
台風25号で県内被害が広がるなか、19日から21日の大阪PRが「台風から逃げた」と取り上げられたことが背景にある。
県はチーバくんを守る苦渋の判断と説明した。
一方、くまモンら全国のキャラクターが応援し、熊谷俊人知事は自粛は必要ないと発信した。
大阪PRと台風被害が重なった経緯
チーバくんは9月19日から21日、阪急大阪梅田駅の期間限定アンテナショップで県産品のPRに当たっていた。
催事は「チーバくんとぐるめぐり2026」として落花生や梨など約280品を扱う予定で、知事自身も8月末に開催を告知していた。
同時期、千葉県は台風25号の大雨に見舞われた。
8月の豪雨でインフラが傷んだあとに長雨が続き、48時間雨量が県内の多くで観測史上最多級となった。
北印旛沼周辺では堤防が決壊し、浸水、土砂災害、停電、鉄道運休が広がった。
県内では通行止めが22日時点で133区間に上り、25日時点でも73区間が残った。
大阪の映像と県内被害の情報が同じ時間帯に流通し、キャラクターの所在が論点化した。
「逃げた」批判から県外活動休止へ
大阪活動の動画には「地元が危ないから避難してきた」といった投稿が付き、23日のお見舞い投稿にも「台風から逃げた」「千葉を見捨てた」との書き込みが集まった。
県担当者によると、Xでは一時トレンド3位になるほど反応が広がり、癒し系の投稿のあとも批判が続いた。
公式アカウントは24日、「しばらくの間、県外での活動をお休みする」「今は千葉がたいへんなときだから、できることを一生けんめいがんばる」と告知した。
26日と27日の「ご当地キャラカーニバルinぐんま2026」も欠席し、未発表分を含む複数の県外予定を見送った。
県報道広報課は、被害拡大のなかで県外活動を面白おかしく取り上げられるのは望ましくないとし、県民に寄り添う活動へ重点を移すと説明した。
一方、県庁への電話苦情はなく、発表後は激励が大量に届いた。
10月31日開始の「大チーバくん展」は予定どおり実施する。
くまモン・ぐんまちゃん・ジンくん、ゆるキャラの連帯
休止発表を引用し、他県のキャラクターが相次いで声を寄せた。
くまモン公式は「ボクたちにもできることが必ずあるモン。復興に向けて一緒に前に進んでいくモン」と書き、チーバくん側も「一緒に日本を盛り上げよう」と応じた。
開催地のぐんまちゃんは「無理しないでね。また会えるのをたのしみに待ってるよ」と欠席を受け止めた。
北海道のジンギスカンのジンくんは「チーバくんいじめた人、並んで。1人づつ鍋で焼いていくからね」とユーモアで擁護し、佐賀の有明ガタゴロウも反応した。
千葉非公式のチバジローは「一生懸命な姿に元気をもらっている」と県内から応援した。
災害時のマスコットは批判の受け皿になりやすい一方、県境を越えた励ましの回路にもなった。
知事「自粛は不要」と残る広報の課題
熊谷知事は25日、休止発表を引用し「チーバくんが県外で活躍することで、全国の人が千葉県のために何ができるか考えてくれる。どんどん県外に行って千葉を元気づけてください。自粛は必要ありませんよ」と投稿した。
もやもやする意見は自分か県庁へ寄せてほしいとも書いた。
その後の返信では、相談があればこの判断にはならなかったと振り返り、関係を密にすると述べた。
県の現場判断はキャラクター保護と県内専念を優先し、知事は県外発信こそ支援を広げる手段だと位置づけた。
同じ県の公式発信が24時間のうちに並んだことで、誰が最終判断するのかという広報の課題も残った。
批判の本体は治水や復旧の遅れにあり、マスコットへ責任を負わせるのは筋が違う。
県は被害が落ち着いた段階で県外活動の再開を検討する方針だ。



