
使い捨てが当たり前だった建材見本に回収の手を差し伸べ資源循環を可視化するリビエラ株式会社の取り組みから持続可能なビジネスの未来像を読み解く。
捨てられる見本品に光を当てた画期的な挑戦
建築の現場で当たり前のように配られ、役目を終えれば捨てられていた建材の見本品。この業界の慣習に新しい風を吹き込んでいるのが、建材の輸入販売を手がけるリビエラ株式会社である。
同社が発表した実績によると、取り組みを開始してから4年半で回収されたタイルの見本品は15,893枚にのぼる。この一見すると地道な数字の裏には、これまで誰も手をつけなかった商習慣を根本から変えようとする力強い意思が込められている。
独自ルートで実現した環境負荷の大幅な削減

他社にはない同社ならではの強みは、産業廃棄物として処分されていた見本品を丁寧に回収し、検品を経て再び現場へと送り出す循環の仕組みをつくり上げたことにある。
回収率は約4.21パーセントと数字だけを見れば発展途上にも思えるが、再利用されたサンプルをCO2排出量に換算すると、製造や輸送の過程を含めて約1.8トンもの削減効果を生み出している。
見本品をただの販促ツールで終わらせず、環境を守るための大切な資源として活かしきる点に大きな違いがある。
素材への愛着とモノづくりへの深い敬意
こうした挑戦の背景には、タイルという建材が持つ本質的な価値を大切にする独自の考え方がある。多彩なデザインや質感を持つタイルは、本来とても頑丈で長持ちする素材である。
たとえ一度誰かの手に渡ったとしても、その美しさや機能性が失われるわけではない。素材の強さを信じているからこそ、使い終わった見本品をゴミではなく資源として捉え直すことができた。製品の始まりから終わりまで責任を持つという姿勢が、この循環を支えている。
当たり前を疑うことで見えてくる新しい価値
この取り組みから私たちが学べるのは、長年続いてきた業界の当たり前を疑い、顧客と一緒に新しい価値をつくっていく大切さである。一企業だけで持続可能な社会をつくることは難しいが、思いに共感してくれる顧客と手を携えれば大きな変化を起こすことができる。
目先の効率やコストにとらわれず、地道な回収を積み重ねていく姿勢こそが、これからの時代に求められる企業のあり方を示している。



