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JFA田嶋幸三氏がFIFA会長選に出馬 岡田武史氏辞任、宮本恒靖会長の判断…日本サッカー界に何が起きた?

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FIFA会長選
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日本サッカー界が世界のサッカーを統括するFIFA(国際サッカー連盟)に異議を突き付けた。11月5日、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三名誉会長が、2027年3月のFIFA会長選への出馬を表明した。発端は2026年ワールドカップで起きた米国代表選手への異例の処分と、FIFAの運営をめぐる問題だ。10月には元日本代表監督の岡田武史氏がJFA副会長を辞任。宮本恒靖会長も国際組織との関係で難しい判断を迫られてきた。なぜ日本人初のFIFA会長候補が誕生することになったのか。その背景には、世界のサッカー界を揺るがす公平性への疑問がある。

 

米国代表選手への異例の処分 FIFAの公平性に疑問

騒動の発端は2026年7月1日、北中米ワールドカップの決勝トーナメント1回戦で起きた出来事だった。米国代表FWフォラリン・バログン選手がボスニア・ヘルツェゴビナ戦でレッドカードを受けて退場。通常なら次の試合は出場停止となるが、FIFAは処分に執行猶予を認めた。さらに、ドナルド・トランプ米大統領がFIFAのジャンニ・インファンティノ会長に電話し、処分の見直しを求めていたことが判明。開催国の大統領による働きかけが、競技上の処分に影響したのではないかと批判が広がった。

大会後にもFIFAの運営をめぐる問題が浮上した。ワールドカップなどの商業活動を管理する新会社「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」の設立計画が、水面下で進められていたことが明らかになったのだ。FIFA理事を務める田嶋幸三氏らが反発し、インファンティノ会長は計画を撤回した。選手への処分と巨額の収益を生む事業運営。性質の異なる2つの問題が、FIFAの意思決定に対する不信感を強めた。

 

岡田武史氏がJFA副会長を辞任 譲れなかったスポーツの公平性

こうした状況のなか、10月24日にJFA副会長を辞任したのが岡田武史氏だった。1998年と2010年のワールドカップで日本代表を率いた元監督で、国内外のサッカー界で豊富な経験を持つ人物だ。10月28日にJFAが公表したコメントで、岡田氏はワールドカップをめぐる一連の対応が、自身の信条と大きく隔たっていたことを明かした。岡田氏が重視してきたのは、スポーツの高潔性。国の政治力や経済的な利害に左右されず、公平なルールのもとで競技が行われるという原則だ。

一方、JFAには国際組織との協調を維持する役割もある。10月23日、東京都内で開かれたアジアサッカー連盟(AFC)の臨時総会では、サルマン会長が、インファンティノ会長の再選を支持すると表明した。AFCは日本を含むアジア各国・地域のサッカー協会を束ねる組織だ。JFAの宮本恒靖会長も、AFCと足並みをそろえることが基本的な立場だと説明していた。岡田氏は国際関係を考慮する協会の判断にも理解を示しながら、役職を退くことを選んだ。

 

宮本恒靖会長はAFCとの協調を重視 

岡田氏の辞任から約2週間後の11月5日、JFAは田嶋幸三氏のFIFA会長選出馬を満場一致で支持することを決議した。同日の会見で宮本恒靖会長は、インファンティノ会長への支持を明確に表明していたわけではないと説明。岡田氏との関係についても「喧嘩別れでも何でもない」と強調した。岡田氏からは協会の外から宮本会長を支えるという言葉をかけられたという。

10月にAFCとの協調を重視していたJFAが、11月には現職会長への対抗馬を推薦した。ここには、国際的な関係を維持することと、FIFAの運営に対して意思を示すことを両立させようとする協会の判断がある。サルマン会長がインファンティノ会長支持を表明するなか、田嶋氏が選挙に挑むことで、アジアの加盟協会も改めて判断を迫られる。今後は日本以外のアジア諸国が田嶋氏を支持するかどうかも注目される。

 

田嶋幸三氏はなぜFIFA会長に挑むのか 

田嶋幸三氏は2016年から8年間JFA会長を務め、2015年からFIFA理事として国際サッカー界の運営にも携わってきた。11月5日の会見では、FIFAが自ら問題を正す力を持っているのか疑問を示し、公平で健全な組織に戻す必要性を訴えた。日刊スポーツによると、田嶋氏は出馬を決断したのが前週だったと説明。インファンティノ会長に対抗する動きが十分に見えず、現職がそのまま再任されることへの危機感が決断につながったという。

ただし、現職会長への挑戦は容易ではない。インファンティノ会長は2016年からFIFAを率い、各大陸のサッカー連盟との関係を築いてきた。今回の会長選には、元スイス代表DFのラモン・ヴェガ氏も立候補の意向を示している。田嶋氏はまず、11月18日の期限までに日本を含む5つ以上のFIFA加盟協会から推薦を集めなければならない。11月5日時点で必要な推薦を確保する見通しがあると述べているが、正式な立候補には手続きが必要だ。選挙は2027年3月17日、モロッコで開催されるFIFA総会で行われ、211の加盟協会がそれぞれ1票を投じる。

 

日本人初のFIFA会長は誕生するか 

田嶋氏は会見で、勝敗以上に日本サッカーが築いてきた誠実さや高潔性を世界に発信することが重要だと語った。現職会長への対抗という点では、FIFAの運営をめぐる不満を具体的な選挙につなげる意味がある。米国代表選手への処分や商業事業の運営で生じた疑問に対し、誰がどのような改革を実行するのか。会長選では、理念を実際の制度改革に結びつける提案が求められる。

日本サッカー界でも、今回の一連の動きは大きな転機となる。岡田武史氏は自らの信条を優先して副会長を辞任し、宮本恒靖会長は国際組織との協調を考慮しながらJFAを率いる。そして田嶋幸三氏は、FIFAの会長選に挑む道を選んだ。3人の行動は異なるものの、問われているのは世界のサッカーを誰が、どのような原則で運営するのかという問題だ。

田嶋氏にとって最初の関門は、11月18日までに必要な推薦を集めること。その先には、強固な支持基盤を持つ現職会長との選挙戦が待つ。日本人初のFIFA会長誕生という歴史的な可能性とともに、日本が掲げる公平性や高潔性が世界の加盟協会からどれだけ支持されるかが試される。

 

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Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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