東京美容外科の統括院長、麻生泰氏が1月10日、自身のXアカウントを休止することを発表した。この決断の背景には、クリニックに所属する女性外科医の献体写真投稿を巡る炎上騒動がある。
同騒動がクリニックの経営に深刻なダメージを与えたことも明らかになり、麻生氏はSNSでの発信活動を見直す判断に至った。
献体写真炎上で経営危機に直面
問題の発端は、東京美容外科沖縄院の元院長である女性外科医が、グアムでの解剖研修中に撮影した献体の写真をSNSに投稿したことにあるのは既報の通り。写真には、献体の前でピースサインをする姿が写り込み、これが倫理的に不適切だとされ批判が殺到。一気に大炎上へと発展した。
麻生氏は当初、この女性医師を擁護するコメントを発信していた。しかし、批判が収まらず、結果的にこの医師を解任する対応を余儀なくされた。
この一連の騒動によって、クリニックの経営に深刻な影響が及んだ。麻生氏によれば、医師3名が退職し、採用予定だった医師2名が辞退。さらに、新規の銀行取引までもが白紙化されたという。麻生氏は「このような状況ではクリニックの未来が危ぶまれる」と危機感を募らせた。
ガーシー氏の助言を無視?SNSの落とし穴
炎上後、麻生氏は元参院議員のガーシー氏から「Xでの発信はあなたには向いていない」と助言を受けていたことを明かした。しかし、麻生氏はクリニックの広告効果を期待し、助言を無視してXでの発信を続けていたのだ。
結果として、SNSでの不用意な発言が企業ブランドに大きな損害を与える事態に発展した。麻生氏は「SNSの向こう側には生きた人間がいる」と投稿し、匿名のアカウントからの誹謗中傷にストレスを感じていたことを吐露。「多くの人を傷つけてしまったことを反省している」と謝罪の意を表明した。
SNS上の声は冷淡もあり温かさも
今回の炎上騒動を受け、SNS上ではさまざまな意見が飛び交った。「医師としての倫理観を問うべき」と厳しい意見が見られる一方で、「過ちを認めて反省したことを評価する」との温かい声も散見された。また、「医療に関する発信は慎重であるべきだ」という意見が多く寄せられ、SNSでの情報発信におけるリスク管理の重要性が改めて注目された。
こうした声に対し、麻生氏は「これからは発言の一つひとつを重く受け止めていきたい」と述べ、今後の行動に活かす姿勢を見せた。
麻生院長、SNS活動からの撤退宣言
麻生氏は今回のX休止について、「このツールに向き合う時間を、もっと有意義なことに使いたい」と説明。フォロワーからの応援メッセージに感謝し、今後は他の方法でファンや患者とのコミュニケーションを図る意向を示した。
企業ブランドに学ぶ教訓
今回の騒動は、SNSにおける発信が企業経営にどれほどの影響を与えるのかを浮き彫りにした。東京美容外科はこれから、どのように信頼を回復し、ブランドを立て直していくのか。その動向に業界の注目が集まっている。
特に美容業界は顧客からの信頼が命であり、いかなる情報発信も慎重さが求められる。麻生氏のケースは、経営者がSNSを活用する際のリスク管理の重要性を再認識させるものとなった。