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ベッキーはなぜ10年かかった?『イッテQ!』復帰で見えた「戻っても元には戻れない」難しさ

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ベッキー
ベッキイ 公式Xより

ベッキーが10年ぶりに『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)へ出演した。芸能活動そのものは2016年に再開している。それでも、かつてのようにテレビで頻繁に見かける存在には戻らなかった。なぜベッキーの復帰は、これほど長く感じられたのだろうか。

 

「テレビで見ない日はない」存在だったベッキー

2016年1月、「ゲスの極み乙女。」川谷絵音との関係を『週刊文春』が報じた。当時、川谷は既婚者だった。ベッキーは記者会見で「友人関係」と説明したものの、その後、2人のLINEでのやりとりが報じられ、1月末から芸能活動を休止する。

影響が大きかったのは、当時のベッキーがテレビの中心にいたからだ。『イッテQ!』だけでなく、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『ありえへん∞世界』など複数の人気番組に出演し、CMにも数多く起用されていた。明るく、元気で、司会者の隣にも芸人の輪の中にも入れる。強烈な持ちネタがなくても、「ベッキー」というキャラクターそのものに価値があった。

 

仕事には戻った。それでも以前ほど見なくなった

休業から約3カ月後の2016年5月、ベッキーは『金スマ』に出演し、一連の騒動について語った。その後も芸能活動を続け、2017年には地上波のレギュラー番組も始まっている。ドラマや映画、ラジオにも活動の場を広げた。芸能界から姿を消していたわけではない。

それでも、騒動前との違いは明らかだった。ゴールデン帯の人気番組を何本も掛け持ちし、CMでも頻繁に顔を見る。そんな以前のポジションには戻っていない。「復帰したか、していないか」だけでは、ベッキーの10年間は見えてこない。仕事は続いているのに、テレビの中心にいた頃の存在感は戻らなかったのである。

 

矢口真里、渡部建は「騒動後の自分」をテレビに持ち込んだ

同じように不倫問題で仕事に大きな影響を受けた矢口真里は、復帰後、自ら騒動について話すようになった。以前のイメージを完全に取り戻そうとするのではなく、「不倫騒動を起こした矢口」まで含めてバラエティーに出る。かつてなら触れにくかった出来事そのものが、番組で扱える話題になっていった。

アンジャッシュの渡部建も、復帰後は以前とは違う。かつてはグルメや高校野球に詳しく、司会もこなすスマートなタレントとして活躍していたが、『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)への復帰後は、相方の児嶋一哉やゲストから騒動をいじられる場面が増えた。以前の渡部をそのまま取り戻すのではなく、「騒動後の渡部」という別の立ち位置ができていった。

 

では、ベッキーは何になればよかったのか

ここにベッキー特有の難しさがある。矢口のように不倫騒動を笑いに変えるのか。渡部のように芸人たちから容赦なくいじられるのか。どちらも、それまでのベッキーとは少し違う。一方で、何事もなかったように明るく笑い、人気番組の真ん中へ戻れば違和感も生まれる。

ベッキー自身、2024年にABEMA『ダマってられない女たち』で、20代の頃は「好感度を意識しすぎていた」「嫌われないようにしていた」と振り返っている。騒動後は「一気に肩の荷が下りた」とも語った。本人は「好感度の高いベッキー」であり続けることから離れた。一方、そのイメージこそ、テレビで長く重宝された理由でもあった。騒動で失ったのは番組だけではなく、それまで自分が座っていたポジションだったとも考えられる。

 

手越祐也はベッキーより先に『イッテQ!』へ戻った

『イッテQ!』では、ベッキーより後の2020年に番組を離れた手越祐也が、2024年に約4年ぶりの出演を果たしている。宮川大輔、内村光良とロケを行い、2026年にはスタジオにも登場した。つまり、一度番組を離れた出演者が戻れない番組ではない。

手越には『イッテQ!』の中で分かりやすい役割があった。アイドルなのに泥だらけになり、ナルシストぶりをいじられ、宮川らと本気で勝負する。戻れば「手越復活」そのものが企画になる。一方のベッキーは、番組を明るく進め、スタジオの空気をつなぐ存在だった。その役割は重要だったが、ベッキー不在の10年間にも番組は続く。出演者の関係も変わり、「ベッキーがいない『イッテQ!』」がいつしか当たり前になっていった。

 

10年ぶりのベッキーに用意されたのは「昔の席」ではなかった

今回の出演は、そこが面白い。ベッキーはいきなりスタジオへ戻ったわけではない。内村と宮川がいるイタリアへ「マグネット仮面」として現れた。3人は2009年にも「マグネット同好会」の企画でイタリアを訪れており、17年前の組み合わせが復活した形だ。

内村は久しぶりの共演を前に「あんまり寝てない」と明かし、ロケ中にベッキーから昔と同じ調子で「内村さん」と呼ばれたことを「懐かしかった」と振り返った。その言葉にベッキーが涙を見せると、隣にいた宮川も号泣。宮川は以前、ベッキーに「内村さんと俺は、ベッキーがイッテQ!に出ること諦めてへんから」と伝えていたという。

 

ベッキーの10年が長く見えた理由

スキャンダルを起こした芸能人には、「いつになったら許されるのか」という議論がつきまとう。しかし、ベッキーの場合、それだけでは説明しにくい。活動を再開しても以前ほどテレビで見かけなくなり、その間にも番組や出演者は変わった。本人も結婚、出産を経験し、「好感度を意識していた」というかつての自分から離れている。

だから今回、『イッテQ!』は昔のレギュラー席へベッキーを戻すのではなく、内村と宮川との「昔の関係」をもう一度つないだ。10年前と同じベッキーに戻る必要も、番組を10年前へ戻す必要もない。かつて一緒に番組を作った3人が、もう一度ロケをする。その形だからこそ成立した復帰だったのではないか。

そして今回の出演には、「おかえり」「また出てほしい」といった声も寄せられている。10年前と同じベッキーでなくてもいい。結婚し、母になり、42歳になった今のベッキーを、もう一度テレビで見たいと思っている人も少なくないのではないか。今回の『イッテQ!』出演は、その声にテレビがどう応えていくのかを見る、新たなスタートになるのかもしれない。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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