ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

巴山建設株式会社

https://www.tomoyama-group.co.jp/kensetsu/

〒182-0025 東京都調布市多摩川2-25-1

042-484-2828

女性社員の声から、現場を変える。巴山建設株式会社の「ともやま小町」

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
ステークホルダーVOICE 社員・家族
リンクをコピー
ともやま小町
ともやま小町を推奨する女性社員(提供:巴山建設株式会社、以下同)

建設業で働く女性は、まだ多くない。担い手不足が課題となるなかで、どうすれば女性が現場で働き続けられるのか。東京・多摩地域の巴山建設株式会社は、その答えを現場の声のなかに探ってきた。

女性社員の声を起点に、ヘルメットや休憩室といった現場の環境を一つずつ改善していく「ともやま小町」という取り組みだ。その実践は、2024年度の東京都女性活躍推進大賞で特別賞に選ばれ、都知事との意見交換の場でも紹介された。

 

多摩に根ざす建設会社の、現場を変える取り組み

巴山建設株式会社は、東京都調布市に本社を置く建設会社である。1950年の創業以来、多摩地域を中心に土木・建築の工事を手がけ、親子3代にわたって地域に根ざしてきた。「建築・土木の新しい文化を創造する」というコンセプトを掲げ、近年はドローンやICT建機などを活用した施工を積極的に取り入れている。同社を率いるのは、代表取締役社長の巴山一済氏である。

その同社が、事業と並んで力を入れているのが、働く環境づくりだ。とりわけ知られているのが、女性社員の声を経営に直接反映し、現場の職場環境を改善していく取り組み「ともやま小町」である。

建設業は、長く男性中心の産業だった。工事現場で働くための装備や設備の多くは、男性を前提につくられている。そうしたなかで、女性が安心して働き、力を発揮できる現場をどうつくるか。巴山建設は、この問いに、現場で働く女性たちの声を手がかりにしながら向き合ってきた。ともやま小町は、その積み重ねから生まれた取り組みである。

 

「ともやま小町」はどう生まれたか

ともやま小町は、ある時点から明確に始まった取り組みではない。これまでの歩みを振り返ったとき、女性社員が加わっていくなかで、働きやすい環境づくりや、女性が活躍できる場づくりが少しずつ進められてきた。そのいとなみ全体を、同社はいまともやま小町と呼んでいる。

もともと、同社の女性社員は一人だけで、その社員はグループ会社の業務も兼任していた。その後、巴山建設に専属で勤める内勤の女性社員が増え、やがて工事現場で働く現場職にも、女性が入社するようになる。同社は、そのたびに、女性が働きやすいように環境を整えてきた。たとえば、それまで総務など内勤の女性向けに用意していた女性専用の休憩室を、工事現場にも設ける。そうした一つひとつの対応を、女性社員の増加に合わせて積み重ねてきた。

巴山建設・女性用ヘルメット
女性用ヘルメットの導入

改善は、現場で働く女性の声に寄り添いながら続けてきた。導入したものの一つが、女性専用のヘルメットである。髪を結んだままでも被れる、軽量のタイプだ。ヘルメットは安全のために欠かせない装備だが、男性を前提にした形状は、女性にとって使いづらさもあった。その一つを解消した工夫である。加えて、女性専用の休憩室には姿見を設置し、日焼け止めを支給するなど、現場の細やかな要望に応える取り組みも重ねてきた。

これらの一つひとつは、大がかりな制度改革というより、現場の声を受けて具体的に手を動かした改善である。ともやま小町の特徴は、女性社員の声を経営者が直接受け止め、素早く形にしていく点にある。声を拾い、改善し、また声を聞く。その循環で、女性が働きやすい現場を少しずつ整えてきた。

こうした取り組みは、外部からも評価されている。同社は、女性が安心して働き活躍できる職場づくりや、工事現場で働く女性の声を反映した環境改善が評価され、2024年度の東京都女性活躍推進大賞の事業者部門で特別賞を受賞した。現場発の地道な工夫が、社会的にも認められた形である。

 

都知事との意見交換で紹介した現場のリアル

現場から積み上げてきたともやま小町は、東京都が女性活躍推進を進める場でも取り上げられた。

2026年6月30日、東京都庁で「女性活躍推進条例 Kick Off 都知事と企業経営者等との意見交換」が開かれた。女性活躍推進を掲げる条例の始動に合わせ、小池都知事と企業経営者らが意見を交わす催しである。巴山建設からは、代表取締役社長の巴山一済氏が参加した。

意見交換のなかで、巴山氏はともやま小町の取り組みを紹介した。女性社員の声を直接受け止め、素早く職場環境の改善につなげてきたこと。その具体例として、髪を結んだまま被れる軽量の女性専用ヘルメットや、女性専用の休憩室、そこに設けた姿見や日焼け止めの支給といった、現場での工夫を説明した。とりわけ、建設現場の女性休憩室に置いた姿見については、小池都知事から好意的な意見が寄せられたという。

その後の参加企業による取組紹介の場でも、巴山氏はともやま小町の具体的な施策を、写真などを交えて発表した。建設現場という、これまで女性活躍の文脈で語られることの少なかった場所での取り組みが、都のイベントを通じて共有されたことになる。現場で働く女性の声から生まれた工夫が、行政の掲げる女性活躍推進の動きと重なり合う場面だった。

巴山建設・姿見の設置
姿見の設置された休憩室
 

女性が働ける現場が、建設業の未来をつくる

同社がともやま小町を通じて見据えているのは、女性の働きやすさだけにとどまらない。

女性が安心して能力を発揮できる環境をつくることは、結果として、多様な人材が活躍できる組織づくりにもつながる。性別を問わず、一人ひとりが意見を発信し、力を発揮できる。そうした職場は、女性にとってだけでなく、そこで働くすべての人にとって働きやすいはずだ。同社は、ともやま小町をその入り口と位置づけている。

この視点は、建設業が抱える課題とも結びついている。建設業界では、担い手の不足が続いている。現場を支える人材をどう確保し、どう働き続けてもらうかは、業界全体の課題だ。女性が働き続けられる現場を整えることは、これまで十分に活かされてこなかった人材に門戸を開くことでもある。働きやすい環境づくりは、担い手の確保という現実的な課題への一つの答えにもなる。

同社は今後も、ともやま小町をはじめとした取り組みを通じて、現場で働く社員一人ひとりの声を大切にしながら、働きやすい職場環境を整えていくとしている。誰もが意見を発信し、能力を発揮できる建設会社を目指す。現場の女性の声から始まった小さな工夫の積み重ねは、建設業で働き続けられる環境をどうつくるかという、大きな問いへとつながっている。

Tags

ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、ウェルビーイング関係が多め。

関連記事

タグ

To Top