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効果を高める社内報の作り方。押さえておきたい役割や効果と作り方の基礎

コラム&ニュース コラム
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photoACより

社内コミュニケーションツールとして注目される社内報。じつは、コミュニケーションツールと捉えるだけではもったいない役割と効果を秘めています。
初めて社内報を作る方、社内報の見直しを検討しているご担当者を始め、社内報について関心をお持ちのみなさんに、ぜひ認識していただきたい役割や効果、作り方の基礎をご紹介します。

社内報とは 〜効果を高めるために心に留めたい社内報の役割〜

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photoACより

社内報とは、会社の理念や社内で共有したい情報等を定期的に発信する内部広報メディアです。日本で最初に社内報が登場したのは明治時代だと言われています。

広告宣伝といった対外的に自社をPRする取り組みと比較して、社内報を一見地味と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、社内報は会社への帰属意識や社内コミュニケーションのきっかけとなるツールとして重要な役割を担っています。

さらに雇用形態や働き方が多様化するなかで、その価値が見直されているのです。そこで、社内報の効果を高めるために、まずは社内報の5つの役割をご紹介します。

経営理念やビジョン、自社の価値観や文化などを浸透させる

自社の存在価値や自社が何を目指しているのか、社員等は何のために働いているのかを示す経営理念やビジョン。企業によっては経営方針やパーパスとして設けている場合もあります。経営理念等の浸透は、社員等が同じ方向を向いて共に働き、会社を成長させていくために大変重要な課題です。
定期的に発行する社内報は、繰り返し理念等を発信していくことが可能であり、理念浸透の一翼を担う重要な役割を担っています。

ストレートに理念等を社内報に掲載することはもちろん、例えば、理念についての社長インタビューの掲載、理念をカタチにした取り組みの紹介など、工夫を凝らして発信し、理念に対する関心を生み出すことも可能です。

部門間を超えて社内の情報を共有する

自社の新商品やサービスの発売、社内イベントのレポートなど、社内報には、部署間を超えて社内で共有したい情報を発信するツールとしての役割もあります。

例えば、新商品についての社員等の理解を深めるために、発売にいたるまでの試行錯誤や担当者の想い、どのようなお客様にどのように届けたいのかなど、商品パンフレットには記載されていない事柄を社内報で紹介し、社内で共有することも可能です。

また、社内制度や人事異動の情報を共有するツールとしても活用できます。

働いている人たちのモチベーションを高める

自分の仕事や業績を褒められたり、取り上げられたりすることは、モチベーションを高めるきっかけや、やりがいにつながるものです。

社内報では、各部署の仕事内容や商品情報だけでなく、社員等個人を紹介することが可能であり、働いている人たちのモチベーションを高めるツールとして活用することもできます。

業績についてだけでなく、何かの資格を取得した社員を紹介する、地域貢献やまちづくりといった活動をしている社員を紹介するなど、働く人たちを讃える視点はさまざまです。社内報という媒体を活用して、積極的に社員等をクローズアップし、紹介していきましょう。

社内コミュニケーションを促進する

社内報の最も大きな役割といえる社内コミュニケーションの促進。社内報は部署の枠を超えたコミュニケーションのきっかけ作りを担うツールです。社員間のコミュニケーションはもちろん、経営陣と社員等とをつなぐコミュニケーションツールとしても期待されます。

例えば、経営陣の人となりを伝えるインタビュー記事を掲載する。各部署やチームを紹介するコーナーを設ける。共通の質問を設け、毎回、違う社員等の回答を紹介する。社内アンケートを実施してその結果を紹介する。社員間でのリレーコラム投稿を行うほか、コミュニケーション促進を意図したさまざまな展開を検討してみましょう。

社内に同好会やクラブ活動がある場合は、その活動を紹介することも良いでしょう。

ビジネス視点とは異なる、人となりや社内の様子や雰囲気、自社ならではのカルチャーを共有し、浸透させていくことにもつながります。

働いている人たちの楽しみや満足づくり

社内報は、社員等の楽しみや満足づくりの場としての役割を持つこともできます。

個人をクローズアップしたインタビュー記事の掲載もそうですが、例えば、社員等の趣味を紹介するコーナーを設け、趣味によっては作品の発表の場として活用することもできます。クイズを掲載して、正解者の中から抽選でプレゼントを行う、社内あるある川柳といった企画を立て、作品を募集するなど、社内報の発行が楽しみになる企画を盛り込むことも可能です。

社内報での楽しみづくりは些細なことかもしれませんが、そのような積み重ねが会社への愛着を育て、ひいては帰属意識を醸成するきっかけにもなり得ます。

ご紹介した5つの役割は、社内報の内容を考える際の視点としても活用できます。

それぞれの役割を果たすために、どのような内容が考えられるのか、自分だったらどのような社内報が嬉しいのかなど、ぜひ自分ごととして楽しみながら発想してみてください。

社内報で見込まれる5つの効果

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photoACより

社内コミュニケーションツール等の役割を持つ社内報。その期待される効果はコミュニケーションの活性化にとどまりません。社内報に見込まれる5つの効果についてご紹介します。

1. 社員同士の連携やチームワーク効果

社内報で社員等一人ひとりを紹介していくことは、普段話す機会のない社員が知り合うことや社員間の相互理解のきっかけになります。 担当している仕事の紹介だけでなく、仕事に対する想いや好きなこと、趣味など、人となりを紹介することで、部署を超えて共通点を見出した社員がコンタクトを取り合ったり、社内に趣味のグループが誕生したり。社員同士の連携を生むきっかけになり、チームワークや社員同士の協力関係を育む効果が見込まれます。

2. ステークホルダーエンゲージメント向上

ステークホルダーとは、お客様や従業員とその家族、株主、取引先、金融機関、地域の皆様など、企業等と直接的、間接的に影響がある、利害関係にある人や団体のことです。
エンゲージメントとは、約束や契約という意味を持ち、企業活動においては、社員等の会社への貢献意欲や愛着心、社員と会社の結びつきといった意味合いで使われます。

社内報は社内で発信されるものですが、会社を紹介するツールとして対外的に活用する場合や、社員を通じてその家族や取引先の目に触れる機会もあります。

ビジネス面での会社情報だけでなく、経営者や社員等の人となり、その会社の風土やカルチャーも伝えることができ、会社の雰囲気さえも醸し出す社内報は、ステークホルダーとの心の距離を縮め、親しみや愛着を持っていただくきっかけになるツールです。社員はもちろん、ステークホルダーエンゲージメントを高める効果を期待できます。

3. ブランディング・企業価値の向上

社員等の会社に対する愛着心を高めることにつながる社内報は、インナーブランディングツールとしての効果を持っています。デザイン性に優れていたり、内容が面白い社内報は、会社自体の価値を高め、企業ブランディングツールとしての効果を発揮する可能性もあります。さまざまな企業が参加する社内報のコンテストや全国規模の発表の機会などもあり、そのような場に挑戦することも、自社の価値を高める一環になるでしょう。

社内での活用はもちろん、取引先やお客様に親しみを持っていただくツールとして活用することも考えられます。

4. 離職率の低下

社内報は、自分の会社のことを改めて知ることができるツールです。経営陣のインタビューや共に働く仲間の人となり、他部署の仕事内容などを知ることは、会社への愛着心を生み、自分が勤めている会社への誇りを育むきっかけにもなります。社内報を通して新たな仲間と出会い、働くモチベーションが高まる人もいるでしょう。社員間のコミュニケーションが促進し、チーム力が高まることで、働く楽しさが強まり、離職率の低下につながる。そのような効果も期待できます。

5. リファラル採用やリクルート活動への好影響

自社の社員から友人や知り合いを紹介してもらうリファラル採用という手法があります。
すでに自社のことを知っている社員からの紹介により、一般的な採用方法よりもマッチング率が高いといわれるリファラル採用。この方法のツールとしても社内報は活用できます。

会社の仕事内容だけでなく、そこで働く人たちの人となりや個性、社風や会社の雰囲気が伝わりやすい社内報は、社員のみなさんにとって自分の会社を紹介する効果的なツールになります。リファラル採用に限らず、自社について伝えるリクルートツールとしての効果も期待できます。

見込める効果図

社内報の作り方 〜基本と2つの方法〜

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photoACより

社内報の作り方は、大きく分けて3つの工程があります。

1つは、基本として最初に必ず押さえておくべき工程。次に印刷以外の制作を社内で行う場合の工程。最後は、制作を社外に発注する場合の工程です。

社内で制作する場合も、例えば記事のデザインや撮影等、部分的に外部に発注する場合もあります。今回は、社内の担当者が決まっているという前提で、3つの工程について基礎的な内容をご紹介します。

最初に必ず押さえておきたい5つの工程

1:社内報の目的と編集方針を明確にする

最初に重要なのは「何のために社内報を作るのか」という目的や「どんな社内報にしたいのか」という編集方針を決めることです。

目的については、このコラムで紹介した社内報の役割を参考に検討してみてください。

編集方針については、目的を達成するために大切にしたいことは何なのかを考え、明文化してみましょう。

例えば、「5つの役割を果たし、みんなの想いをつないで、会社が生き生きと成長していくための社内報」を目的とした場合、それを実現するために「想いを表わし、楽しく伝える」を編集方針とすること。その方針のもと、役職や部署に関係なく、皆がフラットに笑顔で参画し、楽しいデザインで表現した社内報を作っていく、という一例が考えられます。

目的や編集方針に間違いや正解はありません。どのような社内報を作りたいのか、担当者はもちろん、経営陣ともよく話し合い、決めていきましょう。

2:ターゲットと媒体・仕様を決める

企業によっては社員だけでなく、契約社員やアルバイトの方などがいる場合もあります。どこまでの範囲の方を主なターゲットにするのかを最初に決めておくと、例えばインタビュー候補などを決める場合や、紙媒体を使う場合は発行部数の計算、web媒体でのアクセス権の範囲を決める際に役立ちます。

紙媒体での展開を考える場合は、社外への発信にも活用できるよう、少し多めに印刷するのも良いですね。

現在、社内報は紙媒体での展開とweb媒体での展開があり、アプリでも展開している企業もあります。予算によっては紙媒体とweb媒体の両方を展開することもあるでしょう。

自社でどの媒体を展開するのか、予算を含めて検討し、決定してください。

3:発行頻度とスタート時期を決める

定期的に発行する社内報。どのような頻度で発行するのかを決めましょう。

発行頻度は年に1回から毎月発行までさまざまです。あまり頻度が高すぎると発行そのものが負担になるかもしれません。一方で、年に1回の発行だと、理念を浸透するには少なすぎるという判断もできます。他の事業との兼ね合いや予算もふまえ、発行頻度を決定しましょう。発行頻度が決定したら、年間スケジュールを立て、第1号をいつ発行するのかを決定しましょう。作成にどれくらいの時間がかかるのか「やってみないとわからない」という場合は、まず発行準備号という号を作り、試しに作ってみるということも考えられます。

4:配布の仕方を決める

紙媒体の場合は、どういう手段で社内配布するのかを決めておきましょう。

web媒体を活用する場合は、自社のwebサイト上に載せるのか、別のURLを展開するのか、アプリを活用するのか、アクセス制限の仕方などを検討し、決定しておきましょう。

5:フィードバックの方法を決める

発行後の社員の感想や要望、アイデアを集めることができるようにしておくと、社内報の改善や社員の参画意識醸成につながります。

webアンケートを実施し、その結果を社内報の紙面で発表することも1つの企画として考えられます。 

社内で制作する場合の工程

1:発行する号の企画を立てる

社内報の目的や編集方針をふまえて、発行する号の企画を立てましょう。

記事は、毎号変更する「特集」と毎号掲載する「連載記事」に分けて考えると良いでしょう。企画を立てる時は、作り手の視点だけでなく、社員の一員としてどのような記事を読みたいのか、楽しいと思う記事はどのような記事なのかという読者視点でも考えましょう。

2:発行までの全体スケジュールを決める

1号を作る場合は、創刊日を設定し、印刷スケジュールを出して、逆算して作業スケジュールを設定していくと作業の目安を立てることができます。

作業的に無理のない範囲で余裕を持ってスケジュールを立てることが大切です。

1度行ってみて作業の進み具合を把握し、次回からスケジュールを改善していくことも大いに考えられます。

3:企画に関する情報を集める

企画を立てたら、誰にインタビューするのか、誰から情報を集めると良いのか、掲載したいことは誰に聞けば良いのかなどを洗い出し、取材先等の一覧を作って作業を進めるための下準備をしましょう。

4:全体構成(基本の台割り)を考える

あらかた集められる情報が見えてきたら、社内報全体の構成を考えます。特集や掲載する内容をページごとに割りふりし(これを台割りといいます)、どれくらいの情報を掲載するのか、大枠を把握しましょう。

5:各コーナーのスケジュールを決める

印刷スケジュールから逆算して、何をいつまでに行うのか、各コーナーのスケジュールを立て、進行管理を行います。

6:取材先や記事執筆担当者を決める

決定した内容の取材先や記事執筆、写真撮影担当者等を決定し、それぞれに作業を依頼します。取材先には取材の申し込みやスケジュール調整を行います。

7:素材集め、記事作成

実際に取材をしたり、掲載する素材を集め、記事を作成しましょう。記事を書いている時は書くことに没頭しがちですが、書いた文章を時間をおいて読み直してください。
初めて読む人にもわかりやすい文章になっているか、伝えたいことは盛り込まれているかをチェックし、必要であれば手を入れて文章を整えましょう。
記事をなかなか書けない場合は、まずはその記事で伝えたいこと箇条書きし、書き出した項目ごとに文章を作成したのち、全体として整えていくという方法もあります。

8:デザイン・レイアウト

台割りにそって、記事をレイアウトし、デザインします。
書体や文字間、行間をいくつか試してみて、読みやすいレイアウトにしましょう。余白を取り入れると読みやすくなります。

9:校正、校閲

情報や文字の間違いがないか、複数人で校正し、必要な場合は情報の再確認や修正を行います。パソコンの画面で校正するよりも、面倒でも紙に出力し校正する方が見落としが少ない場合もあります。

10:レイアウトデータ入稿・色校正

レイアウトし終わったデータを印刷するため入稿し、色校正を行います。デザイナーさんにお願いせず、担当者自身でデータを作成する場合は、入稿するデータの種類や入稿時の注意点などをあらかじめ印刷会社に確認しておくと安心です。

11:発行

印刷が出来上がったら、あらかじめ決めた配布方法で配布しましょう!

web媒体で発行する場合は、web媒体の仕様にあわせてレイアウトや投稿を行います。

自社で制作する場合、紙媒体、web媒体共に社内報のテンプレートを作成することも考えられます。ギチギチにレイアウトしたテンプレートの場合、号によっては使いにくいこともあります。レイアウトの多少の変更はあり得ることを念頭においてテンプレートを作ると良いでしょう。社内報のロゴやマーク、発行元等の定番情報だけ決めておくということもあり得ます。

制作を社外に発注する場合の工程

制作を社外に発注する場合も1から5までは、社内で制作する場合と同じように検討、決定しておきましょう。

外部の制作会社等に発注する場合、こちらの企画意図やどのようなものを作りたいのか、要望や行って欲しくないことをしっかりと発注先に伝えられるよう、特に注意してください。伝え方が曖昧で雰囲気だけで伝えると、出来上がったものが意図していないものになってしまう場合もあります。企画意図やお願いすること、〆切などを整理した書類を用意し、理解に齟齬がないようにしっかり依頼しましょう。

発注先を決めるところから検討する場合は、過去に作った制作物などを見せてもらい、先方の方としっかり話をした上で、うまくコミュニケーションできそうな相手なのかも見極めて決定しましょう。

1:発行する号の企画を立てる
2:発行までの全体スケジュールを決める
3:企画に関する情報を集める
4:全体構成(基本の台割り)を考える
5:各コーナーのスケジュールを決める
6:取材先を決める
7:企画意図や要望を発注先に伝える。
8:校正、校閲
9:色校正
10:発行

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、社内報を作る場合に必ず押さえておきたい役割や見込まれる効果、そして作り方の基礎をご紹介しました。

社内報は広告展開などと比べて地味な作業と思われるかもしれませんが、じつは会社運営にとって重要で大切な役割を持ち、効果を期待できる取り組みです。

社内のさまざまな部署の方とのコミュニケーションが必要となる制作業務は、担当者にとって、他の業務では体験できない学びの機会になることでしょう。
初めて社内報を担当される方も、以前から担当し、改めて社内報を見直すという方も、ぜひ肩の力を抜いて、楽しむ気持ちで考え、制作してみてはいかがでしょうか。担当者のみなさんの楽しむ気持ちや一生懸命作る姿勢は、おのずと社内報にあらわれ、社内のみなさんに伝わるものです。

coki(Sacco)では社内報の制作も行っています。ご担当者の負担を軽減し、作成の目的をカタチにする、読まれる社内報作りを進めてまいります。制作について検討していらっしゃる方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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ライター:

広告代理店にてコピーライター、プランナーを経験したのちフリーランスに。地方の月刊誌で巻頭インタビュー記事を4年担当。可能性の芽を見つけて価値へと編集したり、考えや想いを整理したり、見落としている価値や伝えたい想いを引き出し、言葉や図にして伝えるお手伝いを中心に活動。コンセプトや戦略設計サポート、もやもやの翻訳・編集・ライティングなど、言葉まわりの仕事をしています。

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