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ステークホルダーインタビューとは?重要性と役立つ質問例を紹介

サステナブルな取り組み ESGの取り組み
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(photoACより)

ステークホルダーインタビューとは、経営者や従業員、顧客などのステークホルダーに対してヒアリングを行い、経営課題やプロジェクトに関する意見などを抽出する活動です。

ステークホルダーインタビューを効果的に活用すると、ステークホルダーとの信頼関係の構築や、持続可能な経営の実現が期待できます。

しかし、一方でステークホルダーへのインタビューをどのように行えばいいか分からない方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ステークホルダーへの質問例やインタビューで失敗しないポイントなどを解説します。

ステークホルダーへのインタビューを検討している方、インタビューを活用してESG活動を充実させたいとお考えの方はぜひ、本記事を参考にしてください。

ステークホルダーインタビューとは

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(photoACより)

ステークホルダーインタビューとは、その名のとおりステークホルダーに対してインタビューを行う活動です。

プロジェクトの最終決定者や、関わりがある従業員、サービスを提供する顧客などへインタビューを行うことで、プロジェクトの方向性を修正したり、問題点やリスクを洗い出したりするのに役立ちます。

ステークホルダー・エンゲージメントの有効な手段のひとつ

ステークホルダーインタビューは、ステークホルダー・エンゲージメントにおいて有効な方法のひとつとされています。

ステークホルダー・エンゲージメントとは、それぞれのステークホルダーとコミュニケーションを密に取るなどして信頼性や関係性の向上を図る取り組みです。

プロジェクトのリーダーやチームの一員、顧客、株主など、各ステークホルダーによってビジョンやニーズは異なります。

そのため、各ステークホルダーのビジョンやニーズを把握し信頼関係を構築することは、プロジェクトを円滑に進めていく上で欠かせない活動といえるでしょう。

ステークホルダーとの信頼関係を築くための主な活動は、次のとおりです。

活動主な対象
意見交換会の実施経営陣・従業員・取引先の企業
地域住民との交流会の実施地域社会
総会や説明会の実施株主
問い合わせフォームの設置顧客
インタビュー各ステークホルダー

中でもインタビューは、各ステークホルダーの理解を深めたい場合やプロジェクトの方向性を修正したい場合など、さまざまな場面で活用できるため汎用性の高い活動といえるでしょう。

ステークホルダーやステークホルダー・エンゲージメントに関する内容は、こちらの記事でも解説しています。

直接的ステークホルダー

直接的ステークホルダーとは、何らかの形で企業に直接影響を与える、または直接影響を受けるステークホルダーです。

具体的には、次のようなステークホルダーが挙げられます。

  • 顧客
  • 株主
  • 従業員
  • 取引先の企業


例えば、従業員は企業に対して労働力を提供し、代わりに企業から賃金を受け取りますが、従業員が業務を行わなかったり、企業が賃金を支払わなかったりすると一方または双方が不利益を被ります。

また、従業員の働きによって企業の売上が上がった場合、企業は従業員に対して賃金アップやボーナスの支給などを行うでしょう。

このように、企業に利益や不利益を直接与える関係であるステークホルダーを直接的ステークホルダーと呼びます。

間接的ステークホルダー

間接的ステークホルダーとは、直接的ではないものの、何らかの形で企業に影響を与える、また企業から影響を受ける関係にあるステークホルダーです。

具体的には、次のようなステークホルダーが間接的に関わっているといえます。

  • 地域社会
  • 従業員の家族
  • 行政機関
  • 政府


例えば、従業員の家族は従業員の健康管理に努めることで企業に貢献し、企業は賃金や福利厚生などを従業員に提供することで家族の暮らしを支援します。

このように、間接的に影響し合っている関係のステークホルダーを、間接的ステークホルダーと呼びます。

インタビューを行う際は、ステークホルダーと企業との関係性に応じて質問内容やインタビューの形式を使い分ける必要があるでしょう。

ステークホルダーインタビューの事前準備

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(photoACより)

ステークホルダーインタビューは、事前準備が非常に重要です。事前準備を怠ると、思うようなインタビューの成果が得られなかったり、相手に悪い印象を与える可能性があるため、入念に行いましょう。

1.ステークホルダーの特定

まずは、企業に関わるステークホルダーを特定します。そもそも企業にはどのようなステークホルダーが関係しているのかを把握していないと、インタビューすべきステークホルダーを抽出できません。

以下のような項目でリストを作成してまとめておくと、後の準備にも役立つでしょう。

  • 氏名
  • 企業との関係性(従業員・顧客・株主など)
  • 連絡先(メールアドレス・電話番号)
  • 会社内での役割(従業員や取引先の企業などの場合は記載)
  • 経営・プロジェクトに与える影響


上記はあくまで一例です。インタビューの目的に応じて項目は適宜変更してください。

2.ステークホルダーの調査

インタビューにさける時間はお互いに限られているため、効果的にインタビューを行うためには、事前にステークホルダーの情報を詳しく知っておく必要があるでしょう。

ステークホルダーのビジョンや目標まで把握できていれば、どのような質問をしていくか、どの内容に多くの時間を費やすかなどインタビューの方向性も決まりやすくなります。

3.インタビューの優先度・目標決定

ステークホルダーの情報が集まれば、インタビューを行うステークホルダーの優先度と、インタビューの最終的なゴールを設定しましょう。

特に、インタビューのゴールはできるだけ具体的に決めておきたいものです。
ゴールが明確に決まっていると、インタビューの核となる質問や、関連する質問を適切に行えます。

限られた時間の中で充実したインタビューを行うためにも、最終的なゴールや目標は明確にしておきましょう。

4.インタビュー計画の作成

インタビューの対象となるステークホルダーの把握やゴールの設定ができれば、いよいよインタビュー計画の作成に移ります。

「インタビューにわざわざ計画を立てる必要はあるのか?」と思う方もいるかもしれません。

しかし、どのような質問をするか、各トピックにはどれくらいの時間を有するのかなどをあらかじめ決めておかないと、聞きたかった質問のタイミングを逃す可能性があります。

ステークホルダーには、話すことが得意でない方もいるため、求めている情報を引き出すためにもインタビューの計画は綿密に立てておく必要があるでしょう。

ステークホルダーインタビューに役立つ質問例

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(photoACより)

ここでは、インタビューにおいて活用できる質問の例を項目別に紹介します。
実際にステークホルダーへのインタビューを行う際にお役立てください。

プロジェクトに関する質問

  • プロジェクトにおけるあなたの役割は何ですか?
  • このプロジェクトは今後どのように展開していく予定ですか?
  • このプロジェクトで想定しているユーザーは誰ですか?
  • このプロジェクトが直面しうる課題を教えてください。
  • このプロジェクトにおける成功とは何ですか?
  • このプロジェクトに対してあなたは今後どのように関わっていきたいですか?

問題点や競合に関する質問

  • このサービス(製品)の商品価値を教えてください。
  • このサービス(製品)における競合はどこですか?
  • このサービス(製品)は他のものとどのような差別化ができますか?
  • 現段階でどのような問題が起こっていますか?一番に解決すべき問題は何ですか?

その他(ウォーミングアップ・追質問等)

  • 具体例を挙げるとすれば何ですか?
  • なぜそのように行動したのかお聞かせください。
  • そのように感じるのはなぜですか?
  • 前の職場(プロジェクト)では何をしていましたか?
  • 企業ではどのような役割を担っていますか?
  • あなたが最も信頼しているチームや人について教えてください。
  • あなたの他に話を聞くべき人はいますか?


また、顧客へのインタビュー方法や事前準備、導入事例などについては、こちらの記事をご覧ください。

ステークホルダーインタビューで失敗しないポイント

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(photoACより)

ステークホルダーインタビューは、効果的に活用しないとお互いの時間をロスすることになったり、問題が解消されなかったりと不利益がでる可能性があります。

インタビューを行う際は、次のポイントに気を付けましょう。

  • インタビュー計画を綿密に立てる
  • インタビューを録音する
  • アフターフォローを行う


それぞれのポイントについて詳しく解説します。

インタビュー計画を綿密に立てる

インタビューは無計画に行わず、しっかりと計画を立てて行いましょう。
ステークホルダーにインタビューさえすれば、聞きたい情報は聞けるだろうという考えは危険です。

計画を立てずにインタビューを行えば、聞きたい質問を全て終える前に時間がきてしまったり、表面的な回答しか得られなかったりする可能性があります。

そのため、質問の優先度や、各質問にどれだけの時間をかけるかなどをあらかじめ決めてからインタビューに臨みましょう。

また、質問は決められている時間より少し多めに用意しておくのがおすすめです。
時間が足りなくなった場合に備え、最後に聞く質問を決めておくのも良いでしょう。

許可が取れればインタビューを録音する

インタビューの内容を録音しておくのも大切です。
インタビューの内容を一言一句記録に残すことは難しく、時間が経つにつれて記憶も薄れていきます。

さらに、自分で記録を取りながらインタビューを行わなければならない場合は、内容を書き取ることに注力しすぎて話が入ってこないケースもあるでしょう。

もちろん、インタビュー前にステークホルダーへの許可取りは必須ですが、録音の許可が取れればインタビューの内容を録音しておくのがおすすめです。

録画であれば、インタビューの温度感やステークホルダーのリアクションなども見返すことができます。

アフターフォローを忘れない

忘れやすいのが、ステークホルダーへのアフターフォローです。ステークホルダーは、多忙な中で時間を割いてインタビューを承諾してくれたことに対して感謝を伝えましょう。

後日にメールや電話でアフターフォローをすると、ステークホルダーにインタビューで話しきれなかった内容を思い出してもらえるかもしれません。

アフターフォローは、今後もステークホルダーとの良好な関係性を築いていく上で重要なアクションといえます。

ステークホルダーの重要性

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(photoACより)

インタビューなどを通してステークホルダー・エンゲージメントを高めることには、さまざまなメリットがあります。

  • 持続可能な経営の実現
  • 信頼関係の構築
  • プロジェクトの成功率アップ
  • リスクやトラブルの回避


それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。

持続可能な経営を実現できる

ステークホルダーとの関係を良好にしていくことは、持続可能な経営の実現につながります。

例えば、株主の顔色ばかりうかがって従業員をないがしろにするなど、特定のステークホルダーとの関係性ばかりを重視していると、他のステークホルダーは不満を持つようになるでしょう。

場合によっては、大きなプロジェクトに賛同してもらえなかったり、経営に大きな影響を及ぼす可能性もあるかもしれません。

企業に関わる全てのステークホルダーとの関係を良好にすることで、企業の業績アップや従業員のモチベーション向上、資金援助、社会貢献など企業とステークホルダーとが良い影響を与え合い、結果的に持続可能な経営の実現につながるのです。

信頼関係が築ける

ステークホルダーとの関係性を大切にしていると、各ステークホルダーと信頼関係が築きやすくなります。

インタビューなどを通してステークホルダーの意見や要望を聞き、製品やサービス、プロジェクトに反映させると、ステークホルダーからの信頼がアップするでしょう。

ステークホルダーが、信頼できない企業の製品やサービスを購入したり出資したりすることはまずありません。

企業とステークホルダーとの信頼関係がしっかり築けていれば、顧客の購買意欲がアップするほか、株主からの投資や金融機関からの融資にもプラスに影響する可能性があります。

プロジェクトの成功率がアップする

ステークホルダーとの関係性構築にあたり、ステークホルダーのニーズをしっかりと把握できているとプロジェクトの成功率が各段にアップするのもメリットのひとつです。

ステークホルダーへのインタビューを通して、プロジェクトの問題点や課題、どのような意見を持っているのかが明確になります。

ステークホルダーからの意見を参考に、軌道修正を行うことでプロジェクトの成功が期待できるでしょう。

リスクやトラブルを未然に防げる

ステークホルダーとのやり取りを密に行い、情報を共有していると、リスクやトラブルの未然回避にもつながります。

信頼関係ができていない状態で、各ステークホルダーが何を考えているのか、関心事は何か、ニーズは何かなどを把握するのは困難です。

たとえステークホルダーが企業やサービス、プロジェクトに対して意見を持っていたとしても、その意見を伝える機会や、意見のすれ違いがないか確認する機会がなければ、フラストレーションが溜まるでしょう。

そのような状況が続けば、大きなトラブルが起こる事態も十分に考えられます。

普段からステークホルダーの関心事に注意を向け、適切にコミュニケーションを取ることで、リスクやトラブルを最小限にできるでしょう。

まとめ

本記事では、ステークホルダーへの質問例やインタビュー時の注意点について解説しました。

インタビューは、ステークホルダーのニーズやビジョン、懸念点などを把握できる活動として、ステークホルダーとの信頼関係を築いていく上では非常に重要です。

ステークホルダーとの関係性が強化されれば、プロジェクトの成功や企業のさらなる発展、地域社会との良好な関係が築けるなど、さまざまな効果が期待できるでしょう。

本記事が、より良いESG活動の一助になりましたら幸いです。

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ライター:

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(ちみ) 藍口みのり

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兵庫県在住のフリーランスWebライター。歌うことが大好きで、前職では小学校教諭として担任を持ちながら高学年の音楽授業を受け持つ。小中高教員免許(音楽)保持。教育をはじめ、美容・金融・ライフスタイルなど、さまざまなジャンルの記事執筆を行っています。

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