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スーザン・サランドン「干されている」と告白 パレスチナ支持で代理店契約解除、今も続く「起用するな」の圧力

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スーザン・サランドン
DALLーEで作成

アカデミー賞女優のスーザン・サランドン(79)が、パレスチナ支持を表明したことをきっかけに、現在もハリウッドで仕事を失っていると明かした。

9月6日、ヴェネツィア国際映画祭で新作「The Echo Chamber」の記者会見に出席したサランドンは、自身を起用しないよう働きかけている代理店が存在すると証言した。2023年には長年所属していた大手タレント代理店UTAとの契約を解除されている。政治的な発言が俳優の仕事にどこまで影響するのか。今回の告白は、ハリウッド内部に残る見えにくい圧力を改めて浮かび上がらせた。



 

スーザン・サランドン「最近も仕事を奪われた」ヴェネツィアで告白

サランドンは「The Echo Chamber」の記者会見で、「最近も仕事を奪われた」と明かした。その理由について、自身を雇わないよう他者に伝えている代理店があると説明。大手スタジオ作品についても、自分だけでなく複数の俳優が同様の状況に置かれているとの認識を示した。

一方で、観客からの受け止め方については違いを感じているという。海外では以前より歓迎されていると語り、映画を制作・配給する側の判断と、実際に作品を見る観客の反応が必ずしも一致していないことを示唆した。問題は単に「人気がなくなった」ということではなく、作品への起用を決める業界側の力学にあるというのが、サランドンの主張だ。

 

2023年の親パレスチナ集会での発言、UTAが契約解除

転機となったのは2023年11月だった。ニューヨークで開かれた親パレスチナ集会で、サランドンは米国のユダヤ人について「この国でイスラム教徒として生きる感覚を味わっている」といった趣旨の発言をした。この言葉は、ユダヤ人が長く経験してきた差別や迫害の歴史を軽視するものだとして強い批判を浴びた。

その後、UTAはサランドンとの契約を解除した。サランドン自身も同年12月に声明を出し、自らの表現について「大きな間違いだった」と謝罪。ユダヤ人が迫害と無縁だったかのように聞こえる発言だったとして後悔を表明している。つまり、今回の問題は単純に「パレスチナを支持したから干された」とだけ整理できるものではない。問題視された発言があり、本人もその表現について謝罪したという経緯がある。

 

700人超が「ブラックリスト化」を懸念 サランドンだけの問題ではない

ただ、その後もハリウッドでは別の議論が続いた。2024年9月には、SAG-AFTRA(全米映画俳優組合)の組合員ら700人以上が公開書簡を発表。パレスチナへの支持やガザ情勢への発言を理由に俳優が仕事を失うことがないよう、組合に保護を求めた。書簡にはマーク・ラファロ、シンシア・ニクソン、ラミー・ユセフらとともにサランドンも署名している。書簡では、政治的な立場を理由に仕事から排除される状況への懸念が示された。今回サランドンが語った「起用するなという圧力」は、本人が以前から訴えてきた問題が現在も続いているという証言でもある。

 

「警告に耳を貸さなかった」監督がサランドンを主演に起用

そうした状況のなか、サランドンを新作「The Echo Chamber」の主演に起用したのが、イタリア人監督アンドレア・パラオロだった。サランドンは会見で、監督について「彼はその警告に耳を貸さなかった」と説明。自身の起用を避けるよう求める声があったことをうかがわせた。

同作でサランドンが演じるのは、表舞台から退いていたところを呼び戻され、カムバック作品に挑む伝説的アーティスト。脚本は2018年に死去したベルナルド・ベルトルッチが晩年に手がけていた企画を基にしている。ヴェネツィアでの上映後には約8分間のスタンディングオベーションを受けたとDeadlineは伝えた。大手スタジオから距離を置かれる一方、独立系映画では主演作が作られ、観客から大きな拍手を受ける。この対照こそ、現在のサランドンを取り巻く状況を象徴している。

 

「政治的発言」と「俳優の仕事」はどこまで切り離せるのか

サランドンは以前から、政治や社会問題について積極的に発言してきた。2011年の「ウォール街を占拠せよ」運動への参加や、2016年米大統領選でのバーニー・サンダース支持など、その姿勢は今回突然始まったものではない。1995年には死刑制度を題材にした「デッドマン・ウォーキング」でアカデミー主演女優賞を受賞するなど、社会的なテーマを扱う作品とも深く関わってきた。

だからこそ今回の告白で注目すべきなのは、サランドンの政治的立場に賛成するか反対するかだけではない。俳優の発言に問題があったとき、批判や契約解除はどこまで正当なのか。そして謝罪後も、非公式な「起用しない」という圧力が続くとすれば、それは誰がどの基準で決めているのか。サランドンの証言は、表からは見えにくいハリウッドの意思決定そのものに問いを投げかけている。

大手作品への道が狭まっても、彼女を起用する監督はいる。そして映画を評価する観客もいる。「干されている」という一言だけでは捉えきれない。スーザン・サランドンをめぐる現在地は、政治的発言と表現者の仕事をどう考えるのかという、ハリウッドが抱える難しい問題を映している。

 

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ライター:

Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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