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フジ系列・仙台放送でセクハラ加害者が常務に昇進 会社は「対応は適切」

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フジテレビ系列の仙台放送(仙台市)で、60代の男性常務が取締役だった2022年ごろ、部下の女性社員にセクハラ行為をしていたと河北新報が報じた。親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)はグループ通報窓口への情報をもとに調査し、ハラスメント行為を認定。仙台放送は2026年5月、男性常務に役員報酬の1割を2カ月返納する処分を科した。

女性社員は所属長を通じて申告していたが、男性は2024年6月に常務へ昇格。一方、仙台放送は6月30日、当時の人事部門とコンプライアンス部門は相談者の意向に沿って速やかに対応し、相談者も迅速に解決したと認識していると説明した。SNSでは「握りつぶし」との批判が拡散しているが、会社側の見解は異なるようだ。

 

申告後に常務へ昇格、FMH勧告で処分

河北新報によると、男性は取締役だった2022年ごろ、部下の女性社員にセクハラ行為をおこなった。女性社員は所属長を通じて被害を報告したが、同紙はハラスメントを扱う専門部署で諮られなかったと報じている。その後、男性は2024年6月に常務へ昇格した。

2025年夏ごろ、FMHのグループ通報窓口に情報が寄せられ、調査でハラスメント行為が認定された。FMHは2026年4月、関係者の処分、社内開示、再発防止策の策定などを仙台放送に勧告した。

仙台放送は5月8日の常勤役員会で、男性常務に役員報酬の1割を2カ月返納する処分を決定。事実確認を怠ったとされたコンプライアンス担当の別の常務も厳重注意とした。6月には氏名を伏せて処分を社内開示した。

 

仙台放送は「会社対応は適切」と説明

仙台放送は6月30日、公式サイトで見解を公表。FMHの調査で役員の過去の言動がハラスメントに認定され、当時の対応が不十分だったとして担当役員にも処分が勧告されたことを認めた。

一方で、発生当時は所属長から報告を受けた人事部門とコンプライアンス部門が相談者の意向に沿って速やかに対応し、相談者も迅速に解決したと認識していると説明した。FMHの勧告でも、職場環境の改善については一定の対応が迅速になされたと評価されたとしている。

社外公表を見送った理由については、相談者が公表を望んでいないことと二次被害の防止を挙げた。FMHが担当役員への処分を勧告した理由と、仙台放送が自社対応を「適切かつ迅速」とする説明の関係は、公表資料では詳しく示されていない。

 

社内で止まった申告を動かした「内部通報」

今回の事案で事態を動かしたのは、親会社FMHが設けた内部通報窓口だった。公益通報者保護法は、企業に通報窓口の整備と通報者の保護を求めており、2022年施行の改正法では、従業員数300人を超える企業に体制整備が義務付けられている。社内の指揮系統の中で止まってしまった被害申告が、グループ横断の通報制度によって掘り起こされた形だ。

 

ジャーナリストも問題視、SNSで拡散

この事案をめぐっては、ジャーナリストの赤石晋一郎氏がXで「役員報酬減の処分のみで常務に昇進。揉み消されたどころか出世を果たした」などと投稿し、拡散。当該投稿では、常務が元フジテレビ出身であることや、行為の具体的な態様についても言及している。

フジテレビ問題の教訓は生きているのか

フジテレビでは2025年1月、タレントと女性アナウンサーを巡る問題への対応が批判を浴び、スポンサー企業約75社がCM出稿を差し止める異例の事態に発展した。同年3月には第三者委員会が調査報告書を公表して性暴力による人権侵害と会社対応の問題を認定し、長年グループに君臨した日枝久氏ら経営陣の退任、経営体制の刷新に至った。

一連の問題を受け、FMHグループはガバナンス改革と人権尊重の徹底を掲げたはずだった。しかし今回の仙台放送の事案は、被害申告が社内で止まり、加害側とされる人物が昇進し、処分も公表されないという、グループが批判された構図と重なる点が多い。

地方局を含むグループ全体で、被害申告が確実に独立した窓口に届く仕組みと、処分の透明性をどう担保するのか。系列トップの不祥事から1年半、改革の実効性が改めて問われている。

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ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

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