
長年クリエイターを苦しめてきたパクツイ問題への対応として注目されるが、現場の不満は根強い。
無断転載対策の詳細と限界
Xプロダクト責任者ニキータ・ビア氏は、最近1カ月間で大規模アカウントが小規模クリエイターのコンテンツを無断再アップロードし、クレジット表記を避けて収益を独占する事例を確認したと明かした。
新対策では対象投稿の閲覧回数をオリジナル作者に全振りする。引用や動画共有機能の活用を推奨しているが、判定精度の低さが既に指摘されている。
転載側のアカウントは収益を大幅に減額され、過去にはまとめアカウントへの支払いを60パーセント、さらに20パーセント削減する措置も取られた。
しかし、人工知能を活用した巧妙な転載が増加しており、完全な抑止には至っていないとの声がクリエイターから上がる。結果として「やっと対策したものの、後手後手すぎる」との批判が広がっている。
クリエイター収益分配プログラムの仕組み
Xの収益分配は現在、X Premiumユーザーからの反応を中心に計算される。
参加資格はPremium加入、過去3カ月で500万閲覧回数以上、認証済みフォロワー500人以上などハードルが高い。
支払いは2週間ごとで最低30ドルから、オンライン決済サービスを通じて行われる。
計算の主眼はホーム画面での認証ユーザー閲覧回数に置かれ、広告表示自体は直接関係ない。
オリジナルコンテンツを重視する方向にシフトしたが、質より量を優先する運用が横行しやすい構造は変わっていない。
実際、多くのクリエイターが「努力が報われない」「転載屋に食われる」と嘆く状況が続いている。
インプレゾンビの横行がもたらす弊害
無断転載対策と並行して深刻なのがインプレゾンビ問題だ。意味のない定型文返信(「いいね」「了解」など)を大量に連投し、閲覧回数を稼ぐアカウント群がリプライ欄を埋め尽くす。
人工知能生成の低品質投稿が急増し、日本ユーザーからは「リプ欄を見なくなった」「議論が成り立たない」との不満が爆発している。
2026年3月には国内閲覧を重視する対策が発表されたが、反対意見殺到で即時延期。
地域や言語による重み付けの試みは頓挫し、ゾンビ対策の遅れを露呈した。クリエイターは「パクツイより先にゾンビを何とかしてほしい」との優先順位を訴えているが、運営の対応は依然として不十分だ。
クリエイターの怒りと現場の声
オリジナル作者の間では長年の蓄積された怒りが顕在化している。
「自分の努力が他人の収益になるなんて理不尽」「拾い画文化が蔓延し、新規参入者が育たない」との声がX上で溢れる。
対策発表後も「判定ミスで本物のクリエイターが被害を受けるのでは」「まだインプレゾンビが減らない」との批判が続く。一方で転載依存のアカウントは打撃を受け、「引用を使えと言われても反応が落ちる」と反発。
プラットフォーム全体の信頼性低下を招いている実態が浮き彫りになった。
今後の課題とクリエイターへの提言
Xは「オリジナル保護」を掲げるが、技術的限界とユーザー体験の悪化が同時に進行している。
広告収益モデル自体がPremiumユーザー反応依存のため、低品質投稿を助長しやすい構造的問題も残る。
クリエイターは独自の見解を加えた引用投稿を心がけ、返信制限やスパム報告を活用するしかない状況だ。
今回の対策が本物の改善につながるかは未知数。クリエイターの声に耳を傾け、抜本的なアルゴリズム見直しを急がない限り、Xは「拾い画とゾンビの温床」という悪評から脱却できないだろう。



