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豊丸産業パチンコ事業停止 66年の歴史に幕 ナナシーやウィッチブレイド名機とトレパチ事業を振り返る

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豊丸産業 パチンコ事業停止
2026年7月28日、豊丸産業株式会社はパチンコ事業を同年7月31日をもって停止すると正式発表した。
1960年の設立から66年にわたり、独創的な遊技機を世に送り出してきた老舗メーカーの決断は業界に大きな衝撃を与えた。
事業環境と経営状況を踏まえた判断と説明され、設置中の機種は検定期間内で継続運用可能とする。
 

豊丸産業の事業の歩み

豊丸産業は1960年5月20日に愛知県名古屋市中村区で設立された。
創業当初からパチンコ機の企画から設計、製造、販売までを一貫して手がけるメーカーとして歩みを始め、電役機の時代からデジパチへの移行期を着実に乗り越えてきた。
名古屋を拠点に独自の発想を大切にし、他社とは一線を画す機種開発を続けた点が特徴だ。
1980年代から1990年代にかけて一般電役機で存在感を高め、2000年代以降はCR機やV確変機の分野でも独自性を発揮した。
2013年頃に新規事業準備室を設け、2014年に未来事業室を正式発足させて福祉施設向けレクリエーション機器の開発に本格参入した。
2018年には未来事業本部へ改称し、パチンコ事業以外の柱を強化する方針を明確にした。
並行して不動産の仲介や管理、賃貸事業も展開し、事業の多角化を図り、従業員数は100名超規模で推移し、名古屋本社を中心に営業活動を続けたがパチンコ市場全体の縮小を受け、2026年7月28日に事業停止を発表するに至った。
営業拠点は東京と大阪を含め8月末で閉鎖し、公式ホームページやYouTube、Xアカウントは当面更新頻度を下げつつ継続する。
福祉事業については運営体制の見直しを進めている段階にある。

 

ナナシーをはじめとする人気機種の系譜

豊丸を象徴する機種の一つがナナシーシリーズである。
電役機の伝統を継承しつつ、全回転リーチや独特の出玉感で長年支持を集めた。
コマコマ倶楽部は可愛らしいキャラクターと遊びやすいゲーム性で人気を博し、ウィッチブレイドは2011年発売で技術的転換点となった。
ピカイチ天国やバーストエンジェル、競女などの作品も記憶に残る。
これらは派手さより独自のアイデアを重視し、ホールやファンに一定のファン層を築いた。
事業停止後も検定期間内の設置機は運用可能とされ、名機の余韻は当面残る見通しだ。
ダイナムとのプライベートブランド機開発など、他社連携の取り組みも近年の特徴として挙げられる。

 

事業停止の背景と公式発表の内容

公式発表では「昨今の事業環境および経営状況を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果」と簡潔に理由が記された。
パチンコ業界全体ではホール数の減少が続き、プレイヤー層の高齢化や規制強化、新台需要の変化が各メーカーに影響を及ぼしている。
豊丸産業も例外ではなく、遊技機事業の収益環境が厳しさを増す中で66年の歴史に幕を下ろす決断に至った。
ファン向けのお知らせでは、創業以来全国のホールを通じて機種を楽しんできたプレイヤーへの長年の愛顧に感謝を述べ、理解を求めた。
ホール向け文書では、設置中の同社製遊技機が直ちに使用不能になるわけではなく、各機種の検定期間内であれば継続設置・運用が可能であることを明確にした。
営業拠点の閉鎖に伴う保守対応についても一定の部品確保を進め、可能な範囲で対応を続ける方針だ。
福祉事業については新規注文と新規導入の受付を一時停止し、事業拡充に向けた運営体制の見直しを進めている。
業界内ではSNSを中心に情報が一気に広がり、老舗メーカーの撤退として市場の縮小を象徴する出来事と受け止められている。

 

福祉機器トレパチの概要と位置づけ

2014年から本格化したトレパチは、パチンコ技術を福祉施設向けレクリエーションに応用した製品群だ。
エアロビックトレパチは足漕ぎペダルで玉を発射する仕組みで、下肢運動とゲーム性を両立。
静音球や消音設計を採用し、認知症予防や運動習慣づくりを狙う。
大当り確率や難易度を施設側で調整可能で、チャレンジゲームやカード獲得要素も備える。
300を超える施設に導入され、男性利用者の増加や参加意欲向上の報告がある。
コマコマ倶楽部やアニマルマンションをベースにした機種が継続販売され、テーブル型やモーションセンサー機器TANOも展開。事業停止後も既存対応は可能な限り続ける。

 

V-STの先駆けとなった技術とファンの反応

2011年に発売されたCRウィッチブレイドは、アタックラウンドと呼ばれるシステムを導入し、V入賞による確変突入を実現した。
通常時の初当たり後に一定確率でアタックラウンドが発生し、Vゾーンへの入賞で高継続率のSTに移行する仕組みは、当時「確変革命」と呼ばれた。
この方式が後のV-ST(V確変とSTの組み合わせ)の原型となり、牙狼シリーズをはじめ他社のヒット機種にも広く採用されるようになった。
豊丸の技術的貢献として業界関係者やファンの間で評価が高い。
事業停止発表後のX(旧Twitter)などでは「V-STはウィッチブレイドから始まった」「ナナシーやコマコマ倶楽部、ウィッチブレイドに感謝」「66年の歴史に幕、お疲れ様」と功績をねぎらう投稿が相次いだ。
一方で「出ない台を作る会社が悪い」との厳しい声や、業界全体の出玉性能や市場環境を憂う意見も見られた。
サンセイなど他メーカーへの影響を指摘するユーモア交じりの反応もあり、技術の先駆者としての位置づけを再確認する機会となった。
名機を振り返る温かい声と、パチンコ業界の厳しさを実感する声が交錯している。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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