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ダブル台風7号・8号、週末の列島直撃コースか 九州・四国・近畿は「来る前から大雨」

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台風
tenki.jp 公式サイトより

梅雨の空が重く垂れこめるなか、南の海で二つの台風が動き始めている。台風7号は沖縄へ近づき、その後は本州南岸へ進む可能性がある。台風8号も関東周辺へ影響するおそれがあり、週末の列島は落ち着かない。怖いのは、台風がまだ遠い段階から九州、四国、近畿で大雨の危険が高まっていることだ。梅雨前線と台風の湿った空気が重なると、雨雲は一気に牙をむく。


 

 

台風はまだ遠いのに、雨雲はもう来ている

九州の空は、朝から湿った灰色に沈んでいる。雨粒が道路をたたき、側溝の水音がいつもより太く聞こえる。台風の中心はまだ南の海上にあるが、雨雲だけは先に列島へ伸びてきた。台風が来てから荒れるのではなく、今回は来る前から天気が崩れ、災害の危険がじわじわと上がっていく。

tenki.jpによると、台風7号は25日から27日ごろにかけて沖縄地方へ接近し、その後、九州の南から本州の南岸に沿うように東へ進む見込みだ。さらに台風8号も北上し、27日には東海から関東に接近するおそれがある。二つの台風が同じ週末に列島周辺をうかがう形だが、本当に厄介なのは「ダブル台風」という言葉の派手さより、梅雨前線とぶつかるタイミングの悪さにある。

台風がまだ遠ければ、進路図を見てもどこか他人事になりやすい。自分の地域から中心が離れていれば、強い風さえ来なければ大丈夫だと思ってしまう。だが、台風は中心だけで天気を変えるわけではない。周辺から流れ込む暖かく湿った空気が梅雨前線に注ぎ込めば、雨雲は列島の上で一気に発達する。今回もまさにその形で、台風本体より先に、湿った空気が生活圏へ入り込んでくる。

 

6月の台風は珍しいのか

6月に台風と聞くと、少し早いと感じる人もいるだろう。台風といえば、夏休みの終わりから秋にかけて日本へ近づくものという印象が強い。実際、台風の発生や接近、上陸が多くなるのは7月から10月ごろだ。ただ、6月の台風そのものが異例というわけではなく、南の海ではすでに台風が生まれる季節に入っている。年によっては、梅雨の真っ最中に列島へ影響することもある。

問題は、この時期の日本列島のそばに梅雨前線が横たわっていることだ。暖かく湿った空気と比較的冷たい空気がぶつかる場所に前線ができ、そこへ台風周辺の水蒸気が流れ込むと、普段の梅雨の雨では済まなくなる。空の上では湿った空気が途切れず送り込まれ、雨雲は同じ場所で膨らみ続ける。台風がまだ遠くに見えても、大雨だけが先に始まることがある。6月台風の怖さは、まさにそこにある。

 

沖縄は暴風と高波へ 準備できる時間は長くない

台風7号は、沖縄の南を北上している。25日から26日にかけて先島諸島へ近づき、その後は沖縄本島地方にも影響が広がる見通しだ。先島諸島では非常に強い風が吹き、沖縄本島地方でも猛烈な風となるおそれがある。

暴風は、風速の数字だけで想像するより現実の方がずっと荒い。ベランダの物干しざおが壁に当たり、植木鉢が床を転がり、窓の外で何かが飛ぶ音がする。停電すれば部屋は一気に暗くなり、スマートフォンの電池残量がそのまま不安の残量になる。だから、風が強まってから動くのでは遅い。屋外のものを片づけ、窓まわりを確認し、モバイルバッテリーや懐中電灯、飲料水を用意しておく。派手な対策ではないが、暴風の夜に人を守るのは、こうした地味な準備だ。

海上は大しけとなる見込みで、沿岸部では高波にも警戒が必要になる。海の様子を見に行く、港を少し確認する。そんな軽い行動が事故につながることもある。台風の日の海は、確認する場所ではない。

 

九州・四国・近畿は「台風前の大雨」に警戒

今回、西日本で特に危ないのは、台風が近づく前から雨量が増えることだ。24日から25日にかけては、九州北部を中心に線状降水帯が発生する可能性がある。福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県では、同じ場所に発達した雨雲がかかり続け、災害の危険度が急激に高まるおそれがある。

線状降水帯の怖さは、雨が一度弱まっても終わったとは限らないところにある。次の雨雲が後ろに控え、同じ地域へ流れ込むことがあるからだ。山沿いでは土砂災害、低い土地では浸水、川沿いでは急な増水が起きやすくなる。川の水が茶色く濁り、流れがいつもより速く見えたときには、すでに危険がかなり近づいている。

四国でも24日昼過ぎから25日昼前にかけて、雷を伴う非常に激しい雨が降るおそれがある。近畿や東海でも、24日夜以降は雨雲が発達しやすい。帰宅時間帯に強い雨が重なれば、道路の冠水や交通の乱れは避けられない。傘を持つかどうかではなく、どの道を通るか、いつ帰るか、そもそも移動する必要があるのかを考える段階に入っている。

 

近畿は25日と週末、二度危ない

近畿では、25日に梅雨前線が紀伊半島沖へ北上し、南部を中心に雨が強まる見込みだ。和歌山県など紀伊山地の南側では、まとまった雨量となる可能性があり、雨雲の発達次第では警報級の大雨となるおそれがある。

さらに厄介なのは、その後の週末だ。27日から28日にかけて台風7号が本州南岸に近づけば、前線の雨に台風の雨が重なる。25日の雨で地盤が水を含み、そこへもう一度強い雨が降れば、土砂災害の危険度は上がりやすい。川の水位も、最初の雨で下がりきらないまま次の雨を受けることがある。

沿岸部では高潮にも注意が必要だ。強い風で海水が岸へ押し寄せ、気圧の低下で海面も上がる。そこへ満潮時刻が重なれば、普段は浸水しない場所でも水が入り込む。雨、風、波、潮位が少しずつ時間をずらして襲ってくるのが台風の厄介さで、ピークが一度過ぎたように見えても、その安心が裏切られることがある。

 

関東も油断できない 週末の予定は「帰れるか」で考える

台風8号は、台風7号より東側を北上する見込みだ。27日には東海から関東へ接近するおそれがあり、進路によっては伊豆諸島や小笠原諸島だけでなく、関東沿岸でも風や波が強まる可能性がある。西日本の大雨に目が向きがちだが、関東も週末の予定を軽く見ない方がいい。

出発できるかどうかだけで判断すると危ない。朝は小雨でも、夕方には鉄道が乱れるかもしれないし、高速道路が通行止めになるかもしれない。山間部の道路では、倒木や冠水で身動きが取れなくなることもある。旅行、イベント、スポーツ大会、海辺のレジャーは、行く気持ちよりも引き返す判断を先に置くべきだ。

台風情報は数時間で変わる。予報円が少し南へずれれば影響は海上中心になり、北へずれれば本州の広い範囲で雨風が強まる。ただ、変わらないこともある。梅雨の列島は、すでに水を含んでいる。そこへ台風の湿った空気が流れ込めば、雨雲は遠慮なく育つ。

「まだ来ていない」は、今回に限って安心材料にならない。雨雲は台風本体より先に生活圏へ入り込み、道路を濡らし、川を太らせ、斜面の土を緩ませる。守るべきなのは週末の予定ではない。無理に出かけた先で、帰り道を失わないことだ。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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