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森保ジャパン4発快勝、本田圭佑が見抜いた勝因 「イケイケドンドン」の裏にあった日本代表の進化

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本田圭佑
DALLーEで作成

サッカー日本代表が、北中米ワールドカップのグループステージ第2戦でチュニジアを4-0で下した。鎌田大地の2試合連続ゴール、上田綺世の2得点、伊東純也のW杯初ゴール。日本にとっては、W杯史上最多となる1試合4得点の快勝だった。ただ、この試合を強く印象づけたのは、スコアだけではない。日本テレビ系中継で解説を務めた本田圭佑の言葉が、ピッチ上で起きていた変化を妙に生々しく伝えていた。

 

 

森保ジャパン、チュニジアに4-0快勝 立ち上がりの先制点が空気を変えた

日本時間21日、メキシコ・モンテレイで行われたグループF第2戦。初戦のオランダ戦を2-2で引き分けていた日本にとって、チュニジア戦は勝ち点3だけでなく、得失点差も欲しい試合だった。重たい条件を背負っていたはずなのに、試合の入りは驚くほど滑らかだった。

前半4分、日本は右サイドから攻撃を組み立て、中村敬斗がペナルティエリア内へ入り込む。折り返しに鎌田大地が反応し、左足に当たったボールがゴールへ転がり込んだ。豪快な一撃というより、相手がまだ息を整えきる前に、日本が体ごと試合へ入り込んだような先制点だった。

この一発で、チュニジアは前へ出ざるを得なくなった。だが、日本はそこで慌てなかった。中盤で相手の前進を止め、奪えばすぐに縦へ入れる。無理に急ぎすぎる場面では、後ろでいったん落ち着かせる。その緩急が効いていた。31分には、縦パスを受けた上田綺世が前を向き、右足を振り抜く。ボールはゴール左隅へ突き刺さり、日本は2点をリードして前半を終えた。

後半に入っても、日本は守りに沈まなかった。田中碧の縦パスに上田がワンタッチで合わせ、抜け出した伊東純也がGKとの1対1を決め切る。さらに終盤、佐野海舟のクロスに上田が頭で合わせて4点目。4-0という数字は派手だが、実際の中身は勢い任せではなかった。前へ出る場面と試合を落ち着かせる場面を選びながら、相手に反撃の形をほとんど作らせなかった。

 

本田圭佑が見逃さなかった鈴木彩艶の判断

4点を奪った試合では、どうしてもゴールを決めた選手に視線が集まる。鎌田、上田、伊東。結果を出した選手の名前が並ぶのは当然だが、本田圭佑が強く反応していたのは、先制点の前にあった鈴木彩艶のプレーだった。

鈴木はロングキックを蹴るように見せながら、相手の動きを見て選択を変えた。無難に前へ蹴り出すのではなく、つなぐ道を選んだのである。本田はその判断を評価し、普通なら怖くて安全に蹴ってしまう場面で、個人の駆け引きによってつないだことに驚きを示していた。

この視点が、本田解説の面白さでもある。ゴールが決まった瞬間だけを切り取るのではなく、その数秒前に何が起きていたのかを見る。GKが蹴るのか、蹴らないのか。相手がどこへ寄せてきたのか。味方がどんな角度を作ったのか。そうした一瞬の判断が、攻撃の始まりになる。

鈴木のプレーは、派手なセーブではなかった。だが、日本が後ろから試合を動かそうとしていることは伝わった。GKがただ守るだけではなく、相手のプレスを見ながら攻撃の入口になる。そこに本田が触れたことで、この試合は単なる大量得点の快勝ではなく、日本の戦い方が少し変わってきた試合として見えてくる。

 

上田綺世の2ゴールよりも深い、前線での仕事

この試合の主役を一人挙げるなら、上田綺世になる。前半に右足でW杯初ゴールを決め、後半にはヘディングで2点目を奪った。ミドルシュートと空中戦の両方で結果を出したことは、ストライカーとして大きな意味がある。

ただ、上田の価値はゴールだけで測れない。伊東純也の3点目では、田中碧からの縦パスに上田がワンタッチで合わせ、伊東を前へ走らせた。背負った状態でボールを受け、相手DFの重心を少しずらしながら、味方のスピードを生かす。見た目には小さなプレーだが、あの一瞬がなければ伊東の抜け出しは生まれていない。

日本代表が長く欲してきたのは、前線で孤立しないFWだった。点を取るだけではなく、味方を生かし、守備の出発点にもなり、相手DFに簡単な処理をさせない選手。上田はこの試合で、その仕事をほぼすべて見せた。だから2ゴールという数字以上に、攻撃全体の中での存在感が残った。

4-0というスコアは、個人の爆発だけで作れるものではない。前線にボールが入り、周囲が動き、後ろから中盤が押し上げる。その連動が何度も起きたから、日本はチュニジアを押し込めた。上田の一撃は派手だったが、味方を走らせたワンタッチにも、この試合の日本らしさが出ていた。

 

本田圭佑の「佐野さん!」が見せた試合の裏側

試合後、マン・オブ・ザ・マッチを問われた本田は、鎌田や上田の名前を挙げたあと、少し間を置いて佐野海舟の名を口にした。ゴールを決めた選手ではなく、中盤で試合を支えた佐野を選択肢に入れたところに、本田らしい目線があった。

佐野は田中碧とともに中盤を引き締めた。前へ出るタイミングを見極め、相手が攻撃に移ろうとする瞬間に寄せる。4点目につながるクロスも佐野からだったが、それ以上に効いていたのは、試合を荒れさせなかったことだ。

大量得点の試合では、攻める側も雑になりやすい。もっと取れる、まだ行けるという空気が、逆にカウンターの隙を作ることがある。しかし、この日の日本は最後まで大きく乱れなかった。中盤の距離感がよく、ボールを失った直後の反応も早かった。チュニジアが前を向く前に、日本が次の火種を消していた。

本田が佐野に触れたことで、4-0の見え方は少し変わる。攻撃陣が爆発した試合であることは間違いないが、それだけではない。中盤が試合の温度を管理し、危ない流れになる前に止めていた。そう見れば、無失点で終えた意味もよりはっきりする。

 

「イケイケドンドン」が軽く聞こえなかった理由

この日の本田は、後半に伊東が3点目を決めたあと、日本の勝利をかなり強い言葉で見通し、そこから「イケイケドンドン」という表現で攻勢を語った。上田の4点目が決まると、その言葉は中継の空気そのものになっていった。

字面だけなら、かなり感覚的である。戦術用語ではないし、きれいに整った解説でもない。だが、この試合では不思議と軽く聞こえなかった。日本が3点目を取ったあと、ただ浮かれて前がかりになったわけではなかったからだ。

伊東のスピードは相手の守備ラインを押し下げ、上田は前線でボールを収め、佐野と田中は中盤で押し返す。守備陣も集中を切らさず、鈴木も最後方で落ち着いていた。勢いはあったが、勢いだけではなかった。だから「イケイケドンドン」という言葉が、お祭り騒ぎではなく、試合の流れをつかんだ表現として響いた。

本田の解説が話題になるのは、言葉が整いすぎていないからでもある。擬音も出るし、感覚的な表現も多い。それでも、プレーの細部を見ている。サッカーに詳しい人はその奥にある意味を拾えるし、詳しくない人も試合の熱に乗れる。解説が試合を邪魔するのではなく、試合の温度を上げていた。

 

久保建英不在でも4得点 森保ジャパンの層は厚くなった

この試合で見逃せないのは、久保建英を欠きながら4得点を奪ったことだ。初戦で左ひざを負傷した久保は欠場したが、日本の攻撃は止まらなかった。

鎌田が先制し、上田が2点を奪い、伊東がスピードで仕留める。中村は先制点に絡み、田中は縦パスで攻撃のスイッチを入れた。誰か一人のひらめきに頼るのではなく、複数の選手が違う形でゴールへ関わった。

W杯では、いつも理想のメンバーで戦えるわけではない。けがもある。疲労もある。相手との相性もある。だからこそ、誰かが欠けたときに別の選手が仕事をできるかどうかが問われる。チュニジア戦の4得点は、日本が複数の勝ち筋を持ち始めていることを示していた。

ただ、ここで浮かれすぎるのは危ない。チュニジア戦は完勝だったが、次も同じように進むとは限らない。相手が変われば、試合の表情は一変する。グループステージ最終戦は、勝ち点計算、得失点差、相手の出方が絡み合い、単純な力比べでは済まなくなる。

 

次戦はスウェーデン戦 快勝のあとにこそ真価が出る

日本は勝ち点を4に伸ばし、グループFで2位に浮上した。次戦は日本時間6月26日、スウェーデンとのグループステージ第3戦に臨む。決勝トーナメント進出を懸けた大一番であり、首位通過の可能性にも関わる重要な試合になる。

スウェーデンは高さとフィジカルを持つ相手だ。チュニジア戦のように、序盤から日本が気持ちよくボールを動かせるとは限らない。ロングボール、セットプレー、セカンドボールへの対応で後手に回れば、4-0の快勝ムードなどすぐに消える。

試合後、本田は快勝を喜びながらも、選手たちがすでに切り替えていることに触れ、自分も切り替えたいと話していた。そこには、W杯を知る人間らしい現実感があった。気持ちよく眠れる夜だったのは間違いない。だが、次の試合で足元をすくわれれば、その余韻は油断と呼ばれる。

チュニジア戦は、日本代表が強くなったことを示した。鈴木がつなぎ、佐野が支え、上田が決め、伊東が走り、本田の言葉がその熱を増幅させた。ただし、ここで満足するなら、優勝という言葉は軽くなる。森保ジャパンの強さが本物かどうかは、快勝の次の90分でこそ見えてくる。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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