
「ストレスから衝動的にしてしまった」──広島市立小学校の元教諭・中島健夫被告(39)は6月22日、法廷でそう語った。約1年9カ月にわたり34人の女子児童にわいせつ行為を繰り返し、その様子を撮影・記録した罪で検察は懲役13年を求刑。SNSでは「軽すぎる」「40代で出所させてはならない」という声が広がっている。
1年9カ月で34人──学校で繰り返された性犯罪
中島健夫被告は広島市立小学校の教諭として勤務していた時期、在籍する女子児童に対してわいせつな行為を加え、その様子を撮影し児童ポルノを製造したとして不同意わいせつなどの罪に問われている。
検察の論告によれば、犯行期間は約1年9カ月にわたり、被害を受けた女子児童は34人に上る。年齢は当時9歳から12歳。担任や授業担当者という信頼関係を逆手に取り、教室内で繰り返された犯行は「教師という立場を利用した常習的で卑劣な行為」と検察は断じた。
盗撮した画像は大容量記憶媒体に保存されており、被告の法廷陳述によれば「フォルダ名は児童の名前や自分の興奮をかきたてるような卑わいな言葉を使っていた」という。計画性と常習性を示す証拠として、量刑の判断にも影響するとみられる。
「ストレスで衝動的に」──被告陳述と弁護側の主張
6月22日、広島地裁での被告人質問で中島被告は「ストレスから衝動的にしてしまった。自分の欲求で、頭がいっぱいで子どものことを考えられませんでした」と述べた。最終陳述では「大切な場所である学校、大切な子どもの成長と心を傷つけてしまったことは、本当に申し訳ありませんでした」と述べ、法廷で土下座した。
弁護側は「被告は反省していて、自身の性欲を抑制するための治療をおこなう予定」として寛大な処分を求め、裁判は結審した。一方で検察側は「性欲を満たすためだけの常習的な犯行」と厳しく指摘しており、両者の評価は真っ向から対立している。判決は8月19日に広島地裁で言い渡される予定だ。
「13年でも40代で出所」──求刑への怒りとSNSの声
求刑13年という内容に対し、SNS上では批判が噴出した。”民族漫画家”の清水ともみ氏はXで「何が寛大な処置だ。再犯必ずする。」と投稿。
また「約1年9か月にわたり被害児童は34人」というRCCニュースの報道は広島県内でアクセスランキング上位に入り、事件への関心の高さを伺わせた。
日本の刑事司法では満期服役まで収容されるケースは少なく、仮釈放制度が機能した場合、13年求刑でも実際の服役期間はその6割前後になることが多い。中島容疑者が30代後半で起訴されたことを踏まえると、40代前半での出所も現実的なシナリオといえる。「性欲抑制の治療を受ける」という弁護側の主張が処遇に反映されたとしても、再犯リスクの管理が実際に機能するかどうかは別問題だ。
教員による性犯罪──「聖域」に潜み続ける加害者
「先生」という肩書きは、日本社会においていまだに強力な信頼の証だ。保護者が子どもを預け、子どもは逆らえない。この権力の非対称性こそが、教諭による性犯罪を可能にし、かつ長期化させる構造的な温床となっている。
2025年以降も全国各地で教諭・教員によるわいせつ事件が続発しており、文部科学省は性犯罪歴のある人物の教員免許再取得を禁じる「日本版DBS(データベース・サービス)」の整備を進めてきた。しかし、免許失効後の再就職や非常勤・塾講師としての継続的な子どもへの接触を完全に遮断する仕組みはいまだ不完全だ。中島被告が出所したとき、同様の事件を繰り返さないための制度的な防波堤は果たして整っているか。



