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有限会社近藤石材店

https://www.kondo-sekizaiten.co.jp

千葉県八千代市佐山1837-1

「100年残る石製品を」近藤石材店が、建て替えより先に「直す」を提案する理由

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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近藤石材店 イメージ
提供:近藤石材店

新しく建てたほうが段取りは楽で、金額も大きい。それでも近藤石材店は、まだ使える墓石なら建て替えより先に「直して使う」提案をする。東日本大震災や、父の代に建てたお墓を自ら直す経験を重ねる中で意識するようになったのは、建てた瞬間ではなく、十年後、二十年後まで見据えることだった。墓じまいが増える中、石を残す工夫や自社工場での加工を通じて、一基のお墓と長く向き合う仕事を続けている。

 

建て替えより先に、「直して使う」を提案する

千葉県八千代市で大正14年から続く近藤石材店は、現在「お墓リフォームの専門家」を名乗っている。もともとは新しいお墓を建てる仕事が中心だったが、時代に合わせ、すでに建っているお墓を直す仕事へ軸足を移してきた。新しい墓石の建立も引き受けているものの、傷みや汚れが出たからといって、すぐに建て替えを勧めるわけではない。

石は百年でも持つ材料であり、何十年か経てば小さな傷や汚れが出ても、それだけで使えなくなるわけではない。まだ使えるものは使う。そのため、まずは直して使い続ける方法を考える。

修理のほうが仕事として簡単なわけではない。一基ごとに傷み方が異なり、現場ごとに考えながら手を動かす必要がある。新しく建てるほうが段取りは組みやすく、金額も大きくなるという。それでも修理を先に提案するのは、そのほうがお客様の家に長く残るからだ。

掲げる言葉は「100年残る石製品を」。お墓は建てた日で仕事が終わるものではなく、その後何十年も家族が手を合わせに来る場所だと捉えている。見積もりでも、なぜその金額になるのかを一つずつ説明し、安く見せるために内訳を曖昧にしたり、できないことをできると言ったりはしない。

東日本大震災で見えた、建てた後の違い

「渡して終わりの仕事ではない」と強く意識するきっかけの一つになったのが、東日本大震災だった。地元の墓地でも多くのお墓が倒れ、しばらく修理の依頼が続いた。同じ墓地の中でも、倒れたお墓と、びくともしないお墓があったという。違いとして目に入ったのは、建てたときの見た目ではなく、どう据えてあるかだった。

何年も経った現場に呼ばれ、草むしりから始まるお参りを何度も見てきた経験も重なった。そこで重視するようになったのが、建立時の見栄えだけではなく、十年後、二十年後に手がかからず、きれいな状態を保てるかどうかだ。

父の代に建てたお墓を、今度は自分が直しに行く立場になったことも大きい。何十年か経った現場で石や施工を見れば、どのように造ってあれば長持ちしたのかが分かる。よく考えられていると感じる場所もあれば、「なぜこうしたのか」と思う場所もある。こうした経験から、「100年残る石製品を」という言葉が生まれた。

墓じまいで、すべてをなくさないために

 

今は墓じまいの相談も多い。近藤石材店は墓じまい自体を否定しているわけではなく、必要な人には必要な選択だと考えている。一方で、自分たちが関わったお客様については、管理の負担を理由に墓じまいを選ぶケースを少しでも減らせないかと考えている。

相談でよく聞くのは、「子供たちに迷惑をかけたくない」「もう管理しきれない」という声だ。お墓をなくせば管理は不要になるが、ご先祖様を感じられる場所もなくなる。そこで、管理しやすい形に直すことで、お墓を続けられる場合には、その選択肢も提案している。

それでも墓じまいをする場合、撤去した石を一本だけ残し、小さく加工し直して手元に置いてもらう取り組みを始めた。全部を捨てるのではなく、一つだけ形を変えて残す。卒業したランドセルを財布に作り替えるような発想だという。

この加工を自分たちで行えるのは、自社工場があるからだ。撤去した石を工場へ運び、職人が削り直すため、外注の費用や待ち時間がかからない。工場を持たない石屋では引き受けにくい仕事でもある。

墓じまいの工事では、父や祖父の代に自社が建てたお墓を、自分の手で壊すこともある。仕事として引き受けた以上、きちんと施工する一方、割った石を積んで帰る道中は、毎回「なんとも言えない気分」になるという。その感覚も、石を別の形で残す取り組みにつながっている。

悲しみの中で受け取る「ありがとう」

 

石材店がお客様と会うのは、多くの場合、家族が亡くなった直後だ。悲しみの深い時期に、これからのことを一緒に考える。仕事を始めたころは、どう声をかければよいのか分からず、必要なこと以外は黙っていた。今も正解は分からないという。

それでも工事が終わると、「ありがとう」と声をかけてもらう。その言葉を受け取る瞬間が、この仕事で最もうれしいという。また、リフォーム後には「きれいになったね」「広くなったね」と言われることも多い。実際には場所も大きさも同じで、手入れの負担を減らすために、以前より小さく建て直していることさえある。それでも「広くなった」と感じてもらえる。

後日、同じ内容をGoogleの口コミに書く人もいる。2026年8月時点で口コミは116件、評価は星4.9。近藤石材店が重く見ているのは件数や星の数そのものより、一件ずつ言葉が残されていることだ。何年か後に、今度は親族の代から相談が来ることもある。代をまたいで声をかけてもらえることを、この土地で続けてきたことへの答えだと考えている。

五年後も十年後も、この土地で商いを続ける

 

近藤石材店が第一の目標に挙げるのは、五年後も十年後も、この土地で変わらず商いを続けていることだ。石屋が必要になるのは、身近な人が亡くなったとき。いざというときに以前頼んだ石屋がなくなっていれば、お客様は一から探し直さなければならない。だからこそ、「残ること自体がお客様への責任」だと考えている。

石材業は縮小していく業界で、同業者が店をたたむ話も珍しくないという。六人で営む近藤石材店は、安く請けて数をこなす戦い方を選ばない。安く請けて手を抜けば、五年、十年でまた直すことになり、お客様の出費は結果的に増えるという考えがある。

高いと言われることがあっても、なぜその工事が必要で、その金額になるのかを最後まで説明する。それで他社に決まることもあるが、このやり方を変えるつもりはない。安さで選ばれる店にはならない。必要な工事を必要な形で行い、その理由を説明するやり方を続けていく考えだ。

自社工場で職人が石を加工できる体制も守っていく考えだ。撤去した石を加工し直す仕事は、若い職人が技術を身につける場にもなる。建てて終わりではなく、その後何十年も手入れに付き合う。そんな関係が当たり前になった地域をつくることを目指している。

目の前のお墓を一基きれいに直せば、その家族はお参りのたびの草むしりから解放される。掃除に使っていた時間が、手を合わせる時間に変わる。近藤石材店が積み重ねようとしているのは、その一基ずつの仕事である。

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ライター:

株式会社Saccoマネージャー、株式会社Blockchain Tech Farm 代表取締役。営業や多岐にわたる事業での経営経験を経て、2014年にブロックチェーン分野へ参入。2017年に株式会社Blockchain Tech Farmを設立し、非金融領域でのブロックチェーン活用を推進。多くの企業との縁から、現在は株式会社Saccoのマネージャー、ライターとしても活動している。

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