
4トントラックの運転手が死亡、同乗者が重体で、搬送は5人。
上りは午前8時15分頃から通行止めになり、バスのトイレに列ができ、風の塔へ階段を登る人も出た。
下りは12時15分に再開したが、上りの滞留は続いた。
朝7時、トンネル内で4台が重なった
通報は午前6時55分頃、「車両複数台の事故」という内容だった。
現場は片側2車線のアクアトンネル内で、トレーラーやトラック計4台の玉突きと発表されている。
前から3台目の4トントラックに乗っていた2人が心肺停止で搬送され、運転手が死亡した。
ほかにも負傷者がおり、搬送は合わせて5人だった。
場所は川崎浮島ジャンクションに近い上り線。
千葉から東京方面へ向かう車が、トンネルに入った直後に止まった計算になる。
警察は原因と身元を調べており、現時点で追突の詳細は公表されていない。
トンネル内の人身事故は、車両の移動だけでなく現場検証と排煙設備の確認が必要になり、通行止めが長引く。
今回もその型だった。
出口も路肩もない場所で、車が止まった
東京湾アクアラインは全長約15.1キロ。川崎側の約9.5キロが海底トンネル、千葉側が海上橋で、中間に海ほたるパーキングエリアがある。
事故がトンネル内で起きると、前後を車に挟まれ、次のインターまで降りられない。
重大事故では海ほたるでのUターンも規制されやすく、引き返しも進むこともできない区間が生まれる。
NEXCO東日本は午前8時15分頃から、木更津金田インターチェンジから川崎浮島ジャンクションの上り線などを通行止めにした。
11時15分時点でも解除の目途は立っていなかった。
下り線は滞留車の誘導のため一時止められ、12時15分に解除された。上りは昼過ぎに滞留車両の移動が始まった段階で、完全な再開は遅れた。
直線に近い道でも、閉鎖空間に入ったあとの事故は、時間の長さが被害になる。
トイレに迷走する列と、風の塔の60メートル
現場に近い投稿は、立ち往生した車の中でトイレを探す様子を伝えていた。
トイレ付き高速バスに長蛇の列ができ、風の塔の地上階へ60メートル級の階段を登る人もいた、という内容である。
報道では、海ほたるまで行って折り返し、千葉経由で東京駅へ向かうバス利用者の声も出ている。
高速バスの車内トイレは一般に真空式が多く、汚物タンクは車種によりおおむね50から100リットル、使用回数の目安は30から100回程度とされる。
自車の乗客を想定した設備で、渋滞中の外部ドライバーまで受け止める前提ではない。
NEXCOは上り5.0キロポスト付近と9.8キロポスト付近にトイレカーを2台置き、飲料水、携帯トイレ、軽食、防災用アルミシートを配布した。
届いていない車にはしばらく待つよう案内が出ている。
設備は動いたが、列ができるまでの空白が現場の不安になった。
9時間、10時間。過去も同じ型で止まってきた
同じ場所で、似た止まり方は繰り返されている。
2024年8月28日、上りトンネルの川崎側1.4キロポスト付近で乗用車とトラックなど3台が絡み、火災と1人死亡が起きた。
上りは約9時間20分止まり、トイレカーと軽食、水、簡易トイレが配られ、風の塔下のゲートから下り線へ車両を逃がした。
2025年11月26日は車とバイクなど6台の事故で、上りが約11時間止まった。
2026年9月2日はバイクが大型トラックに追突して炎上し、1人死亡、上りが約10時間止まった。
トンネル内の人身事故や火災は、物損より復旧が長い。
検証、排煙、舗装や設備の確認、車両移動が重なる。
NEXCOの対応は、トイレカー、物資、段階的な誘導という型に固まっている。
今回もその流れだったが例外ではなく、構造が同じだから起きる遅れである。
避難通路はある。それでも長時間、車内にいる
アクアトンネルの床下には、本線と並行する緊急避難通路がある。
火災や事故で車道を歩けないとき、一定間隔の入口から降り、反対方向や風の塔、坑口側へ退避する。
非常電話は車道上でおおむね150メートルごと、通路内でおおむね300メートルごとだ。
風の塔は換気と排煙の拠点でもあり、2024年の事故では脱出のゲートになった。
ただし通路は、煙や炎から離れるための設備である。
今回のように衝突後の検証で本線が止まり、前後を車に塞がれた状態では、多くの人は車内に残る。
エンジンを切れば換気の音だけが残り、トイレと水が先に足りなくなる。
避難設備があることと、滞留の時間が短いことは別だ。
アクアラインに入る前に交通情報を確認し、簡易トイレと水を車に置いておくことは、過去の止まり方を見ると過剰な備えではない。



