
神奈川県は、県内企業・団体のSDGsへの取り組みを後押しするため、株式会社eiicon(東京都文京区)と連携し、「令和7年度かながわSDGsパートナーミーティング運営業務」を委託した。eiiconが本業務を受託するのは今回が初めてとなる。
神奈川県がeiiconと連携し、SDGs推進を本格支援
神奈川県政策局 いのち・未来戦略本部室 SDGs推進グループは、令和7年度より、県内におけるSDGsのさらなる推進を図るため、「かながわSDGsパートナーミーティング」の運営を、オープンイノベーションに強みを持つ株式会社eiiconに初めて委託した。これにより、パートナー間のネットワーク強化や共創機会の創出といった民間のノウハウを活かした支援体制が整う。
「かながわSDGsパートナーミーティング」とは
「かながわSDGsパートナー制度」は、2019年に神奈川県が全国に先駆けて創設したもので、SDGsに取り組む企業、NPO、大学、団体などが登録している。県が中心となり、パートナー間の交流や協業を促進することで、SDGs達成に向けた具体的な事業創出を後押ししている。2025年2月時点で登録者数は1,462に達しており、今や県内のSDGs推進の基盤となっている。
第1回パートナーミーティングは4月21日開催|オンラインで誰でも参加可能
本業務のキックオフとして、2025年4月21日(月)14時より、「第1回 かながわSDGsパートナーミーティング」がオンラインで開催される。対象は登録済のSDGsパートナー企業に限らず、SDGsに関心を持つ県内企業や団体の担当者であれば誰でも無料で参加できる。
当日は、神奈川県からの制度説明のほか、eiiconによる今年度プログラムの全体像やスケジュールが共有される。また、基調講演として「SDGs入門セミナー」も予定されており、初学者でも理解を深められる内容となる。申込はPeatix上のイベントページ(https://kanagawasdgs1.peatix.com)にて受付中。申込締切は4月21日(月)10時までとなっている。
「AUBA」で培ったオープンイノベーションの知見を活用し支援を強化
運営を担う株式会社eiiconは、国内最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」を通じて、企業間の共創や新規事業創出を支援してきた実績を持つ。同社では累計3万4,000社を超える企業が登録しており、ビジネス成長と社会課題解決を両立する場の創出に力を注いできた。
今回のミーティング運営にあたって、eiicon 地域イノベーション推進本部の岩根隼人氏は「これまでの経験を活かし、パートナー企業間のネットワーキング支援や、先進事例創出のための伴走支援を強化する」と述べている。
担当者コメントにみる連携の意義と今後の展望
神奈川県 政策局いのち・未来戦略本部室の藏並豊綱・企業連携・SDGs推進担当課長は、「社会課題が複雑化するなか、2030年のSDGs達成に向けては、スピード感をもって多様な主体が連携し、具体的なアクションに踏み出すことが不可欠」と語る。今年度は民間の知見を取り入れ、より実効性の高い支援を目指す。
一方、eiiconの岩根氏も「神奈川県が構築してきた制度と弊社のオープンイノベーション支援の知見を融合し、企業の成長と社会価値創出の両立を実現していきたい」と展望を語った。
今後、神奈川県では、登録企業への情報発信支援、中小企業向けの制度融資、事例紹介などを通じ、企業のSDGs経営を後押しする取り組みを一層加速させる考えだ。行政と民間が一体となったこの連携モデルが、持続可能な地域社会を築く新たなステージへの突破口となるか、注目が集まっている。