
お菓子の紙箱やプリント、トイレットペーパーの芯。リサイクルできるのに可燃ごみとして燃やされている家庭の「雑がみ」を、子どもたちがゲーム感覚で探し出す。
公益財団法人古紙再生促進センターが、こどもエコクラブと連携した体験型環境学習プログラム「雑がみさまを探せ!」を2026年度、6地域へ拡大して実施する。
燃やされている貴重な紙資源に着目
お菓子や食品の紙箱、プリント、メモ用紙、トイレットペーパーの紙芯などは「雑がみ」と呼ばれ、リサイクル可能な大切な資源だ。しかし、その多くは現在も可燃ごみとして処理され、資源として十分に活用されていない。
このプログラムは、公益財団法人日本環境協会が運営する「こどもエコクラブ」と連携し、家庭から排出される雑がみの分別・リサイクルを促進する体験型の環境学習だ。雑がみに宿る小さな神さま「雑がみさま」を主人公に設定し、子どもたちが家庭内の雑がみをゲーム感覚で探し出すことで、楽しみながら分別とリサイクルを学べる仕組みにしている。難しい環境教育を押しつけるのではなく、宝探しのような遊びに変換することで、幼い子どもでも自発的に取り組めるよう工夫されている。
佐賀県のモデル事業で952名が参加
プログラムは2025年度に佐賀県内のこどもエコクラブを対象として先行実施された。県内のクラブへ案内を行い、4クラブが参加。メンバー952名、サポーター299名が活動に取り組んだ。
こどもエコクラブの活動レポートでは、幼児から小学生まで幅広い年代の子どもたちが家庭で雑がみを集め、リサイクルについて学ぶ様子が報告されており、家庭での分別意識の向上につながることが確認されたという。子どもが家庭内で資源を探す体験は、家族全体の意識を変えるきっかけにもなる。
2026年度は札幌から佐賀まで6地域へ
2026年度は、より多くの子どもに資源循環を学んでもらうため、対象地域を札幌市、仙台市、千葉市、東京23区、名古屋市、佐賀県の6地域へ拡大する。これらの地域で活動するこどもエコクラブを対象に、雑がみ回収用の啓発紙袋や説明チラシを無償提供する。対象地域は同センターと関係の深い地域を中心に設定したという。
申込期間は2026年5月11日から2027年1月31日までで、参加費は無料。活動レポートや報告書を提出したクラブには特典も用意されている。同センターは、まず確実な運営体制のもとで事業効果を検証し、今後の実施状況を踏まえて対象エリアの拡大を検討していくとしている。子どもたちが家庭にあるリサイクル可能な紙を探し出し、資源として分別する体験を通じて、資源循環やごみ減量への理解を深めてもらうことを目指す。
繰り返し使える資源を、次世代の手で循環させる
古紙再生促進センターは1974年設立、紙のリサイクルを推進する公益財団法人だ。専務理事の川上正智氏は「紙は繰り返しリサイクルできる貴重な資源だが、家庭から排出される雑がみの多くは資源として回収されず、可燃ごみとして処理されている」と指摘する。
本プログラムは、子どもが主体となって家庭の中の雑がみを探し出し、資源循環について学びながら行動するきっかけづくりを狙う。子どもの環境学習と紙リサイクルの推進を通じて循環型社会の形成に貢献していく考えだ。古紙は製紙原料として何度も生まれ変われるが、可燃ごみに混ざれば一度きりで失われる。身近な紙ごみという入口から、次世代に資源を大切にする習慣を根づかせようとする取り組みである。



