兵庫県知事の斎藤元彦氏(47)が再選した昨年11月の知事選挙を巡り、公職選挙法違反の疑いが新たに浮上している。再選からわずか3日後、斎藤氏の選挙陣営と深い関わりを持つPR会社「merchu(メルチュ)」代表の折田楓氏(33)がSNS運用に関する投稿をnoteに公開したことが発端だ。
斎藤氏はこれまで「SNS運用は本人と陣営が主体的に行った」と主張していたが、決定的なLINEのやり取りが「週刊文春」によって報じられた。
【選挙戦の舞台裏】公職選挙法違反の疑惑、折田氏の投稿が波紋を呼ぶ
昨年11月、兵庫県知事選で不信任を突き付けられ失職した斎藤氏が再選を果たした。選挙戦ではSNS戦略が重要な要素となり、斎藤氏の再選に貢献したとみられている。しかし、選挙直後に折田氏が「斎藤陣営で広報全般を任された」とnoteに投稿すると、公職選挙法違反の可能性が指摘され、現在は刑事告発されている。
斎藤氏は折田氏の主張を「誇張だ」と否定し、SNS運用は斎藤本人と陣営が主体的に行ったと説明してきた。しかし「週刊文春」が入手したLINEのやり取りには、これを覆す重要な内容が記されていた。
【LINE証拠流出】決定的なやり取りが暴露――斎藤氏の説明に矛盾
「週刊文春」が公開したLINEのメッセージは、2024年10月6日に斎藤陣営の広報担当者と神戸市議との間で交わされたものだ。メッセージには次のように記されていた。
「Sns監修はメルチュさんにお願いする形になりました」(原文ママ)
このメッセージは、斎藤氏が選挙告示に先立ち、SNS戦略をPR会社に依頼していたことを示すものであり、斎藤氏の従来の主張を覆す証拠といえる。
【詳報は週刊文春】LINEメッセージの背景を追う
今回のLINEメッセージを送信したとされる広報担当者K氏がどういった人物なのか、また代理人弁護士による口止め疑惑、県警と神戸地検の捜査状況については、1月15日配信の「週刊文春 電子版」および16日発売の紙面で詳報される予定だ。これらの背景を含めた詳細なレポートをぜひ確認してほしい。
週刊文春の報道はこちらから
https://bunshun.jp/denshiban/articles/b10480
【merchuのいま】社員数減少、働き方の変化が示すもの
今回の疑惑の中心にいるPR会社「merchu(メルチュ)」は、いま開店休業状態と聞く。
兵庫県神戸市に本社を構える広報・PRコンサルティング会社として、過去に総務省の「テレワーク導入企業」として紹介された際には社員数14名とされていたが、最新の厚生年金・健康保険適用事業所検索システムによると現在の被保険者数は4名に減少している。
この減少は、単に社員数が問題を機に減ったのか、あるいはmerchuが業務委託を中心とした働き方の会社で、同社が公表していた「社員数14名」という数字には、正社員以外の業務委託スタッフが含まれていた可能性も高い。
merchuはこれまで、地方自治体のデジタルマーケティング支援や地域活性化プロジェクトに携わり、神戸市の公式Instagramアカウントの運用支援なども行ってきた。しかし、公式サイトの一部が現在閲覧できなくなっているなど、この齋藤県知事問題が落ち着かない限り、事業運営ができない状態にあることは容易に想像がつく。
ただ、まだまだこの問題は尾を引きこうではある。