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田川市・村上卓哉市長、性交渉もセクハラ認定 第三者委が指摘した「断れない関係」

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村上卓哉
村上 たくや市長 公式インスタグラムより

福岡県田川市の 村上卓哉市長をめぐるセクハラ問題で、第三者委員会は18日、市長と女性職員との性交渉を含む一連の行為について「セクシュアルハラスメントに該当する」と認定した。市長側はこれまで「不倫関係だった」と説明してきたが、報告書が重視したのは恋愛感情の有無ではなく、「自由に拒否できる関係だったのか」という点だった。

地方自治体のトップと秘書という立場の差。その構図の中で何が起きていたのか。“強いられた同意”という言葉が突きつけた問題を追った。

 

 

「セクハラに該当する」 第三者委が認定した4つの行為

18日午前。福岡県田川市議会では、第三者委員会の調査報告書提出を受け、重苦しい空気が漂っていた。

報告書は、 村上卓哉 と、秘書業務を担当していた50代の女性職員との間で起きた行為について、「セクシュアルハラスメントに該当すると判断せざるを得ない」と結論づけた。

認定されたのは、

  • 懇親会後、公用車内で手を握った行為
  • カラオケ店内でのキスなどの接触
  • 初回の性交渉
  • 継続的な性交渉

の4点だ。

特に今回、大きな波紋を広げているのは、第三者委が性交渉そのものについても「任意の同意は認め難い」と判断した点だった。

双方とも、行為自体の事実関係には大きな争いはない。しかし問題となったのは、それが本当に「自由意思による関係」だったのかどうかだった。

市長側はこれまで、一連の関係について「不倫だった」と説明してきた。一方、女性側は「強いられた同意」によるセクハラだったと訴えていた。

第三者委は、女性側の主張を重く見た形になる。

 

「一度だけ関係を持たせてくれ」 繰り返された説得

報告書によると、女性は当初から、市長との関係に強い抵抗感を示していた。

妻子のある相手と交際することへの拒否感もあり、明確に断る意思も示していたという。

それでも市長側は、電話やLINEなどで繰り返し接触を図り、関係を求め続けていたとされる。

さらに、市長は女性に対し、

「一度関係を持ったら離婚するまで我慢できる。一度だけ関係を持たせてくれ」

という趣旨の説得を行っていたという。

第三者委は、このやり取りに注目した。

女性が、「一度応じれば終わるかもしれない」と考えたという供述についても、「理解できる心情」と認定している。

報告書の中で繰り返し強調されたのは、市長と秘書という「圧倒的な力の差がある関係性」だった。

自治体のトップである市長は、人事や職場環境にも大きな影響力を持つ存在だ。その相手から繰り返し関係を求められた場合、本当に自由に拒否できるのか。第三者委は、その点を重く見た。

 

1年関係が続いても、女性は最後まで「市長」と呼んでいた

第三者委が注目したのは、性交渉の有無だけではなかった。

報告書では、女性が関係継続中も一貫して市長を「市長」と呼んでいた点についても触れられている。

第三者委は、こうした距離感からも、「対等な個人間の恋愛関係とは認めることができない」と判断した。

一般的に、不倫問題では「双方に合意があったのではないか」という議論になりやすい。しかし今回、第三者委が踏み込んだのは、「同意」の意味そのものだった。

近年、ハラスメント問題で重視される「強いられた同意」とは、暴力や脅迫がなくても、立場や権力差によって拒否が難しくなる状態を指す。

相手が明確に抵抗していないように見えても、それが本当に自由意思だったとは限らない。

今回、第三者委は精神科医への聴取結果も踏まえ、「一度関係を持ってしまうと、その後に拒絶することは容易ではない」と指摘している。

その上で、一連の行為について「任意の同意は認め難い」と結論づけた。

 

問われたのは“恋愛”ではなく、“権力”だった

この問題をめぐっては、ネット上でも意見が分かれている。

「不倫とセクハラの境界は難しい」
「双方に感情があったのではないか」
「後からハラスメントとされるのは怖い」

という声がある一方で、

「市長と秘書では対等ではない」
「拒否を続けていた時点で恋愛とは言えない」
「立場を利用した関係だった」

という指摘も相次いでいる。

ただ、今回の第三者委報告書が重視したのは、「恋愛だったかどうか」という感情論ではなかった。

問題視されたのは、「相手が本当に自由に断れる状況だったのか」という点だった。

特に地方自治体では、首長権限は極めて大きい。

人事、異動、評価、職場環境。職員にとって、市長は単なる上司ではなく、組織の頂点に立つ存在だ。

しかも今回は、女性が秘書業務を担当していた。日常的に市長と近い距離で働く中で、拒絶の意思を示し続けることは容易ではなかったとみられる。

第三者委は報告書の中で、

「優位な立場にある者は、自らの力が強大であることを自覚し、相手が抵抗や拒否などの真意を表明することは基本的に難しいと理解すべきだ」

と指摘した。

これは今回の問題の核心部分でもある。

 

「組織全体のガバナンスの問題」 市政への影響は避けられない情勢に

第三者委は今回の問題について、「市長をはじめとした組織全体におけるガバナンスの問題」とも指摘している。

つまり、問われているのは市長個人の問題だけではない。

職員が安心して相談できる環境は整っていたのか。ハラスメントを防ぐ仕組みは機能していたのか。市長権限をチェックする体制は十分だったのか。

地方自治体では、首長の権限が強い一方で、内部から異議を唱えにくい構造が指摘されることもある。

今回の問題は、そうした組織の課題も浮かび上がらせた。

市議会はこれまで、問責決議案は可決したものの、不信任案については2度否決している。

しかし、第三者委が性交渉そのものまでセクハラ認定したことで、市長側の「不倫だった」という説明は大きく揺らいでいる。

市長は「報告書を精査した上で今後の対応を示したい」としているが、市政への影響は避けられない情勢となっている。

そして今回の問題は、一つの問いを社会に突きつけている。

「同意」とは何か。
立場の弱い側は、本当に自由に「NO」と言えるのか。
権力を持つ側は、相手の沈黙をどこまで“同意”として受け止めていいのか。

田川市で起きた問題は、単なる地方政治のスキャンダルではなく、日本社会に残る“断れない構造”そのものを映し出している。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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