
埼玉県北本市の空き地で、面識のない10代女性に性交などをしようとし、首を絞めてけがを負わせたとして、埼玉県警捜査1課と鴻巣署は7月28日、不同意性交等致傷の疑いで、群馬県太田市牛沢町の派遣社員、川畑アレキサンダー容疑者(32)を逮捕した。
女性は頸椎捻挫など全治約1カ月のけがを負った。川畑容疑者は「自分はしていません」と容疑を否認している。
軽貨物車を止め、徒歩で10代女性を追ったか
埼玉新聞によると、事件が起きたのは7月18日午後11時10分ごろから同11時15分ごろまでの約5分間。現場は北本市内の空き地で、被害女性は埼玉県内に住む10代だった。
川畑容疑者は軽貨物車を運転中に女性を見つけ、現場付近に車を止めた後、徒歩で女性を追ったとされる。空き地で性交などをしようとし、女性の後ろから首を絞めるなどの暴行を加え、「死にたいか」などと脅した疑いが持たれている。
川畑容疑者と女性に面識はなかった。女性の母親は翌19日午前0時ごろ、「娘が首を絞められて草むらに引き込まれた」と110番通報している。
通話中の携帯電話を見せると逃走 防犯カメラから特定
女性は襲われた際に抵抗し、携帯電話を川畑容疑者に見せて、誰かと通話していることを伝えた。川畑容疑者はその場から逃走したという。
通報を受けた埼玉県警は、現場周辺の防犯カメラ映像を精査するなどして川畑容疑者を特定。事件から10日後の7月28日に逮捕した。
2023年に新設された「不同意性交等罪」 法定刑は無期または6年以上
逮捕容疑となった不同意性交等致傷罪について、刑法181条2項は、不同意性交等罪またはその未遂罪を犯し、人を死傷させた場合、無期または6年以上の拘禁刑に処すと定めている。
不同意性交等罪は、2023年7月施行の改正刑法で、強制性交等罪と準強制性交等罪を統合する形で設けられた。処罰対象は暴行・脅迫を用いた場合に限らず、アルコールや薬物、睡眠、恐怖や驚愕、地位による影響力などにより、被害者が同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態で性交等をした場合にも及ぶ。被害者が抵抗できたかどうかだけで犯罪の成否を判断する規定ではない。法務省は、改正によって処罰対象となる要件を具体化したと説明している。
不同意性交等致傷は未遂も対象
性交等が既遂に至らなくても、実行に着手した過程で暴行を加え、被害者を負傷させれば同致傷罪の対象になり得る。今回も、性交などをしようとした際の暴行で女性に頸椎捻挫などを負わせた疑いとして立件された。
警察庁の「令和7年の犯罪情勢」によると、2025年に全国で認知された不同意性交等は4177件。2024年の3936件から241件増えた。警察庁は、2023年の刑法改正による対象範囲の変更と、被害申告や相談につながる環境の整備などが認知件数の増加に影響したとしている。
川畑容疑者は容疑を全面的に否認しており、埼玉県警が犯行に至る経緯を調べている。



