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鹿島アントラーズの甘い処分が浮き彫りにしたIN.FIGHT問題 今回の処分で再発は止められるか

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サッカー 鹿島アントラーズ サポーター 処分

10月24日のJ1第12節、メルカリスタジアムで行われた柏レイソル戦で、鹿島アントラーズの一部サポーターが試合前に緩衝帯へ侵入して威嚇行為を繰り返し、試合後にはビジターゲートを塞いで柏サポーターを一時的に閉じ込めた。
クラブは30日に該当者12人の処分を発表したが、内容は「甘い」との批判が鹿島サポーターからも殺到している。
常勝クラブの看板の裏で繰り返されてきた特定集団の問題が、改めて浮き彫りになった形だ。

 

12人処分の詳細と甘いと言われる理由

クラブが公表した処分内容は次の通りだ。
他のサポーターにビジターゲートへの接近を指示した1人は、10月31日以降のホーム・アウェイ全試合への無期限入場禁止。
試合前に緩衝帯へ侵入し、試合後にもゲートに接近した1人はホーム2試合の入場禁止(期間中のアウェイも含む)。
試合後にゲートへ接近した10人はホーム1試合の入場禁止。
別に緩衝帯へ接近した者には厳重注意を行った。

行為の内容は、単なるルール違反にとどまらない。
試合前は黒服の集団がアウェイエリアに向かって威嚇を繰り返し、緩衝帯への侵入も確認された。
試合後は一時閉鎖されたビジターゲート前に留まり続け、柏サポーターが出口を使えなくなった。
走って追いかけられた人、威嚇されて怖がった人、バスを逃した人、子供が怖がったという証言がネット上で相次いだ。
それにもかかわらず、大半が1試合禁止という軽さに対し、「これで再発防止になるのか」との疑問が広がっている。

 

鹿島サポからも批判殺到 永久追放を求める声

公式発表の投稿には、鹿島サポーターとみられるアカウントからも厳しい声が相次いだ。
「全員永久追放しろよ」「アントラーズサポーターから見ても甘すぎる、一生出禁だろ」
「全員無期限で良かったのに処分甘くね?こんなんだから鹿島は身内に甘いって言われる」といった書き込みが目立つ。

「被害者の会」を名乗るアカウントは、追いかけられた人や威嚇されて怖がった人、バスを逃した人がいたと具体的に挙げ、動画の存在を示唆した。
応援に来た子供を怖がらせた行為に対し、「その程度の処分でアントラーズの民度が疑われる」との意見も出ている。
身内からの反発が強いのは、今回に限った話ではなく、過去の同様事案で十分な対応が取られてこなかった蓄積があるからだ。

 

繰り返すIN.FIGHTとは何か

問題の中心にいるとされるのが、鹿島のハードコア集団IN.FIGHTだ。
創設期からクラブを支えてきた歴史を持つ一方、相手サポーターへの威嚇やセキュリティエリアへの侵入といった運営妨害が指摘されてきた。
2008年のいわゆる大旗事件では、アウェイの柏戦で大旗の竿を振り回して選手に当て、プレーを妨害。関係者に無期限入場禁止が科され、最前列での大旗使用も禁止された。

2021年10月の横浜FC戦後には、敗戦に怒ったメンバーが柵を乗り越えて侵入し、「勝てない鹿島はいらない」趣旨の横断幕を掲げようとした。
制止した警備員を羽交い締めにする暴力行為に及び、警察が出動する騒ぎとなった。
クラブは6人に一部試合の入場禁止を科した。

2023年4月の広島戦後にはチームバスを40分以上囲んで「岩政を出せ」などと抗議し、運営を妨害。1人がアウェイセキュリティエリアに侵入し、ホーム2試合の入場禁止となった。
同月の神戸戦後には選手との話し合いの場で、鈴木優磨が「まだ巻き返せる」と説得したのに対し、「ねーよ!」「おめーらに気持ちを感じねーんだよ!」と罵倒した。
こうした行為が繰り返される中、クラブは特定集団への明確な線引きを先送りしてきた。

 

他クラブとの比較で見える対応の差

同様の問題に対し、他クラブはより踏み込んだ対応を取ってきた例がある。
2025年の大阪ダービーではガンバ大阪サポーターが柵を破壊し、相手サポーターへの威嚇・暴力が発生。
Jリーグはガンバを厳重注意とし、集団移動の制限を強く求めた。

横浜F・マリノスは同年の横浜ダービーで発煙筒やロケット花火を使った行進を行い、関連4団体の活動禁止とサポーター73人の無期限入場禁止を実施。
後に法的措置を視野に入れた示談に至っている。

浦和レッズは過去に声出し応援違反で2000万円の制裁金を科され、個別事案でもスマホ破損で無期限入場禁止、メディア関係者への唾吐きで5試合禁止といった処分を出している。
来場者規模に対する発生率は低いという指摘もあるが、悪質事案に対する対応の速さは鹿島と対照的だ。
鹿島の場合、特定集団への構造的な対応が先送りされてきた点が、今回の批判を強めている。

 

純粋に応援したい人が怖がる環境

問題の本質は、一部の過激層の行為によって、純粋に観戦や応援を楽しみたい一般サポーターや家族連れが怖さを感じる点にある。
子供を連れてきた保護者や初めてスタジアムに足を運んだ人にとって、出口を塞がれたり威嚇されたりする状況は、スポーツの楽しさを損なうものだ。
スポーツマンシップは選手や審判に求められる概念だが、観客側にも安全な環境を損なわない最低限のマナーは求められる。

Jリーグは2025年に悪質な危険行為に対して法的措置も辞さない方針を示し、全クラブに周知した。
鹿島が今回の事案を機に、特定集団への明確な線引きと再発防止策を打ち出せるかどうかが問われている。
処分の甘さが「これでは止まらない」との声を招いている以上、クラブが本気で安全なスタジアムを守る姿勢を見せなければ、純粋なファン離れは避けられない。

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ライター:

酒場で耳にした小さな違和感から企業不祥事、SNSトレンド、エンタメ、グルメまで幅広く追いかけるライター。

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