿し、へずまりゅうが「これは事実です。森田議員は定例会で一度も質問していません」と返信し、再び話題になった。
その後、へずまりゅうは自身がいじめを受けていると告発。「居眠り議員の森田さんを起こした直後からターゲットにされた」「新人議員を潰す為にベテランが血眼になって頑張ってる」と訴え、道端副議長(自民党)が自身のSNS投稿を無断で印刷して委員会でヘイトとして取り上げたことや、「SNS利用ガイドライン」の策定が「へずま潰し」を目的に進んでいることなどを具体的に列挙した。”居眠り議員””いじめ”に関する投稿は、断続的に現在も続いている。
「年収1000万円で質問ゼロ」──陳情で明文化された実態
へずまりゅうやネット民だけではなく、市民もこの問題を正式な手続きで問い始めている。奈良市議会に提出された陳情第21号(令和8年6月8日定例会)には、以下の内容が記されている。
「奈良市議会本会議において、森田一成議員が居眠りをされていた様子が、傍聴者や議会映像により確認されています。議会は市民の代表として、税金で報酬をいただき、重要な決定を行う場です。(中略)特に67歳で9期目という長年の経験をお持ちのベテラン議員として、市民の期待に応える議会運営に努めていただきたい」(陳情者:中西哲也)
陳情は森田議員個人だけでなく、進行役を務めていた道端孝治副議長(自民党)が注意・休憩指示を行わなかった点も問題視している。「党派の後輩であることを考慮した可能性もある」と踏み込んだ記述もあり、市民が党内の忖度まで指摘した形だ。要求事項として「居眠り防止ルールの明確化」「違反時の対応手順の策定」が求められている。
夏のボーナス1,512,350円──「居眠り議員にも支払われます」
6月30日、へずまりゅうは自身のボーナス(期末手当)明細を公表した。支給額は1,512,350円。奈良市議会の議員報酬(月額約42万円)に年2回の期末手当が加わった年収が「約1000万円」となる水準は、他の中核市と比較して特に突出しているわけではないが、「議会で一度も質問せず、本会議で居眠りをしている議員にも同じ金額が支払われる」という事実が批判の焦点となった。
「本当に100万円もいただいて良いのか心配になるレベル」というへずまりゅうの言葉は、自らも同額を受け取っていることへの自省と、居眠り議員への皮肉を同時に含んでいる。「今以上に奈良に貢献しなければ」という続きの言葉は、森田議員との対比を鮮明にした。
ネットの毒は政治の毒に通用するのか
7月1日現在、森田議員の公式サイトは以下のアナウンスとともに一時休止されている。
いつも奈良市議会議員・森田一成の活動にご理解と温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。
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つきましては、コンテンツの保護および安全な運用のための調査・対策期間として、本ホームページを一時的に閉鎖させていただきます。
日頃より応援してくださっている有権者の皆様、地域の皆様にはご心配とご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
9期連続当選は、有権者が繰り返し信任してきたという事実でもある。法的には何も問題ない。しかし「問題がない」ことと、「有権者が納得できる」こととの間には溝がある。陳情という形で正式な記録に残り、SNSで全国に拡散された今、奈良市民の次の選択がどう動くかが問われている。
DEATHDOLL NOTE、地雷チャン、へずまりゅう──いずれも、ネットではよく知られたお騒がせインフルエンサーだが、今回の連携プレーでは、旧態依然とした地方議会にメスを入れることに成功したようだ。



