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「安全に暮らせる場所がほしかった」国際犯罪組織プリンス・グループ幹部を再逮捕 日本が犯罪マネーの「安住の地」に

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カンボジアを拠点とする国際犯罪組織「プリンス・グループ」の最高幹部の一人とされる男が、在留カードの不正提供などの入管難民法違反の疑いで警視庁に再逮捕された。男は取り調べに対し「安全に暮らせる場所がほしかった。日本が候補になった」という趣旨の供述をしていると報じられている。米当局が「アジア最大級の国際犯罪組織」と認定する組織の幹部が、日本での永住権取得を画策していたとみられる今回の事件は、日本の在留管理制度の穴と、「犯罪者にとっても住みやすい国」になりかねない現実を突きつけている。

 

複数の名前を使い分け、「高度専門職」資格を取得

再逮捕されたのは、キプロス国籍で中国出身のフー・シー容疑者(44)。中国名の「胡小偉(フー・シャオウェイ)」など複数の名前を使い分けて活動していたとみられ、プリンス・グループの序列2位とも報じられる最高幹部級の人物だ。米国や英国から個人として経済制裁を受けている。

報道によると、フー容疑者は2023年11月に「高度専門職」の在留資格を取得。今年4月に東京都中央区役所へ虚偽の住民異動届を提出したとして、電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで既に逮捕されていた。今回の再逮捕容疑は、4月17日ごろに大阪市内のホテルで中国籍の女に自己名義の在留カードを提供し、5月28日には中央区役所での印鑑登録申請の際、別の男に自身の在留カードを使って手続きをさせたという入管難民法違反の疑い。関係する中国籍の男女も逮捕された。フー容疑者は「永住権を取るためだった」という趣旨の供述もしているという。

 

「工場のように」詐欺を量産する組織の実態

プリンス・グループは、カンボジアに複数の大規模詐欺拠点を構え、コールセンター型のオンライン投資詐欺を展開してきたとされる国際犯罪組織だ。拠点では強制労働や人身売買が絡み、騙されて連れて来られた労働者に詐欺行為を強制する「詐欺工場」の構図が国際的に問題視されてきた。日本人も標的となっており、高齢者を中心とした特殊詐欺被害との関連も指摘されている。

米財務省や米司法省、英国当局は2025年10月、同グループを「アジア最大級の国際犯罪組織の一つ」として関係者・関連法人を大規模な制裁対象に指定。違法収益は英領バージン諸島やケイマン諸島などのオフショアを経由して投資に回されていたとされる。組織の会長はカンボジア当局に拘束され、中国に送還済みと報じられている。一方、プリンス・グループ側は、米英当局の疑惑について否定している。

 

問われる日本の在留管理 「狙われる国」の自覚を

今回の事件で見過ごせないのは、国際的な制裁対象者が「高度専門職」という優遇された在留資格を取得し、永住権取得まで視野に入れて日本での生活基盤を築こうとしていた点だ。高度専門職制度は、優秀な外国人材の呼び込みを目的とした制度であり、その審査の実効性が改めて問われることになる。

「安全に暮らせる場所がほしかった」という供述は、日本の治安の良さと生活インフラの充実を裏返しに映し出す。しかし、犯罪組織の幹部やその資金にとっての「安全」を提供してしまえば、日本は国際的な犯罪マネーの逃避先として組み込まれかねない。警視庁は組織の日本国内での活動実態の解明を進めているが、在留資格審査の厳格化、金融機関による疑わしい取引の監視、国際的な制裁情報との連携など、水際と国内の両面で制度の穴を塞ぐ取り組みが急務だ。開かれた国であることと、犯罪に付け込まれる国であることは、まったく別の話である。

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ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

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