2022年9月にPercify株式会社を起業、共同代表を務める、慶應義塾大学法学部政治学科に在籍中の久野啓伍さんと土田恭平さん。
現在は、会社の方向性を見極める創業期に向き合うため、お二人とも休学中です。
Percify株式会社の軸となる事業は2つ。「学生×社会」というコンセプトで、学生の長期インターンを紹介するエージェント事業、及び、経営者と学生を繋ぐ交流の場を提供する事業です。
「若者から日本を変えるべきだ」という思いから、起業当初よりお二人を支え、ビジネスのアドバイスを続けているのが、グローバルパートナーズ株式会社(以下、GP社)の代表取締役山本康二さんです。
「いつの日か、目標でもある山本社長を越えるような経営者になりたい」と、夢を語る久野さんと土田さんに、山本社長の姿勢から影響を受けていること、学んでいることなど、詳しく伺いました。
信頼できる友と歩み始めた「学生起業家」としての道
まず、なぜ学生で起業を決意されたのか、そのきっかけや理由を教えてください。
土田
大学2年生の時、アメリカに1年間留学したことが大きなきっかけとなりました。
留学先で受講したアントレプレナー講座で、私を含め学生4人で起業することになり、実際に、ハイチの再生可能エネルギーを支援するNPO法人を立ち上げました。その経験が、私を大きく起業に近付けました。
帰国後、将来の方向性を考えるようになった際、一旦就職すれば起業のチャンスもなくなるのではと感じ、起業に挑戦しようと考えるようになりました。
久野
私は、将来のキャリアに繋がる就職活動、という分岐点に立った時、自分が興味を持つことを仕事に結びつけたいと感じていました。
大手企業に就職したとしても、自らの裁量で動くチャンスは少ない気もして、それならば、やりたいことを信頼できる人たちと一緒に実現したいと、起業を決断しました。
お二人が共同代表になった経緯を教えていただけますか?
久野
高校3年生で野球部を引退し、将来のことをぼんやりと考え始めた時に、堀江貴文さんなど何人かの起業家の本を読み、起業に興味を持つようになりました。
その後、起業に近いことにも挑戦したんですが、失敗に終わっていたんです。理由は仲間との意見の相違。誰と一緒にどう歩むか、ということの重要性を学ぶ経験になりました。
大学に進学してからも、いつかは再チャレンジをという思いは持ち続けていたんです。
そんな時、土田がアメリカ留学から帰国。共に野球部で過ごした友人でもある彼となら、また挑戦できるのではないかと思い、共同代表という形で起業することになりました。
土田
久野が高校生の頃から起業に興味を持っていることは知っていました。私自身、留学して起業への関心が増していましたので、それならば信頼できる仲間と、と思い二人で踏み出す決意をしました。
Percify株式会社の事業内容を教えていただけますか?
久野
「学生×社会」というコンセプトで、軸としている事業が2つあります。
まずは、学生の長期インターンを紹介するエージェント事業。もう一つは、早慶生を対象にした、経営者と学生をオフラインで繋ぐ、交流の場の提供です。
学生にとっては、長期インターンやキャリア形成に関する情報交換を経営者と直接できる場に、また経営者にとっては、学生との出会いの場になっています。
御社の事業に興味を持つのは、どういった企業なのでしょうか?
久野
IT企業が多い傾向です。
長期インターンで、優秀な学生を採用に結びつけたい経営者が多いのですが、それだけではなく、私たちが学生起業家ということもあり、学生の手で社会イノベーションを起こしてほしいと思われている経営者もいます。
単に採用の機会ということではなく、私たちの活動支援や、学生全体をサポートしたいという思いで参加してくださる方も大勢いて、勇気付けられます。
GP社の山本社長も、そのお一人です。
山本社長からの正直なアドバイスやフィードバックが成長の糧に
久野
私が、Facebookを通して、山本社長に直接連絡させていただいたのが最初です。
そもそも、「社長メシ」というサービスに山本社長が登録されていて、そこでお名前を知りました。
「社長メシ」は、学生が経営者と食事をしながら、会社の経営方針やビジョンなどを知ることができたり、キャリア相談ができたりというサービスなんですが、その理念が、私たちの思い描く事業方針と似ていたんです。
そこに登録されていた山本社長に魅力を感じ、「私たちの開催する交流会に参加しませんか?」とお声掛けしました。
すると、わずか20分後に返事をいただいたんです。事業内容にも興味を持たれ、オフィスにも招いていただきました。学生を支援してくださる姿勢に感激したことをよく覚えています。
それがきっかけとなり、他の経営者の方々にもアプローチできるようになりました。
初めてお会いした時の、山本社長の印象はいかがでしたか?
久野
人柄がすばらしいというのが第一印象でした。オフィスに伺った際も、山本社長と社員や役員の皆さんとのやりとりを目にしたんですが、皆さんからとても慕われ、尊敬されている様子が伝わってきました。
土田
私も久野と同様、人柄に惹かれました。インターンの際、学生を安く雇える労働のコマのように扱う企業もあるのですが、山本社長は、本気で日本の若者を支援したい、育てたいという強い思いをお持ちでした。
若者から日本を変えていくべきだという考えにも感銘を受けました。
現在は、山本社長とどういった関わりをお持ちですか?
土田
定期的に壁打ちをしていただいています。
休日に突然ご連絡しても、快く対応してくださったりとお世話になるばかりです。
土田
起業当初は、私たちの方向性も定まっておらず、経営方針に関する細かいアドバイスや、ビジネスモデルに対しての明確なヒントをいただきました。
それから、山本社長も参加されているGPU(※)に、私たちの運営メンバーが参加させていただいたり、他の経営者をご紹介いただいています。
土田
信頼できる方です。山本社長の描くビジョンにも共感していますし、何より人柄が素晴らしい。また、その人柄に惹かれて集まってきている方もたくさんおられ、尊敬できる経営者です。
久野
私が惹かれるのは、何事も正直にアドバイスやフィードバックをくださるところです。
私たちの意見を聞いた上で、ダメなものはダメと言われますし、豊富な経験から的確なアドバイスをいただくこともあります。学生ベンチャーを支援したいという気持ちがとても伝わってきます。
山本社長には実力主義の側面もあり、厳しい印象を持つ方もいますが、お二人はどうお感じですか?
久野
厳しいフィードバックの後に、ディスカッションになることもありますが、納得いくまで話をさせていただきますので、私自身はポジティブに捉えています。
土田
私たちに対しても、社員の皆さんに対しても、熱い思いがあるからこそ厳しいことも言ってくださっていると感じています。
もし、GP社の社員になれるとしたらいかがでしょうか?
土田
社員として、学ぶことや吸収できることは無限にあると思いますが、いつかは尊敬する山本社長を越えたいという思いの方が優っていますので、山本社長の下で、というイメージは湧きませんね。
久野
私も同じ思いです。山本社長と一緒に何かに取り組みたいという気持ちが強いですね。
ですが、学びたい、成長したいという気概のある学生には、GP社で働くことを勧めます。
学生にGP社を勧めるポイントを挙げるとしたら、具体的にどのようなことでしょうか?
久野
いくつかあるのですが、まずは社員の皆さんの雰囲気がとても良く、かつ組織力を感じるところです。
社員同士だけでなく、山本社長に直接提案をする社員の方もおられ、山本社長も積極的にディスカッションし、正直にフィードバックしている。社員が働きやすい環境、成長できる環境があると感じます。
次に、連絡を取った際のレスポンスの早さ。私が初めて連絡した時もそうでした。
それから、人柄も。これら全て、信頼につながる要素だと思います。
土田
将来的に起業したいとか、何かしらの目標がある学生であれば、働きがいを感じると思います。
逆に、収入のみを意識している学生では着いていけないかもしれませんね。山本社長は、良いところも悪いところも、全てディスカッションしながら、育てていこうとされます。
実際に社員の皆さんも、自主性を持って新しいことに挑戦されていたり、山本社長から厳しいフィードバックをもらっても、自らの意見をしっかりと伝えられる雰囲気があるように思います。
山本社長との関わりで学びになった点を教えてください。
土田
常に自信を持って話をされるところです。私自身、上に立つものとして、自信を持って相手に伝えたり、振る舞うことの大切さを学びました。
久野
土田に近いのですが、人を惹きつける話し方はとても参考になります。もう一つ、山本社長に連絡を取った際に学んだ、レスポンスの速さですね。
いつの日か、山本社長を超える経営者を目指して
今後、GP社や山本社長に期待されることはありますか?
土田
GP社は国際的に事業展開されていますし、社員の皆さんも英語で会話されていたりと、人種や国籍を問わず、誰もがやりがいを持って働ける環境を、他社よりもいち早く整えている印象です。
今後ますます、その輪を広げていただきたいですし、同時に若者支援の裾野も広げていただければ嬉しいです。
久野
今まで以上にメディアに出てほしいですね。
というのも、私たちが開催した交流会でも、山本社長にとても影響を受けた学生が大勢いるんです。若者が興味を持つ話題も豊富に持っておられますし、何よりインパクトが大きい。
できればインフルエンサーとして活躍していただきたいです。
土田
同感です。個人でオンラインサロンやYouTubeチャンネルを開設するとか。きっと、山本社長のファンになる方が続出するはずです。(笑)
御社が、山本社長をプロデュースする事業を立ち上げるのもいいですね。さて、今後、山本社長とどのような関係を築きたいですか?
久野
現在はボランティアのような形で関わっていただいているんですが、今後は、ビジネスパートナーとして協業もしたいですし、しっかりとした資本提携も結べればと思っています。
まずは、山本社長に期待していただけるレベルまで、私たちが経験を積まなければいけません。
土田
これまでは、教えていただくことばかりでしたが、今後はwin-winな関係も築いていきたいです。
久野
今はまだ、山本社長に多くを与えていただいているばかりですが、これからは、私たちもギバーになりたいと思っています。
最終的には、山本社長を越える経営者になることを目指して、今後も学びながら、追いつけ追い越せで邁進していきたいです。
土田
私たちと山本社長が共に目指しているのは、若者から日本を盛り上げていきたいということ。
いつの日か、一緒に大きな事業に取り組めれば嬉しいです。
◎企業概要
Percify株式会社
現役慶應生2名で立ち上げた学生スタートアップ。学生と社会の架け橋となる事で、日本の若者から様々なイノベーションが生み出される社会の実現を目指す。現在は、経営者と早慶生が交流できるイベントの運営と長期インターンのエージェント事業の2つを展開している。
▪️設立:2022年9月1日
▪️従業員数:2名
▪️HP:https://percify.info/
▪️Instagram:https://instagram.com/percify.official?igshid=YmMyMTA2M2Y=
◎プロフィール
久野啓伍
慶應志木高→慶應義塾大学 法学部政治学科 3年 に所属。入学後、スタートアップ2社で立ち上げ期から長期インターンを経験。趣味は野球、カラオケ、ゲーム。野球は中学時に全国大会優勝、大学時に関東選抜の主将を経験。「やりたい」と思った事を全て実現できる人間になる、をモットーに生きている。現在は、高校野球部の同期である土田と企業活動に励んでいる。
土田恭平
慶應志木高→慶應義塾大学 法学部政治学科 3年 に所属。大学2年の秋学期から1年間、アメリカに交換留学し、NPO法人の立ち上げに参画。野球歴は14年で12歳の時に香港代表チー ムとしてアジア選手権準優勝。趣味はスポーツ、旅行、カラオケ、温泉。将来は日本の文化(特に温泉) を世界に広めたい。