
防災を手掛ける神防社が、県産木材を九割以上使った新社屋を公開した。都市の投資を地方の森へと温かく還す、スマートで心地よい挑戦を覗いてみよう。
森のぬくもりを仕事場へ運ぶ新社屋の試み
消防や防災の設備を手掛ける神防社が、兵庫県の木材をふんだんに取り入れた新しい拠点を作り上げた。
建物に使われた木材の大部分は地元のものであり、遠くから運ぶときに発生してしまう二酸化炭素の排出をしっかり抑えている。
ただきれいで便利なオフィスを作るのではなく、地域の自然や林業の未来をまっすぐに見つめた、深みのある空間づくりが広がっている。
都市の元気を地方の山へと巡らせる独自の工夫

ふだんのビジネスでは効率が一番大切にされがちだけれど、同社はあえてご近所のサプライチェーンを丁寧に選び取った。神戸という街の投資を丹波の林業へとダイレクトに手渡すことで、木を切り出す人や育てる人の仕事を守っている。
木を切って、使って、また新しい木を育てるという、美しい輪っかを自分たちのオフィス建設から始めてしまう発想の軽やかさがとてもユニークだ。
安全を守る企業だからこそ大切にしたい自然へのまなざし
多くのスタッフが大きな震災の記憶を胸に抱く同社にとって、生命や暮らしを守ることは企業としての原点だ。だからこそ、地球の環境や社会の健康に対しても自然体で真摯に向き合う姿勢が貫かれている。
木の中に二酸化炭素をしっかりと閉じ込めながら、働く人たちの心や体も優しくほぐしてくれるような木質化オフィスは、会社の思いがそのまま形になったものと言える。
この会社から学べる事
神防社のオフィスづくりを眺めていると、ビジネスと地域社会がもっと楽しく手を取り合えることに気づかされる。自分たちの活動がまわりの自然や誰かの仕事へと心地よくつながっていく仕組みを描くことで、会社も地域も一緒に元気になっていく。
毎日の仕事の中に少しだけ温かい工夫を散りばめてみるそんな姿勢こそ、私たち大人が日々の暮らしや働き方の中で大切にしていきたいヒントなのだろう。



