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マテックス株式会社

https://www.matex-glass.co.jp/

〒170-0012 東京都豊島区上池袋2-14-11

03-3916-1231

Well-being City豊島区へ 学びの場をひらく、マテックスの街づくり

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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(撮影:安藤ショウカ)

窓の専門商社であるマテックス株式会社(以下、マテックス)は、2024年4月から「豊島区をWell-beingな企業が集まる街へ」を理念に、地域企業や地域行政と連携した街づくりの取り組みを始める。

その端緒となるのが、月1回ひらかれる勉強会の連続プログラムだ。同年1月23日にはそのプレセミナーが開催され、豊島区役所や近隣企業などから多くの人が足を運んだ。その様子と、今後の取り組みについて紹介する。

健康経営の推進で目指す街づくり

「窓から日本を変えていく」。マテックスは窓を切り口に真の社会貢献を追求する企業だ。
そしてその先で、人々が健康で豊かに暮らすことや、地域企業が「共創共栄」できる未来志向型の社会の実現を目指している。

そのマテックスはWell-being City 豊島区構想を掲げ、2024年4月から地域企業と行政とが連携した街づくりへの取り組みを始める。「豊島区をWell-beingな企業が集まる街へ」を理念に、TEAMとしまの有志企業にて勉強会を開催し、Well-beingな組織作りを進めるプロジェクトだ。

そしてそれに向けたプレセミナーが2024年1月23日、「HIRAKU IKEBUKURO 01-SOCIAL DESIGN LIBRARY-」(以下、SDL)にて開催された。

Well-beingとはどんな状態なのか。勉強会によって目指すものは何か。どうして”豊島区”なのか。プロジェクトの講師・監修と本イベントの登壇を務める下田直人さんによって、プロジェクトの構想が語られた。

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(株式会社エスパシオ代表取締役 下田直人さん)

下田さんは社会保険労務士としての専門知識を生かして人事・労務の課題に寄り添い、幸せな組織づくりに貢献している。より良い組織づくりのエキスパートとも呼べる下田さんによれば、そもそもWell-beingとは「単に疾病や病弱な状態ではないということではなく、身体的、精神的、そして社会的に完全に良好で全てが満たされた状態」だという。

そしてそれを実現するために必要なのが健康経営だ。Well-beingという大きな概念の中に健康経営が内包されているのをイメージすると分かりやすいだろう。健康経営とは「単に医学的な心身の健康に留まらず、仕事のやりがい、充実感を得るウェルビーイングな状態を目指す経営」だという。4月から始まるプロジェクトを通じて、この健康経営の企業を増やしていこうというのである。

しかしながら、その健康経営、ひいてはWell-beingを目指すことにどんな意義があるのか。ここで下田さんからWell-beingに関連する調査の結果がいくつか紹介された。

まず厚生労働省の調査だ。「個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、令和4年度の総合労働相談件数は124万件にも上り、中でもいじめや嫌がらせの相談が7万件近くもあるという。年間所定労働日数を120日とすると、いじめや嫌がらせの相談だけで1日に580件以上寄せられている計算だ。

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(厚生労働省「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」)

続いて、病気やけがのために4日以上会社を休んだ際に受け取ることができる傷病手当の支給状況については、「精神および行動の障害」が原因として最も高く、約33%を占めるという具合だ。※1

ただ、精神面などにおける問題や悩みを抱えているのは、仕事を休んだ人に限らない。何らかの疾患や症状を抱え、業務遂行能力や生産性が低下している状態で出勤している状態を「プレゼンティーイズム」という。このプレゼンティーイズムに関しては、年間の推定損失額は高ストレス者で109万円にものぼると推定されている。※2

こうしたデータを見てみると、1989年をピークに16歳以上64歳未満の労働人口が年々減っている今、働く人の心身の健康の課題は年々切迫したものになってきていると言えるだろう。つまり、働く人にとっても企業にとっても、Well-beingを目指すことは非常に重要なことなのだ。今回のプロジェクトで最初の目標として目指すところがまさに、従業員のやりがいや働きがいが高まることにより、企業の価値も生産性も高まることなのである。

それを実践していく具体的な手段となるのは、健康経営優良法人認定制度での認定の取得だ。この認定を取得していることは、健康経営の標準規格が担保できていることの証明になる。

プロジェクトにおける勉強会では、その認定を取得するための取り組みや、Well-being企業になるための学びを行なっていく予定だ。「健康経営有料法人認定の取得を目指しながら、仕事のやりがいや充実感、安心感も得られるような会社を一緒に作っていく。そんなことを皆さんと一緒に実践をしていきたいと思っているんです」と下田さんは参加者に語り掛けた。

※1:全国保険協会「現金給付受給者状況調査(令和3年度)」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/cat740/c2022101201.pdf
※2: ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社:「本邦初:ストレスによる企業のコスト損失額は、高ストレス者一人当たり 150 万円に達する可能性があることが判明」

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(下田さんは「志ある皆さんと一緒に真の健康経営を目指したい」と強調した)

しかしなぜ”豊島区”という地域をあげての構想を立て、地域企業や地域行政と連携して行なっていくのか。その背景には、TEAMとしまが描く街づくりへの展望がある。

それについて下田さんは「健康経営優良法人認定を取得することで、採用力や定着率アップに繋がり、そしてそれが各企業のブランドイメージの向上にもなる。そしてそんな企業が豊島区内で増えていけば、『Well-beingな企業と言えば豊島区』というブランディングになり、豊島区にさらにいい人材や企業が集まってくる。そんな相乗効果が生み出せるのではないかと考えているのです。」と語った。

つまり、プロジェクトを通じて健康経営の企業が増えていくことで、豊島区は健康経営優良法人が日本一多い(割合が高い)街になる。そして、ゆくゆくはそれが街のブランディングになり、街づくりにつながっていくという展望を描いているのだ。

個の時代のいま、企業に求められることとは

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(下田さん、マテックスの松本社長の対談のようす)

イベントの後半には、下田さんとマテックスの松本社長による対談が行なわれ、プロジェクトの構想や背景にある想いに触れられる貴重な時間となった。

マテックスは2021年に健康経営優良法人認定を取得しており、2013年ごろから本格的に健康経営のスタイルをとり始めていた。というのも松本社長はその時にはもうすでに、これから個人の働き方や考えを尊重する「個の時代」が来るだろうと考えていたのだという。

マテックスが大切にしている3つの価値軸である「経済的価値」「社会的価値」「文化的価値」。経済的、社会的な価値は言わずもがな、それに加えて社員一人一人の豊かさや充実を追い求めることが、企業のフィールドでも必要になると松本社長は考えたのだ。その考えにもとづき、一人の人間としての成長に資することにチャレンジすべく、これまでイベントの開催や、社内大学の設立などによってその環境づくりに力を入れてきた。

そしてさらに磨きをかけて現在取り組んでいるのが、個の志である「マイパーパス」の追求だ。「成長を支え合う環境づくりがこれからの企業において大事なエッセンスになると思うので、これをいま一生懸命やっています」と松本社長は説明する。

そんな話を聞いて、下田さんからは「企業の文化醸成という目に見えない部分に取り組む怖さはなかったのか」と率直な質問が出た。

それに対して松本社長は、「その方向性に一致するメンバーも、そうでないメンバーももちろんいましたし、社外の人から小馬鹿にされるようなこともありましたね。でも、それぞれの立場の意見も受け止めていかないとうまくいくものもいかなくなりますから、これも試練の一つだと思ってやりました。私たちの本業が何のためにあるかというと、利益や数字を上げることそのものではなく、生活者のお悩みに答えてソリューションとしてそれをお届けして、対価をいただくことなんですね。ですから、そういう思いを信じて、仲間が一人いればどうにかなるというぐらいの考え方でいました。」と返答した。

対談の最後には、松本社長のプロジェクトへの意気込みも語られた。

「健康経営の本質を考えてみた時に、健康経営優良法人認証を取ることはゴールではなくてスタートラインなんです。認定を取得したことで良くなったのか悪くなったのかもよく分からないし、採用活動に効いているのかも分からない、では元も子もありませんから。本質の部分にチャレンジし、これからの未来像を描き続けることも並行して取り組んでいきたいと思っています。」

本イベント全体を通じて、下田さんと松本社長の抱く、プロジェクトやその先にある豊島区における街づくりへの期待が強く感じられた。このプロジェクトは、賛同する豊島区役所や東京海上日動火災保険株式会社、参加する豊島区の企業など、多くの人が手を取り合い、進んでいく。

新たにひらかれる学び場は、地域の未来もひらいていくだろう。

◎会場情報
『HIRAKU IKEBUKURO(ヒラク イケブクロ) 01』Social Design Library (SDL)
知・人・アクティビディをつなぐ媒体として図書館、学校、ギャラリー、公園、仕事場、実験場、事業相談所、社会的事業の8つの役割を持つ人々のサードプレイス。いつでも利用できるサードプレイスとして法人パートナー、個人パートナーを募集中。
WEBサイト:https://www.hiraku.community/
Facebook:https://www.facebook.com/hiraku.ikebukuro01/
Instagram:https://www.instagram.com/hiraku.ikebukuro.01_sdl/
X:https://twitter.com/hirakuikebukuro

Well-being City 豊島区構想
2024年4月より始まる、TEAMとしま有志企業にてWell-beingな組織づくりについての勉強会。月1回の集合形式で健康経営優良法人認証、取得の取り組みやWell-being企業になる為の学びの場がひらかれる。プレセミナーページ:https://www.hiraku.community/post/well-beingcity

◎プロフィール
下田直人
株式会社エスパシオ 特定社会保険労務士
2002年28歳の時に社会保険労務士事務所を開業。現在では、労働法務、心理学、東洋哲学をベースとして、コーチング・ファシリテーションのテクニックを駆使しながら、「人の心を温める組織づくり」に活動領域を広げている。多くの会社の業績アップと幸せな組織作りの両立に貢献している。

松本浩志
マテックス株式会社 代表取締役
米国ビジネススクール卒業後、大手電機メーカーを経て「窓」の卸商社であるマテックス株式会社の三代目代表に就く。「窓から日本を変えていく」をビジョンに掲げ、持続可能で平和な社会づくりに資する理念&パーパス経営を実践する。2012年には、「これからのリーダーシップと組織づくり」「人にフォーカスする経営」をテーマに、スタッフと共に10のコア・バリューを制定し、様々な社内イベントや取り組みをつうじてコア・バリューの体現(戦略的企業文化の醸成)を推し進めている。

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ライター:

フリーライター。昔から感想文や小論文を書くのが好きで、今なお「書くこと」はどれだけしても苦にならない。人と話すのが好きなことから、取材記事の執筆が主軸となっている。新潟県で田んぼに囲まれて育った原体験から、田舎や地方への興味があり、目標は「全国各地で書く仕事をする」こと。

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