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ESGとスマートコントラクトの関係性(企業価値とESG #13)

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ESGとスマートコントラクトは、相互に影響し合い、相乗効果を生み出すことができるでしょう。

本稿では、スマートコントラクトの仕組みや導入メリット、課題やリスク、ESGの各要素における活用方法、相乗効果についてご紹介します。

スマートコントラクトとは

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で実行される自動化された契約のことです。

スマートコントラクトは、契約当事者間の合意事項をプログラムコードで記述し、ブロックチェーンの分散型ネットワークによって検証・実行されます。

スマートコントラクトは、中央機関や仲介者の介入なしに、信頼性・透明性・効率性の高い取引を可能にします。

スマートコントラクトの代表的な例は、イーサリアムです。イーサリアムは、スマートコントラクトを実行するためのプラットフォームであり、さまざまな分野で応用されています。

例えば、金融、保険、不動産、エネルギー、ゲーム、アートなどの分野です。スマートコントラクトは、これらの分野において、新しいビジネスモデルや価値創造の機会を提供しています。

ESGとスマートコントラクトの関係性

スマートコントラクトは、ESGにとっても有効なツールとなり得るでしょう。

スマートコントラクトで、ESGに関するデータや情報をブロックチェーン上に記録し、検証し、共有することができるからです。

また、スマートコントラクトは、ESGに関する目標や指標に基づいて、自動的に報酬や罰則を発生させることができます。

これにより、スマートコントラクトはESGの実現に向けて、インセンティブやアカウンタビリティを高めることができます。

スマートコントラクトの実装における課題とリスク

スマートコントラクトの導入は多くのメリットをもたらしますが、同時に、いくつかの課題やリスクも存在します。スマートコントラクトの実装における課題とリスクは、以下のようなものです。

プログラミングの難易度とエラーの可能性

スマートコントラクトは、プログラムコードで記述されるため、プログラミングのスキルや知識が必要です。また、プログラムコードには、バグや脆弱性が含まれる可能性があります。

これらのエラーは、スマートコントラクトの正常な動作を妨げたり、悪意のある攻撃者によって悪用されたりする危険があります。

法的な不確実性と互換性

スマートコントラクトは、「法的な契約と同じ効力や拘束力を持つのか」という問題があります。

スマートコントラクトは、法的な契約と異なる形式や言語で記述されるため、法的な解釈や適用に困難が生じる可能性があるのです。

また、スマートコントラクトは、「既存の法制度や規制と互換性があるのか」「国や地域によって異なる法的な要件や基準に対応できるのか」という問題もあります。

データの質と信頼性

スマートコントラクトは、ブロックチェーン上のデータに基づいて実行されますが、そのデータの質や信頼性には疑問が残ります。

ブロックチェーン外のデータにアクセスするために、オラクルと呼ばれるサービスを利用しますが、オラクルは中央化されたシステムであることが多く、データの改ざんや操作の可能性があります。

また、スマートコントラクトに入力されるデータは、人間によって作成されることが多く、データの正確さや一貫性には誤りや偏りが含まれる可能性があるでしょう。

環境・社会・ガバナンスにおけるスマートコントラクトの活用方法

スマートコントラクトは、ESGの各要素においてさまざまな活用ができます。以下に、いくつかの方法をご紹介します。

環境

スマートコントラクトは、環境に関するデータや指標をブロックチェーン上に記録し、検証し、共有することで、環境問題の解決に貢献できます。

例えば、温室効果ガスの排出量や削減量を計測し、カーボンクレジットの発行や取引を行うことができるでしょう。

また、再生可能エネルギーの発電量や消費量を計測し、エネルギーの効率的な配分や価格設定を行うこともできます。

社会

スマートコントラクトは、社会に関するデータや指標をブロックチェーン上に記録し、検証し、共有することで、社会問題の解決に貢献できます。

例えば、人権や労働条件に関する情報を追跡し、サプライチェーンの透明性や倫理性を高めることができるでしょう。また、教育や医療などのサービスの提供やアクセスを改善することもできます。

ガバナンス

スマートコントラクトは、ガバナンスに関するデータや指標をブロックチェーン上に記録し、検証し、共有することで、ガバナンスの向上に貢献できます。

例えば、企業や組織の経営や財務に関する情報を公開し、ステークホルダーの監視や参加を促進することができるでしょう。また、投票や寄付などの政治的な活動を行うこともできます。

ESGとスマートコントラクトの相乗効果

ESGとスマートコントラクトは、相互に影響し合い、相乗効果を生み出すことができるでしょう。例えば、以下のようなものです。

ESGは、スマートコントラクトの需要や価値を高める

ESGは、企業や組織の持続可能性を評価するための基準として、今後ますます重要になっています。

しかし、ESGに関するデータや情報の収集、分析、報告、監査などのプロセスは、複雑でコストがかかるものです。

スマートコントラクトは、これらのプロセスを自動化・効率化し、信頼性を高めることができます。

また、スマートコントラクトは、ESGに関する目標や指標に基づいて、インセンティブや罰則を発生させることもできます。

これにより、ESGの実現に向けて、動機付けや責任感を高めることができるでしょう。

スマートコントラクトは、ESGの実現や評価を促進する

前述のとおりスマートコントラクトは、ESGの各要素において、さまざまな活用方法があります。

スマートコントラクトでESGに関するデータや情報をブロックチェーン上に記録し、検証し、共有することで、ESGの実現に向けて透明性や信頼性を高めることができるでしょう。

出典・参考:スマートコントラクト | ethereum.org
最終回:ブロックチェーン活用の今後–NFT×B2B、ESG、Web3 – ZDNET Japan
    ブロックチェーンはESGを再構築する | SBI金融経済研究所 (sbiferi.co.jp)

次回のコラムでは、「新しい金融システムReFi」について解説します。

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ライター:

1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。 プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。 2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。 現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員としてM&Aや企業価値向上、海外進出等に携わるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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