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証明写真機に放尿疑い「記憶がない」 前山梨県議の辞職で補選、税金まで動く事態に

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山梨県議
DALLーEで作成

JR甲府駅構内の証明写真機で放尿した疑いを受け、山梨県議を辞職した前県議が10月6日、謝罪会見を開いた。本人は問題の行為について「記憶がない」と説明する一方、その後に証明写真機を掃除したことは覚えているという。

そして今回、辞職で話は終わらなかった。甲府市選挙区では補欠選挙が行われ、新たな県議を選び直すために公費が使われる。本人が覚えていない一夜の行動は、なぜここまで大きな負担を地域に残すことになったのか。

 

「放尿は記憶にない」、その後の掃除は覚えていた

問題が起きたのは9月25日夜。前県議はJR甲府駅構内の証明写真機で放尿した疑いが持たれ、山梨県警から軽犯罪法違反の疑いで任意の事情聴取を受けている。UTYテレビ山梨によると、前県議は当日午後5時半ごろから懇親会に出席。その後、途中から記憶がなくなり、次に覚えているのは日付が変わるころに甲府駅で警察官と話していた場面だったと説明した。

問題となった放尿については覚えていない。しかし、警察官と話した後、モップを使って証明写真機を清掃したことは覚えているという。懇親会の記憶はある。掃除した記憶もある。その間にある、最も問題となった場面だけが空白になっている。会見を開いても、「なぜ証明写真機だったのか」という疑問は残ったままだった。

 

4期目の県議を辞職、離党届では済まなかった

前県議は問題が明らかになった後、10月1日に県議を辞職した。甲府市選挙区で4期目だった。さらに所属していた立憲民主党山梨県連へ離党届を提出したが、県連は離党ではなく「除籍」を決めた。本人が自ら党を離れる形ではなく、党側が党員資格を失わせる処分を選んだことになる。

警察による捜査は続いており、法的な責任について結論が出たわけではない。一方で、政治家としてはすでに県議の職と党籍を失った。本人が当時の行動を覚えていなくても、政治的な責任は現実のものとして表れている。

 

辞職した結果、税金を使って県議を選び直す

さらに重いのが、その後だ。

前県議の辞職によって、甲府市選挙区では11月15日に県議補欠選挙が行われる。新たな県議を選び直すため、投票所や開票所の設営、職員の配置、投票用紙や選挙公報の準備などが必要となり、そこには相応の税金が投入される。

一晩の行動による影響は、本人の辞職だけにとどまらない。辞職後の手続きを行政が担い、有権者も再び候補者を選んで投票する。本人が職を辞したあとも、地域社会には新たな負担が残る。今回の問題で見過ごせないのは、その責任が本人の外側にまで広がっている点だ。

 

「辞めたから責任を取った」で終わるのか

県議を辞職し、党からも除籍された。本人にとって大きな代償であることは間違いない。ただ、公職にある人物の辞職は、民間企業を退職するのとは意味が違う。議席が空けば、その選挙区の代表が一人減る。一定の条件を満たせば補欠選挙が必要となり、その実施を行政と有権者が支えることになる。

今回も、本人が辞職した後に選挙管理委員会が動き、投票日が決まり、公費が投入される。「本人はもう辞めた」で区切れば見えにくいが、その後に生じた負担は地域社会が引き受けている。今回問われる責任は、県議の職を失ったことだけでは測れない。

 

会見でも残った「空白」

10月6日の謝罪会見では、前県議が自身の覚えている範囲で当日の経緯を説明した。一方で、会見では記者からの質問をその場で受けず、質問には後日書面で回答するとした。

なぜ証明写真機に入ったのか。なぜ問題となった行為の記憶がないのか。自らの辞職によって補欠選挙が必要になったことをどう受け止めているのか。こうした疑問は、その場では掘り下げられなかった。

本人の記憶が途切れている以上、当時の行動について説明できることには限界もある。しかし、政治家として問われるのは、覚えているかどうかだけではない。自らの行動によって生じた結果をどう受け止め、どう説明するかも含まれるはずだ。

 

「記憶がない」の先に残ったもの

なぜ証明写真機だったのか。その答えは今も分からない。ただ、結果ははっきりしている。4期目の県議が辞職し、党から除籍され、甲府市選挙区では補欠選挙が行われることになった。

本人は問題となった場面を「記憶がない」と説明する。しかし、辞職後に必要となった選挙の費用や行政の手間、有権者が再び投票する負担まで消えるわけではない。

今回の問題で重いのは、酒に酔っていたことそのものではなく、一人の公人の行動が本人の外側にまで影響を広げたことだ。辞職は責任の一つの取り方ではある。だが、その辞職によって税金と人手を使った補欠選挙が必要になった以上、「辞めたから終わり」で片づけるには、残された負担が大きい。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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