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東洋水産炎上はタニタ、サッポロに飛び火 藤井セイラ氏やフェミニストの批判が逆に社会の反発を招く構図に 

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フェミニストにとって受難の時代

東洋水産の「赤いきつね」のアニメCMをめぐる批判がSNS上で拡散される中、同社が沈黙を貫いた結果、逆に支持が集まり、販売数や株価の上昇につながった。この一連の流れは、企業のSNS対応の成功事例として注目を集めている。

さらに、この騒動はタニタや他の企業にも飛び火し、新たな炎上を引き起こした。

 

「赤いきつね」CMへのフェミニストの批判と炎上の経緯

発端となったのは、東洋水産の「赤いきつね」のアニメCMに対する中村ホールデン梨華さんや一部のフェミニストたちの批判だったのは既報の通り。SNS上で「男性のシンボルを連想させる描写がある」といった指摘が出され、CMを問題視する声が拡散した。この動きに対し、東洋水産は一切コメントを発表せず、沈黙を貫いた。

その結果、批判の声とは裏腹に、多くのユーザーが東洋水産を支持する流れが生まれた。企業アカウントの投稿には、東洋水産の対応を「無視が最善の対応」と評価する意見や、「炎上を意に介さないのが正しい」とする声が多数寄せられた。結果として東洋水産のフォロワー数は増加し、一部のコンビニでは「赤いきつね」が品薄状態となるほどの人気を見せた。さらには、株価の上昇も確認され、企業にとっては予想外のプラスの影響をもたらした。

 

タニタをはじめとする企業のフォロー、藤井セイラの発言で騒動拡大

そんな中、健康機器メーカーのタニタが東洋水産の公式アカウントをフォローしたことで、新たな炎上が発生した。タニタの公式アカウントは「恐がることはないんだよ。友だちになろう」と投稿し、東洋水産との交流をアピールした。

しかし、この動きに対し、過剰なフェミニストの間では「タニタは女性消費者の信頼を損ねる」との批判が噴出。編集者でエッセイストとして著名な藤井セイラ氏もSNS上で「タニタさん、いまなら引き返せますから、何もいわずにポストを削除して東洋水産さんをそっとアンフォローしたほうが絶対にいい」と投稿し、物議を醸した。

さらに、サッポロビールやアース製薬、フジッコなどの企業も東洋水産をフォローしていたことが明らかになると、フェミニストたちの不買運動の対象が拡大。「タニタとサッポロとアース製薬とフジッコね。OK買わない。この内輪ノリキモいの気付かないんだなぁ」といった投稿が見られた。

この発言に対しては、「企業のフォローにまで圧力をかけるのは異常だ」とする意見や、「タニタや他の企業が誰をフォローしようと自由」といった反論が相次いだ。さらに、共産党婦人会員のアカウントが「東洋水産のフォロー解除しないとどうなるかわかっているだろうな」とタニタに対して圧力をかけるような投稿をしたことが明らかになり、事態はさらに過熱した。

 

広報の視点:企業の対応は適切だったのか

一方で、この事態を憂慮する声もある。広報の経験を持つユーザーの「ににに」氏は、「今回の東洋水産、タニタ、サッポロの件を見て、広報をやってきた身として胸が痛む。企業は、全ての関係者と信頼を築くべきで、誰かがマイナスな感情を抱く出来事を茶化すべきではない。初動は無視で正解だったのかもしれないけど、この件に追随する動きが本当に悲しい」と投稿。企業のSNS対応に対する批判も少なくない。

企業のSNS戦略がどのような影響を与えるのか、企業広報の観点からも議論が続いている。しかし、近年の傾向として、フェミニズムに関連する発言が過剰な批判を招きやすく、健全な議論の応酬ではなく、一部では過剰なアレルギー反応のような議論が展開されることが指摘されている。フェミニスト批判やミソジニー批判など理性的な対話が成り立たず、感情的な反発がエスカレートすることで、問題の本質が見失われるケースも増えている。

 

フェミニストにとって2025年はつらい時代

トランプ大統領の再登場により、フェミニズムやDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)、LGBTQなどの社会運動をめぐる風潮は大きな転換期を迎えた。これまで、多くの企業は社会的な圧力に配慮し、慎重な発信を求められてきたが、その「物を言えない空気」は急速に解消されつつある。

フェミニストが声を上げるたびに、まるでゼンマイ仕掛けのチョロQのゼンマイがまかれるように、反転するエネルギーは溜まり、社会の反発が強まっている。日本においても、この現象は顕著であり、以前は真剣に耳を傾けられていたフェミニストの意見が、過激でヒステリックなものと見なされることが増えている。「企業の姿勢に耐えられないのではなく、むしろフェミニズムの主張こそ耐え難い」と感じる人が増えているのだ。

皮肉なことに、フェミニストが主張を重ねるほど、それが社会の逆流を生み、振り子を反対方向へと大きく振らせる要因になっている。この状況が続けば、彼彼女ら自身の影響力が低下し、残り少ない社会的支持を完全に失う可能性すらある。

結果として、フェミニストが何かに対して我慢ならず声を上げるたびに、それを受け取る一般の人々の耐性が薄れ、彼らの言葉がますます届かなくなるという矛盾が生じている。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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